新幹線の列車発着の電光掲示板が表示できなくなりました。
連休のさなか、駅の乗客はさぞかし混乱したことでしょう。
原因は、列車運行などを総合的に管理するコスモスというシステムの不具合。
コスモス=宇宙、とは壮大な名前をつけたものですね。
そういえば、国鉄時代、マルスという指定券の予約・発券のシステムがありました。
国鉄職員でもなく、鉄マニでもないわたしが、どうしてそんなことを知っているかというと・・・。
コンピュータシステムには、信頼性を保つための冗長設計という考え方が欠かせません。
その具体例として、デュアルシステムというものがあります。
これは2系統のコンピュータシステムで全く同じ処理を行わせます。
その結果を突き合わせて同一なら正しく処理されていると判断するわけです。
また、一つの系統に異常が起きても、もう一系統が正常であればシステムダウンが回避できます。
信頼度を高める方法としては最善なのですが、難点はコストが高くつくということ。
わたしが多くかかわった金融機関システムも停止すると社会的影響が大きい。
だからデュアルシステムで構成したいのだけれど、金融機関といえどそこまでのお金は無い。
そんな中で、マルスがほとんど唯一のデュアルシステムとして有名だったのです。
マルス=火星ですから、コスモスというネーミングもその延長上にあるのでしょうか。
宇宙には、ユニバースやスペースといった言葉があります。
コスモスがそれらとどこが違うかと言えば、秩序や調和ということを含意しているところ。
コスモスの対語がカオス(無秩序、混沌)です。
コスモスと名付けたところで、無秩序が秩序化されるわけではありません。
常に、無秩序に陥る危険性を孕みながら動いている・・・それがこの世界の宿命です。