▼25若手野外イベント仕掛人(その2)
「渡邉和輝」さんも是非お会いしたい方だった。店舗を持たずイベントや許可を受けた場所でコーヒーを販売する事業「VOST COFFEE」を展開しているという仕事も興味深い。
新発田市の山あいにある大長谷(おおながたに)集落にて令和5年秋に開催した「オオナガタニ2.0フェス」の実行委員長なのだが、50人ほどの人口の集落にその100倍もの来訪があったと報道で見聞きした私は大いに驚いたものだ。
初回は胎内市、村上市から約20店舗が出店したが、今後は年1回のペースで開催を予定していて、今年の開催は、9月1日を予定しており、新潟市や三条市などで活躍している出店者も集め、一層の誘客を図る見込み。このイベントが、大長谷集落の地方創生の小さな第一歩となり、続けていくことで、活性化を図っていきたいと言う。単発花火的な賑やかしに終わらせない持続性を目指す理念には頼もしさを感じる。
新発田地域に移住して欲しいとも考えたが、当該集落にどっぷり入り込むということでなく、都市住民的な生活感と視点があるからこそ、そうした人々を呼び込むセンスというものが伸張するのであろう。
それでも地域密着的に関わり続けてその情勢変化や温度感などを把握したり次回開催に向けた常日頃からの意識醸成などは大事ではないか。
「森麻衣子」さんはそんな疑問に答えてくれる存在だと思う。胎内市地域おこし協力隊員として4年間活動した後、現在は胎内市集落支援員として大長谷集落に住み活動している。「地域ふるわせ座談会」の地域おこし協力隊員の回でも参加して頂いた方だ。
大長谷集落は人口50人程度、子どもは3人しかいない、胎内市でもトップレベルの高齢化集落であり、支援員としてのミッションは、集落の内の人と外の人をつなげること。これまでも、外で活躍する人を大長谷に積極的に呼び込む活動をしていたが、偶然、前出の渡邉さんが大長谷を訪れた際、「この田舎の景色は若者にも刺さる」と捉えられ、これはチャンスだと思い、一緒にオオナガタニ2.0フェスを開催したのだという。渡邉さんと共に”外”と”内”の目線の両輪となって地域を盛り立てていくというスタイルはある種先導的なモデルなのではないかと考えられ、地域振興の参考にしたいと思う。
「星野親」さんは、新発田市で印刷などの事業を行う「株式会社エンジュ」さんの社員で、同社が地域貢献したいとの思いから、敬和学園大学と新発田地域振興局とのコラボにより地域活性化プロジェクトとして開設したInstagram「しばたニア」において、新発田地域の飲食店やイベントなどの情報を発信している中心人物。
イベント仕掛人たちとの人脈づくりの場として今回お声掛けしたところお忙しい中駆けつけてくれた。インスタも初動は良かったので今後どのように展開していくのかのヒントを探りたいということだった。
座談会では多岐多様な意見が忌憚なく出されて大いに刺激的なやりとりができたのだが、彼らが展開するイベントが地域のいわゆる交流人口の増に寄与しているなどその公益性を考えると、我々行政としてもっと歩み寄ったり協力したりすべき部分も感じられ、単に彼らから話を引き出すだけでなく、そうしたやりとりもさせて頂いた。
「イベントが乱立する中で、目的が明確になっており、コンセプトに合致した会場でのイベントが生き残るのではないか。」「集客には、出店者の人気もあるが、イベントのコンセプトや会場の雰囲気とマッチしていることが重要だと感じている。」「毎回同じ会場でイベントを開催すると、来訪者にはマンネリ化したイベントに映ってしまう。マルシェの強みは、特定の場所に固定されずに開催できるため、今まで行ったことのない土地で開催することで魅力を高めることができると考えている。」などとのご意見には、「新発田地域には魅力的な土地がたくさんあるので、皆さんに紹介していきたい。」と表明。
「情報発信は、個人や出店者のSNSだけでは偏った周知になってしまうため、行政からも広報してもらえるとありがたいし、力になる。」には、「できることは協力したいと思うし、これまでの座談会での連携により新たに生まれた情報発信手段「しばたニア」も活用したい」と応じた。
「大規模なイベントを開催する際、会場の使用料が高額になってしまう。県や市町村からイベントを応援してもらい、使用料を減免するなどしてもらえるとありがたい。」「イベントに活用できる行政の補助金情報や補助メニューの手続きは分かりにくく、補助金申請に時間を割くのか、協賛金を集めた方がよいのか悩む。」「物品の貸し出しについて、大規模イベント開催により不足する場合は、近隣の市町村が協力して貸し出しできる仕組みがあるとよい。」などとの発言を受けて、「開催地の市町村単体では対応しきれない可能性もあり、広域自治体たる県の地域機関として関係者との仲立ちや連携など支援したい。」とお話させていただいた。
今回の地域ふるわせ座談会においては、新発田地域の内外でのマルシェなどのイベントで、誘客や経済的な成果を上げる若手達から、取り組みの秘訣や課題などをたくさん伺うことができた。
イベント開催を重ねるに伴い大きくなる会場探しや設備調達などの悩みについては、開催地の市町村単体では対応しきれない可能性もあり、広域自治体たる県の地域機関として関係者との仲立ちや連携など支援したいとの思いを新たにできたのだ。
(「新発田地域ふるわせ座談会25「若手野外イベント仕掛人(その2)」」終わり。「新発田地域ふるわせ座談会26「五頭連峰を活かしたい(その1)」」に続きます。)
☆ツイッターで平日ほぼ毎日の昼休みにつぶやき続けてます。
https://twitter.com/rinosahibea
https://twitter.com/rinosahibea
☆「活かすぜ羽越本線100年」をスピンオフ(?)で連載始めました。
☆「新発田地域ふるわせ座談会」を日記と別建てで連載してます。
☆新潟久紀ブログ版で連載やってます。
①「へたれ県職員の回顧録」の履歴リストはこちら
②「空き家で地元振興」の初回はこちら
③「ほのぼの日記」の一覧はこちら
➃「つぶやき」のアーカイブスはこちら
☆新潟久紀ブログ版で連載やってます。
①「へたれ県職員の回顧録」の履歴リストはこちら
②「空き家で地元振興」の初回はこちら
③「ほのぼの日記」の一覧はこちら
➃「つぶやき」のアーカイブスはこちら