新潟久紀ブログ版retrospective

新発田地域ふるわせ座談会22・「地域おこし協力隊に学ぶ」

●地域おこし協力隊に学ぶ

 令和6年1月17日午前。管内の地域おこし協力隊員から活動内容などを聞いてざっんばらんに意見交換したいとのお願いに応えて、新発田市から3名、阿賀野市から2名、胎内市から2名の計7名の隊員さんが新発田地域振興局の会議室にお越しくださった。
 折しも元日の能登半島地震で何かと情勢が慌ただしく、また、当局において発生した官製談合事件で関係職員の処分が報道されたばかりで近寄りを嫌がられるかと思ったが、会議室には順次にこやかな表情が集い予定通り「第6回地域ふるわせ座談会」の開催に至れた。平日の昼間、しかも真冬には珍しい久々の好天で、”稼ぎ時”の貴重な時間にも拘わらずお集まりいただいて心から謝意を述べた。
 先ずは私から、新発田市、阿賀野市、胎内市、聖籠町で構成する新発田地域において、地域活性化のために各々で活躍している人や機関、団体等を関連付けて、いわば”振るわせ”て、 取組の創造や効果向上をもたらす化学反応や相乗効果に繋げたいということで、令和5年春から始めたこの座談会の趣旨を説明。
 そして、新発田地域ならではの風土や環境を踏まえて、管内で隣り合う3市の協力隊員達に共通して底上げしたい知見やスキルであるとか、協力隊員相互や市域を越えた異分野との連携により取組効果が向上することがあれば、県出先機関としての立ち位置で課題を抽出して役立てる事を見出せるかも知れないこと。更に、隣の自治体に居ながら日頃接点が薄い協力隊員が会して意見交換することで知恵や工夫の芽が生まれるかもしれないといった私の参集意図をお伝えした。
 そんな論点についてコメントも含めて、自己紹介やら取組内容と課題などを、先ずは順次一通りお話いただき、意見交換することにした。
 胎内市の「森麻衣子」さんは、神奈川県出身で活動はコロナ禍に伴う延長により4年目。高齢化集落である胎内市大長谷集落の地域活性化がミッション。サロン(地域住民の集いの場)の企画、子育て世帯向けのイベントの企画などを行っている。
 新発田市の「早川諒」さんは、群馬県出身で活動はもうすぐ3年目。地域づくり支援センターという市民と行政などをつなぐ役割をもつ中間支援組織に所属し、助成金助成等の実務、イベントの企画・運営等を行っている。最近では新発田市を堪能できるVRを作成し、観光地や行事をイベントの場で紹介している。
 新発田市の「蟻川小百合」さんは、埼玉県出身で令和5年2月から活動して地域づくり支援センターに所属。新発田市に興味を持ったきっかけは写真展示イベントの「写真の町シバタ」。芸術・文化に関するイベントを企画実施している。
 胎内市の「神田圭奈」さんは、埼玉県出身で令和2年までの3年間、協力隊員として活動。当時は、イネ科植物の食材”マコモダケ”のPRや集落行事の活性化、サロン活動等を行っていた。現在は胎内市観光協会で、観光振興推進サポーターとして観光フリーペーパーの作成、体験イベントの企画を行っているほか、NPO法人で協力隊のサポート業務等も行っている。
 新発田市の「守谷純」さんは、元々は高知県出身で平成29年に東京から新発田市米倉地区に家族で移住し、3年間、協力隊員として活動。農業や農園の作業やイベントの手伝いなどを行っていた。協力隊卒業後の現在も地域のイベントには引き続き参加している。
 阿賀野市の「高松英昭」さんは、新潟市から移り住み、令和5年7月から活動。移住検討者向けの情報発信や移住相談などを行っている。
 阿賀野市の「荒木美和子」さんは、令和5年7月から活動。市が実施しているICTを活用したハウスで研修を行って就農を目指すという取組に興味があり協力隊員になった。現在はICT園芸ハウス等で活動している。農業人口が減ってきているので、小規模でも営農できるような方法を考えている。
 意見交換を通じて、所属して活動する市は違うけれども、地域おこし協力隊員さん達に共通して底上げしたい知見やスキルとか、連携によりお互いに「役立ち合える」ようなものが垣間見えて、県としても微力ながらも応援できそうだと感じた。
 座談会で聴けた課題は大きく分けると2つの切り口で、一つは「協力隊員としてより活動しやすくするための対応」、もう一つは「協力隊員としてのノウハウやスキルの向上」というように括れると思う。
 一つ目の「活動のしやすさ」に関しては、協力隊員制度が始まって随分になり、人数も受入れ自治体も増えたが、良し悪しは別として、自治体ごとに受け入れ体制や地域住民とのマッチングの進め方なども違いがあるので、関係者皆が良かれと思う中においても、協力隊員さんにしてみれば、もどかしかったり、馴染みにくさなどを感じる部分もあるように受け止めた。
 県の立場で新発田地域管内や県内の市町村ごとの違いを俯瞰して見たり情報収集したりして、協力隊員さんの思いや本来持てる実力が、より効果的に発揮されるような活動環境づくりのための関係者との情報共有や意見交換に関わりたいと思った。
 二つ目の「ノウハウやスキルの向上」に関しては、取組を事業経営へ伸展させるためのビジネスの基礎スキルとか、収益を上げて行くにあたって自治体に属する協力隊員しての適切な対処方法など、活動が深まると必要になっていく知見を求める声が聴かれた。
 実は振興局では、座談会に先駆けて昨年の9月に、振興局管内の自治体の地域振興担当者と地域おこし協力隊員さんも含めて、情報発信の研修会をさせていだいている。情報が埋没せずにより注目されるようなSNSでの発信の仕方やタイミング、ビジュアルの作り方などを、大手広告代理店でキャリアを積んだ県職員や、フランスでも活躍された写真家であり第一回座談会で懇談した「水島優」さんを講師に、相当ハイレベルな内容で実施してご好評をいただいたところ。
 県が持つ人材ネットワークを活かして協力隊員さん達に共通する課題への対応のための応援を今後もテーマを変えながら続けたいと思う。
 また、財源調達の手段として注目され続けているクラウドファンディングは、集まった協力隊員の中にも実践者がおられたので、こうした各々の実践経験やノウハウの共有でお互いに取り組みを高め合えるように仲立ちなどをしていきたいと思った。
 新発田市、阿賀野市、胎内市から地域おこし協力隊員さんをお招きして、共通する課題への対応や連携による活動効果向上等について極めて有意な意見交換をすることができた。外部からこの地に来てくれた隊員さん達に住み続けてもらえる事は、地域の人口減少抑制と来訪者増に直結するものと心得、生の声から得られた対策に取組みたい。

「FMしばた」でこの座談会を紹介していただいた概況はこちら。

(「新発田地域ふるわせ座談会22・「地域おこし協力隊に学ぶ」」終わります。「新発田地域ふるわせ座談会23「令和6年度の展開」」に続きします。)
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