嵐ファン・大人のひとりごと

嵐大好き人間の独りごと&嵐の楽曲から妄想したショートストーリー

妄想ドラマ 『 season 』 (7)

2010年04月20日 | 妄想ドラマ『season』
     妄想ドラマ 『 season 』 (7)



その日の帰り、俺は二宮先生にシンのことをそれとなくきいた。

「何かあった?自分のクラスの子でもないのに心配してたら身がもたないよ」

やはり二宮先生は感が鋭い。

「そうなんだけど・・・」


「二宮先生のクラスの子は二宮先生に任せたら?」

後ろから来ていた大野先生に肩を叩かれた。

迷ったけれど、ふたりに今朝のことを話した。


「シンだったら大丈夫だと思うけどな。いつもどおり給食だってモリモリ食ってたし」

二宮先生は、丸田先生の迫力を目の当たりにしていないからだ。

「ならいいけど。大野先生はどう思います?」

「二宮先生がそう言うんだから大丈夫。この人いい加減そうに見えるけど、子供たちのことは

 誰よりもよく見てるから。まぁ丸田先生がいくら優しそうに見えても、

 二人の男の子の母だからね、こわーい母ちゃんの一面が出ちゃったんじゃないの?」

「ああ見えて、子供さん中学生だっけ?反抗期の男の子は大変だよね。

 櫻井先生も身に覚えがあるでしょ」

中学生の息子?二宮先生の言葉に正直驚いた。

丸田先生は俺が思っていたよりもっと年上だったのだ。

「櫻井先生は丸田先生を外見でどんな人か判断してたでしょ?子供たちのほうが見る目あるかもよ」

二宮先生が俺の目を覗き込んで笑った。

「熱くて、まっすぐで涙もろい」

ボソッと大野先生がつぶやいた。



「先生驚いた?」

翌朝、朋香と桃子が俺を見つけると、おはようの挨拶も無しにいきなり聞いてきた。

「何が?」

「マルティー、じゃなくて丸田先生の本性見たの初めてだもんね」

なぜか嬉しそうな桃子。

「ちょっと驚いたよ」

「ちょっと?うっそだぁ。目が点になってました」

朋香が宿題のプリントをヒラヒラさせながら言った。

「丸田先生って怒る時はいつもあんな風なのかな?」

「コンクール前はね。だいたいパーカスの5年の男子がいけないのよ」

朋香は同意を求めて桃子を見た。

「そうそうシンもつられて騒ぎ出してうるさかった。怒られて当然。

 でもさ、かあちゃんに締めてもらえはウケル」

「私達、笑いこらえるの大変だったよね」

ふたりはそう言って思い出したようにフフと笑った。

「そうだったのか。丸田先生が恐くてみんながシュンとしちゃうんじゃないかと心配したよ」

「大丈夫。丸田先生も音楽のことになると熱くなっちゃうけど、間違ったこと言ってないし、

 コンクールはもうすぐだもん。絶対入賞したいのは先生も私達も同じだから」

きっぱりと桃子が言った。


俺は安心した。

丸田先生があんなに怒ったのはコンクールで入賞させてやりたい熱い思いからで、

その気持ちは子供達に届いていたのだ。

思っていたより子供たちは大人なのかもしれない。

それでも気になってシュウにシンの様子を聞いてみたら

「うちの母ちゃんのほうがよっぽど怖い」の一言で片付けられた。

参観日のあとの懇談会で言葉を交わしたシュウの母親はとてもそんな風には

見えなかったけど、母親ってのは見た目とは違うタフな生き物らしい。

そういえばうちのお袋だってそうかも。


いよいよコンクールに向けて出発の前夜、風呂からあがってビールを飲んでいる

と携帯が鳴った。

大野先生からだ。

今夜は早く寝たいのに、今頃なんだろうと思いながら電話に出た。

「さっき丸田先生のご主人から教頭先生に電話があって、丸田先生が明日のコンクールに行けないって」

「えっ?もう一度言ってください」

俺は何か聞き間違えたのかと思った。

でも大野先生は同じ言葉を繰り返し、最後に明日の朝は予定の集合時間より

少し早く来るようにと言って電話は切れた。

一大事だ!


  ------つづく-----
コメント (2)
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奈良さんも・・・

2010年04月20日 | アラシゴト
奈良さんも怪物くん見たんだねぇ~

おーちゃんと波長があうんでしょうか意気投合ってやつ?

しかも今度はcutを読んでるって

先を越された・・・

私はまだお目にかかっていません

でもね明日は本屋に行きます。

買う絶対買う
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