「幸伯父さんが亡くなった」との訃報が
従姉から入った。
いつもニコニコ面白い話をして遊んでくれた伯父が、
人前でオイオイ嗚咽を上げていた記憶が蘇ってきた。
最愛の妻を亡くした喪主の挨拶の時である。
私は、乳がんでずーっと床に伏した具合の悪い伯母さんしか浮かんでこない。
合間合間の沈黙が、どれほど妻を愛していたのか痛いほど伝わってきて、もらい泣きしたくらいである。
伯父は96歳で施設の見取りだった。
晩年は社交ダンスも始め、孫ひ孫合わせて11人に囲まれて、
賑やかで楽しかったろう話を聞いて心が和んだ。
だから、お通夜はしんみりのしの字もなく、
笑顔で送り出せて良かった。
棺の中の伯父に、祖母が重なった。
因みに 伯父は11人兄弟の6番目。
母は7番目。
57歳で亡くなった母の葬儀の時に、挨拶をしてくれたのも幸おじさんだった。
合掌