華道展の開場前で忙しい時に、
出勤時間の合間を縫ってザーッと鑑賞させて頂いた。
二日前、お宅にお邪魔した時、
Aさんが花器を前に、葉を省くに当たってを語られた。
「なんだか、俳句みたいですね。」
その素材が彼女の手によってどう表現されるかを、
どうしても見たかったのだ。
会場には、舞妓の華やかさを醸し出しているような小笠原流、
粋な池坊などが並ぶ中、
Aさんの作品を目の当たりにして、
足していく生花と違う
引き算と足し算の絶妙な世界観に心が惹きつけられていく。
断捨離を繰り返して、物だけではなく
何が必要かを見極め始めた自分にとって、
心に沁み入るものを感じた。
柔らかな曲線の先に力強さを保ち、
大事なのは、添えられたもう1つの存在。
本体を際立たせている、このバランスが必要なのだ。
省くというのは、自分の人生にも通ずる。
そして、均衡を保つための、自分の存在を引き立たせてくれる
大切な存在を認識することなのだ。
人間関係に通づる。
昔、池坊をたしなみ程度に習った。
当時は独創性のある草月流の方がイイナなんて思ってた。
そして今、古流に関心が芽生えてきた。