●36櫛形山脈を日本一の小ささで活性化(その3)
このように、櫛形山脈による地域活性化について多様な切り口により熱い思いをもった頼もしいメンバーにより、ざっくばらんで和気あいあいとした雰囲気の中で、”日本一小さい山脈”に人を呼び込むためにはどうしたらよいかについての意見交換が予定時間を超えて行われた。
出された知見やアイデアなどはここには書ききれないほど多いので、各々の個別具体の取組や相互連携などにおいて、今後表に出ていくことになるが、ごく断片ではあるが幾つか紹介したい。
「学校の総合学習の授業で、櫛形山脈をテーマに扱ってもらうのもいいのではないか。その際はぜひ今回集まった皆さんにインタビューなどの協力をお願いしたい。」「山の会の方達は、学校登山などのイベントがあれば事前に登山道を整備するなどして、安全に登山ができるよう準備してくれている。その過程も知ってもらうといいのではないか。」とのお話については、私もビギナーとして櫛形山脈に登ってみた経験を踏まえて、「初心者向けの案内や事前の情報、例えば、登山に適した格好、登山口にたどり着くまでの道、駐車場など、が欲しいところであり、櫛形山脈は携帯電話がつながるというのもアピールポイントだ。」とお話させていただいた。
「今あるマップをもっと活用して、情報を足していくといいのではないか。ルートもいくつか設定(初心者向け、上級者向け)して、マップに記入するというのもある。国道290号側に抜けるルートもあると良い。」とのご指摘もあった。
「櫛形山脈は新発田市と胎内市の2市にまたがっているため、チームを組んでお互いに協力していくことが大切だと感じる。」との発言があり、参加者がこれに賛同したことからは、これまでは山の関係者同士でも意外にも横のつながりが乏しかったことについて改善が必要との認識が揃ったことを感じた。
「若い人には、”山は好きだが、会に所属するのはちょっと…”という人もいる。入会しても関わり方は色々あり、各々ができることをすればよい。気楽に参加できるというようなアピールが必要だ。」と今時の若者気質にも配慮した勧誘が必要とのご指摘には頷けた。それにも関連した「関心のある人達がゆるく繋がる形にしておいて、必要な時に広く声掛けする仕組みにすると、次の世代の担い手が育っていくのではないか。その際に、ついでに他のコンテンツもあわせて宣伝するとよい。」との発言にも皆が共感していた。
「櫛形山脈にある「願文山(がんもんさん)」は「吾妻鏡」(鎌倉幕府の歴史書)にも登場する。「奥山荘(おくやまのしょう)」や女武将「板額御前」などコンテンツはたくさんある。登山、桜、歴史、温泉、羽越本線などさまざまなコンテンツをみんな絡めて、縦走証明書を発行するなどしてアピールしていくとよい。」と皆で各々なりに取り組んだり連携していこうと気勢も大いに上がったのだ。
新発田市と胎内市にまたがる”日本一小さな”「櫛形山脈」への誘客増進に向けて、両市で活動するヒト達と意見交換の場を設けたわけだが、面白みある豊富な歴史話や学術的にも美しさでも価値ある多種の桜木など、魅力満載の地域資源であることを皆で再確認できて、新たに先に進めていけるベースを作ることができたように思える。
各々の取組を具体に連携させる実効ある提案などで意気投合できたので、それらが具体に展開していけるよう、新発田地域振興局としても、仲立ちを継続したり、ささやかながらもできる範囲での予算を投じたりして、積極的に関わっていきたいと、決意を新たにできたのだ。
〓ふるわせ座談会第11回終わり〓
(「新発田地域ふるわせ座談会36「櫛形山脈を日本一の小ささで活性化(その3)」」終わり。「日本一小さな「櫛形山脈」の活用案いただきました!」に続きます。)
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