ちゃぶ台で日記  

ぽつぽつと、ときどきなにっきです

ふく

2008-03-27 | ふくちゃん
もうすぐふくちゃんの命日です。
今月は猫のばんちょうも命日でした。

ふくちゃんは風のとても強い真冬、2月の夜、川沿いの柱に引き綱を縛られた姿で出会いました。
後から聞いた話では、側溝に落ちてドロドロになりながらとぼとぼ歩いてたり、ひたすら真っ直ぐ歩き車に轢かれそうな姿を見た人がいたそうです。
落ちてる(?)ふくちゃんを見て誰かが繋いだのでしょう。
前進しか出来ないので、綱(リード)がぐるぐる巻きになり、身動き取れずにうつ向いてじっとしていました。

病院で診てもらい、眼が不自由なのと痴呆か脳の障害があったようでした。
眼震もありました。
家族になって少しの間は介助すれば自力で歩けました。
しかしすぐに寝たきりになってしまいました。
全介護ですが、「のどが乾いたよ~お腹減ったよ~」「トイレ出そう~寝返りしたい~」を鳴いて教えてくれたり、動かない身体で微妙に気持ちを教えてくれたのでとても嬉しかったです。
病院ではT先生が特に可愛がって下さってました。
ふくちゃんのいる毎日は幸せでした。


ばんちょうは茶とらの男の子、近所の野良さんでした。
たまに「のしのし」となわばりチェックしている姿を見かけました。
しばらく見かけなくなり気になっていたある日、玄関扉の前でお座りしてました。
骨と皮だけのガリガリに痩せ、懐かなかった子が声と体力を振り絞って甘えてきました。
急いで病院で治療してもらいました。
FIPの末期症状でした。
「今晩持つかどうか。。」と言われました。
翌朝、なんとか生きてました。

それからは驚くほどがんばってくれました。
可愛い声で一所懸命鳴いて甘えてくる姿は、切なくなる程大切に思えました。
腹水にも下痢にも負けず、ケージ暮らしさせちゃったけど、ほんとに甘えん坊でかわいい子でした。

毎日のケージやトイレ掃除(消毒)、お薬、お尻も体も汚れちゃうからシャンプー、どれも嫌がらなかったね。
えらかったね。

限界までがんばったばんちょうくんは我が家に来て1年半、とうとうお迎えが来ました。


その数日後、寝たきりで2年くらいがんばっていたふくちゃんにもお迎えがやってきました。
ばんちょうもふくちゃんも、食事にお水、トイレや寝返り、薬にお風呂も嫌がらずされるがままに身体を預けてくれました。
ばんちょう、ふくちゃん、信じてくれてありがとね。
うちにきてくれてありがとね。

みんなみんな、ずっとだいすきだよ。



いろいろ

2008-03-27 | おはなし
夜9時頃、小学生の女の子二人が訪ねて来ました。
「おうちの猫ですか?」と言って見せてくれたのはキャリーケースに
入った大人の猫。
とても懐いてかわいそうだから捕まえたと言っていました。

「うちの猫じゃないよ」と伝えると、「どうしたらいいですか」「かわいそう、どうしよう」「面倒見てもらえませんか」「うちじゃ飼えない」など色々話してきました。
二人の質問に答えても、なかなか帰りません。
なんかへんだな?と思うと、そういえば夜の9時に知らない家に来る事。
見かける顔の子じゃない事。
近所の子ども達は「はるの母さん」と呼んでいて、「(苗字)さん」と呼ぶ子は聞いたことが無い事。

ああ、そうか。大人がうちに寄越したんだ。
そう考えると二人の女の子の話の内容がよく飲み込めました。

どちらの女の子にもお父さんとお母さんがいるようなので、
「それぞれおうちに帰って、よくよく家族のひととお話してね」
「猫はこのままじゃトイレも出来なくって病気になっちゃうと可哀そうだね、おうちの人とどうしたら良いかお話してね」と言いました。
それでもしばらく帰りませんでしたが、「猫が何匹いるの?」と聞かれ「猫は20匹いるよ、家族だから大事だよ」と答えるとびっくりした顔で「ご飯代とか病院とか大変だね!」と言ってすぐに帰って行きました。

近所の子どもたちは犬の散歩について来て色んな話をしながら歩きます。
犬の事、猫の事、学校の事、子どもたちの遊びやお悩み。
その中で「何匹いるの?」と聞かれ答えると、びっくりしたりお金の心配をしてくれたりします。
子どもたちが犬や猫を拾って「はるの母さん家に持って行こう」と一人が言うと、「いっぱいいて大変だからだめだよ」と別の子が言います。


大人の方も日常会話のついでに、聞かれると我が家の事も少し話します。
「私も動物好きなのよ、大変でしょ、偉いわねえ」等言われたりします。
そう言う方は、しばらく経つと「かわいそうな犬(猫)がいるんだけど、面倒見て」と我が家に来ます。
保護出来ない理由を延々話し、「かわいそう」を連呼し、私が引き受けると、すぐに置いていきます。
中には「捕獲もお願い」と、状態の確認も初期治療も、「可哀想な子」の為への労力を、一切使う考えの無い方も多々います。
ほぼそれきり、音沙汰なしです。


二人の子ども達が帰った翌週、ポストに「おたくの猫じゃありませんか?保護してます」とメモが入っていました。
我が家の犬猫の家出を心配して下さる気持ちは本当にありがたいのですが、それは口実で引取りの依頼なんだ、と明らかに分かった場合は寂しいような悲しい気持ちになります。

ずっと、繰り返しです。
でも、最初に一緒にお散歩し遊んだ子達はもう成人して家庭を持っています。
少なくても一緒に散歩した子ども達は分かってくれます。

外猫の厳しさ、捨てる人間、拾う覚悟と責任、そして他者への思い遣りと愛情。
子ども達が分かってくれているのは嬉しい事です。

私は、特別大変でもなく、偉くもなく、家族だから一緒に暮らしてます。
それだけです