開場
演劇が大好きなので、歌舞伎以外にもいろいろ拝見するが、
劇場前で待つことが楽しみなのは、なぜか歌舞伎座だけだ。
これは決して私だけではないと思う。
この歌舞伎座の劇場前は不思議な楽しさがある。
絵看板を楽しんだり、お弁当を買ったり、イヤホーンガイドを借りたり…
今は名残の歌舞伎座の写真を撮る方で溢れている。
開場で思い出すのは、
2001年だったか?
用事があって出先からタクシーで歌舞伎座前に着くと
なんだか騒然としていて、私のタクシーも劇場前でなく先のはずれの方で駐車させれれた。
私はすぐにピンときたが、案の定当時の総理であった小泉さんの観劇の日だった。
小泉さんはかなりの歌舞伎好きで、総理なられる前から、
何度も歌舞伎座でお見かけしたが、いつもオーラを発散されておられた(笑)
小泉さんが所信表明で「米百俵の精神」を演説されて
その「米百俵」がまさに吉右衛門丈によって歌舞伎座で演じられていたのだ。
劇場前はSPの方々が沢山いらして観客や見物人が潮が引いたように左右に
わかれて小泉さんがくるのを待っていた。
劇場内でも拍手が起こったし当時の小泉さんは大変な人気だった。
「米百俵」は当時の小泉さんの構造改革の原点だったそうだ。