断食を始めて3日間は何も変化はなかった。
右の鼠径部と右肩の痛みは良くも悪くもならなかった。
断食の間口にしたのは水と尿だけであったが、
三日間の断食は何度も経験していたので取りたてて空腹感に
悩まされる事もなかった。
世の中には*ブレサリアンと呼ばれる人たちがいるのだから
このくらいは当たり前だとその時は軽い気持ちであった。
*(ブレサリアンとはベジタリアンから段階を踏んで食物を制限してゆき最終的に
空気以外栄養補給の為に口から食物を取らなくても
日常生活が支障なく健康に日々を送っている人々の事。
日本の代表的なブレサリアン秋山佳胤氏は本を多数出されいる。
常識が通用しないのがスピリチュアルな世界なので
真偽をどう判断されるかは本を読むかご本人に会って各々が判断されれば良いでしょう。)
体調の改善や悪化が見られずまた体への負担があまり無いと判断した私は
断食を延長した。そして体に負荷を感じ始めた8日目に諦めて終了する事を決めた。
私は丸七日間水と強化した尿療法で過ごしたが、痛みの改善は見られないまま
逆に膝の裏側まで痛みは広がっていた。
断食は内臓の掃除やメンテナンスの為であり尿療法は免疫系の強化に効果があるはずであった。
普段偏った食生活をしている自覚は私にはなかった。
40歳になったミレニアムの年にスピリチュアルな事で
正面から向き合わざるおえない事が起こりそれを機にペスコ・ベジタリアンをやめていた。
激しい肉体労働での良質なたんぱく質の重要性がわかり
科学的なバランス重視の食事に戻していた。
断食後の体調の悪化は坂道を転げ落ちるようであった。
ネットで症状に照らし合わせ調べてみると
痛風に一番症状が似ているように思えた。
関節の痛みと症状の悪化と共に痛風の特徴である足の親指の関節の痛みも増していた。
しかし痛風なら尿療法が効くはずであった。
尿療法の体験談で劇的な症状改善の代表例が痛風であったから。
二十五年も尿療法を続けてきて痛風になるのは納得がいかなかったし
尿療法で痛みが改善しないのが、
何か重大な病気の可能性を予感させた。
しかし私は二十五年も続けてきた健康法が効かない事に意固地になった。
様々なサイトに目を通し、自分の症状がリンパ系の病気かもしれないが、
癌にさえ効果がある尿療法が効かないわけがないと、
自排尿の全てを飲む生活を断食終了後一か月続けた。
しかし、症状はどんどん悪化し痛風の発作だと思っていた激痛が
決まって深夜に起こるようになった。
睡眠は二時間未満しか継続的に取れなくなった。
痛みで目が覚め、手足の麻痺は日に日に酷くなっていった。
たまに二時間を過ぎて起きると足の筋肉の麻痺と鼠径部の痛みで
足を直ぐに引き上げる事が出来なくなった。
そしてベットから起き上がるのに5分から10分と
どんどん時間が掛かるようになってしまった。
事ここに至って、私は今回の病に尿療法が効かない事を心の底から認めた。
そして歩く事も立ち上がる事もままならなくなった体を引きずるようにして
腎臓結石でかかりつけの医者に向かう事になったのだった。
その⑨に続く