西京極 紫の館

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言い忘れたさよなら(1974) 古谷一行

2022年09月02日 20時39分25秒 | 西京極サウンド
僕の大好きな俳優さんの一人である古谷一行さんの訃報が届いた。

石坂浩二主演映画『犬神家の一族』の大ヒットを受けて始まったTV番組『横溝正史シリーズ』。その番組で石坂浩二とは少し違った飄々とした金田一耕助を演じて一躍人気を博した。原作者の横溝正史に「小説のイメージに一番近い」と言わしめた古谷一行の金田一。思案する際に逆立ちをするのが名物シーンだった。

同時期にTV放送されていた『新選組始末記』ではとぼけた金田一とは真逆の土方歳三をクールに演じて演技の幅を感じさせてくれていたのを記憶している。肺がんで闘病中だったそうだが、78歳という年齢は亡くなるには早い。残念です。

その古谷一行、あまり一般には知られていないかもしれないが、ミュージシャンとしてアルバムを5枚発表している。僕は全部持ってた。歌は味があって、作詞も作曲もやっていた(はず)。古谷が演じた役柄同様、どのアルバムも朴訥としていて、どこか寂し気で、大人っぽい雰囲気を漂わせていた。「金田一耕助が歌を歌ったらこんな感じやろな」と思いながら耳を傾けていた。

その死を悼む意味で、彼のファーストアルバムを紹介したい。おそらく今では入手は不可能だとは思うが、ネット動画で聴けるかもしれない。

 01. ほろ苦いあの頃
 02. そよ風のほほえみ
 03. わかれ
 04. 絵描きの部屋
 05. 名前も知らない恋人へ
 06. あてのない旅
 07. さすらい人のように
 08. 風のあとを
 09. 妹に
 10. 燕の来る頃に
 11. 言い忘れたさよなら

7曲目の『さすらい人のように』はシングル曲として発売されたもので、この曲の雰囲気がミュージシャン古谷一行のイメージだと言っていい。息子がDragon Ashのボーカリストなのは、やはり血筋なのだろう。
ご冥福をお祈り申し上げます。合掌。


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