ノマドランド 監督/クロエ・ジャオ

【出演】
　フランシス・マクドーマンド
　デヴィッド・ストラザーン

【ストーリー】
ネバダ州の企業城下町で暮らす60代の女性ファーンは、リーマンショックによる企業倒産の影響で、長年住み慣れた家を失ってしまう。キャンピングカーに全てを詰め込んだ彼女は、“現代のノマド（遊牧民）”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩きながら車上生活を送ることに。毎日を懸命に乗り越えながら、行く先々で出会うノマドたちと心の交流を重ね、誇りを持って自由を生きる彼女の旅は続いていく。

【西京極の評価】
生きる為に必要なモノ以外をどんどん削ぎ落していくと、人は孤独になっていく。その替わりに今まで決して観る事の出来なかった風景が見えてくる。面倒な人間関係や欲望に縛られてでも群れの一員として生きるのか、それとも自由な孤独の中で生きるのか…鑑賞後、正解のない問いかけを自分自身にしたくなるドキュメンタリータッチの映画でした。孤独の中でしか生きられないファーンを今演じられるのはフランシス・マクドーマンドだけでしょうね。圧巻の演技でした。アメリカの荒野の風景も美しい。

【総合評価】　☆☆☆☆★（満点は☆５つ）
　ストーリー　☆☆★★★
　演出/演技　☆☆☆☆☆
　映像　　　　☆☆☆☆☆
　音楽/音響　☆☆☆☆★