さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

河童が覗いた仕事師12人

2010年04月12日 | 本♪
著妹尾河童他「河童が覗いた仕事師12人」

井上ひさしさんのご葬儀が今日、近親者の方々で行われたようだ。

私にとっての「井上ひさし」との出会いは正確には、
中学1年生の時に始まった「ひょっこりひょうたん島」。
面白くて面白くて、私の隣の男子と、前に座っている女子・男子
四人でいつも「ひょうたん島」の話題で盛り上がり、
授業中にもおしゃべりしていて、4人とも立たされた思い出がある(笑)

だが、もちろんこの頃はまだ「井上ひさし」像を意識していたわけでもなく、
それからずいぶんと年月を経て、先輩が貸してくれた
「モッキンポット師の後始末」を読んだ時に
はじめて「あのひょうたん島の人かぁ」と納得したのを覚えている。

とにかく面白くてちょっぴり切なくて…
その軽すぎず、重すぎずのバランスが絶妙なのが素晴らしい方だった。

著作はあまり読んではいないが、
芝居は「こまつ座」をはじめとしてかなり拝見したと思う。

この「河童が覗いた仕事師12人」は、昨年、下鴨納涼古本市でみつけたもので、
井上ひさしさんの仕事場が写真とともに紹介されていて興味深かった。

びっしりと書き込みされた辞書
芝居に登場する役者の顔写真(動かしながら科白を考える)
芝居の家の間取り図などなど…

言葉にこだわり、その響きや温かみなどを大切にする方でしたね。
それこそ新しい歌舞伎座で、井上ひさしさんの「新作」も拝見してみたかったと
早すぎる旅立ちをしみじみ残念に思った。

合掌