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緑内障

2010年07月31日 09時51分26秒 | 眼病知識

今日は最近問い合わせが多い緑内障について書きたいと思います。

我が国における失明原因の第1位は緑内障で、40歳以上の約5%に発症します。

緑内障の有病率は高齢化社会と共に年々上昇傾向にあり、今後患者数の増大が見込まれます。

  

緑内障とは?

特徴的な視神経の変化と、特徴的な視野異常(視野欠損)を呈する進行性の病気。

主な原因は眼圧の上昇、眼圧とは房水の循環によって保たれています。

この房水の循環が悪化すると眼圧上昇(眼圧正常値10~20mmHg)に繋がります。

房水の循環は下記図をご覧下さい。

Ryokunai1

房水の循環悪化→眼圧上昇→視神経障害→緑内障

一度視野欠損になった視細胞が元に戻る事はありません。

かつては眼の中の圧力である眼圧が高いことが原因と考えられていました、しかし眼圧が正常範囲であっても緑内障を発症する例(正常眼圧緑内障)もあります。

  

緑内障の症状は?

①見えない場所(暗点)の出現

②視力低下

③眼痛、頭痛、充血、吐き気(急性緑内障発作)

  

緑内障の種類は?

①原発開放隅角緑内障(正常眼圧緑内障)

線維柱帯(とその奥にあるシュレム管)と呼ばれる場所が目詰まりを起こし、うまく房水が流出されないために眼圧が上昇すると考えられています。

眼圧がいわゆる正常範囲にありながら視神経が障害されるタイプの緑内障を正常眼圧緑内障といいます。

正常眼圧緑内障では、視神経の血液循環が悪かったり、遺伝や免疫、酸化ストレスなどのいろいろな原因のために、通常では緑内障を起こさない程度の眼圧でも視神経が障害されるのではないかと考えられています。

また、正常眼圧緑内障の患者さんには高齢者が多く、近視の頻度も高いことから、加齢や近視もリスク要因であると考えられています。

Ryokunai2

  

②原発閉塞隅角緑内障(急性緑内障発作)

隅角が狭くなり、最終的には閉じてしまう為に、房水の流出が障害され眼圧が上昇する緑内障。

原発閉塞隅角緑内障では、急速に隅角が閉じてしまうことで、劇的で著しい眼圧上昇を来すことがあります、これを一般に急性緑内障発作と呼びます。

上記のように、急性発作では、眼痛、頭痛、吐き気などの激しい自覚症状が出現します。

Ryokunai3

  

③続発緑内障(新生血管緑内障)

あらかじめ眼や全身に何らかの病気があり、それが原因で眼圧が上昇するために起こる緑内障。

糖尿病、ぶどう膜炎、網膜静脈閉塞症、ステロイドなど、新生血管による緑内障も含まれます。

開放隅角の場合もあれば、閉塞隅角の場合もあり、原因は様々です。

  

④発達緑内障(牛眼)

生まれつき隅角に異常があるタイプの緑内障です。

生まれた直後から眼圧が高い場合、眼球そのものが大きくなることもあります。

その為、昔から「牛眼」と呼ばれています。

特に乳幼児の緑内障は急速に悪化して、眼球拡大が進行すると、たとえ眼圧がコントロールされたとしても視機能が著しく障害されてしまう結果になります。

多くの場合、早期に手術療法(摘出含む)を行います。

  

緑内障の治療方法は?

眼圧を低下させる事が非常に重要です。

①点眼薬(交感神経、β遮断薬) 開放偶角緑内障

②点滴(高浸透圧薬点滴、マニトール) 閉塞偶角緑内障

③レーザー虹彩切開術、虹彩切除術(点眼薬にて眼圧低下後実施)

④手術(トラベクロトミー、トラベクレクトミー)

  

緑内障は早期発見がとても重要です。

徐々に進行する病気なので、気づいたときには遅い場合が多々あります。

定期的な眼科受診をお勧めしています。


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