何でだ？？どしてだ？？プリシラが何したっていうんだよ？？
これで、覚えているだけでも３回目だ！！
電車の中で席を譲られた・・・あたしゃ老人か？？
「私、次の駅で降りるから座って、座って・・」って・・・・
座って、座って・・・って２回も言われりゃ、そりゃ～座るさ・・・
でも、その女の人、次の駅で降りなかったのさ・・・どゆう事？？
明らかに訳ありでプリシラに席を譲ったわけさ・・・
プリシラさんの名誉の為にも言っておくっ！確かに若くはないが・・・老人でもないっ！！
一つ、考えられる理由として・・・前の時もそうだったのだが・・・どうやら妊婦と間違われているらしいんだよな・・・
プリシラさんの名誉の為にも言っておくっ！折れそうなほどにガリガリではないが・・・デブでもないっ！！
上下が繋がっている、ちょっとダボっとしたワンピース系の洋服を着ていたんだ。オマケにスパッツにスニーカー・・・でも妊婦じゃないだろ？？
席を譲られたプリシラは直ぐに妊婦に間違われている事に気づいたんだ・・・プリシラのくせに鋭いなぁ～！
でも、仕事で疲れているし、平日の電車で座れるなんてめったにないし・・・ラッキ～だと思うしかないよ！ラッキ～ラッキ～ラッキ～チャチャチャ！！
待てよ・・・プリシラは考える・・・妊婦だと思って席を譲ってくれた女の人が妊婦じゃない事に気づいてしまったら、申し訳ない・・・・せっかく良い事をしてその事に酔いしれているかもしれないのに・・・実は妊婦じゃないと知ってしまったら・・・自己嫌悪に陥り・・・家に帰ってから家族に八つ当たりをしてしまい、家庭不和・・・子供はそれが原因で非行に走り・・・夫婦仲も険悪・・・挙げ句の果てに離婚・・・家族がバラバラに・・・・
・・・なってしまうかもしれない
勘違いとはいえ、席を譲ってくれた恩人だ。あの女の人を・・・いや、あの女の人の家庭の平和を守らなくてはならない・・・それがプリシラの使命だ！！
行けっ！プリシラ・・・勇気を出して戦うんだ！・・・イヤ、戦わない、戦う必要はない・・・。
お腹を思い切り膨らまして・・・時折、擦ってみたりして・・・完璧な妊婦を演じてみせた
いいのだ！これでいいのだ！！家庭の平和は守られたんだ・・・
あ～いい事をした日はなんて清々しいんだろう・・・プリシラは優越感に浸っていた・・・
そんな中・・・ヒノキ花粉にも反応しているプリシラの鼻の穴からは一筋の鼻水がキラキラ光って垂れていた事に誰も気づく事はなかった・・・。
テンノウショウ～ヤルカ～?
