いちごパフェを頂いた後、桜の精にいざなわれて宮川町の歌舞練場に。
大正5年、建築当時そのままの
唐破風の透かし彫りの欄間が素晴らしい舞台の幕が上がると
そこは、「花絵姿京洛瑞祥」、
春に戯れる美しい娘たちや玉藻の前などが消えては現れ、
「街や野山も花ざかり 京の都に春が来た 花の都に春が来た♪」
桜が満開の清水寺境内に、あまたの歌舞の菩薩たちが乱舞する。
「京おどり」の後の宴は、鴨川の桜を眺めながらのフレンチの会席。
絵のように美しい一皿一皿に舌鼓をうち、美酒に酔うほど
鴨川にだんだんと夜の帳が下りてくる。
あぁ~なんと艶やかな京の夜なのだろう♪
ふと我に返って、時計をみると8時30分をまわっている。
かぼちゃの馬車ではなく新幹線の時間が迫っている。
「帰りたくない!」
「でも帰らねば!」
この決断が空しく徒労に終わることとなる予感をふりきり、私は
万に一つの望みに託して限りなく切ない想いで先斗町に別れを告げた。
・・・・・
「間もなく品川に到着いたします…」
車内アナウンスにはっと目が覚めた!
花にさすらふ一日は、桜の森の満開の下での、ひとときの夢幻だったのであろうか?