「運動好き」授業作り必要
スポーツ庁が12月23日に公表した今年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査(全国体力テスト)について、滋賀県内では小中学生の男女ともに昨年度の体力合計点を下回り、2018年度の調査以降、右肩下がりが続いている。
滋賀県教育委員会の担当者は「コロナ禍で失われつつある『運動が好き』という意識を育まなければ」と危機感をにじませている。
■握力など平均以下
調査は4~7月、滋賀県内の公立小225校の5年生1万3112人、公立中102校の2年生1万1886人を対象に実施。
握力や50m走、反復横跳びなど8種目の記録を点数化し、体力合計点(1種目10点、80点満点)を算出した。
体力合計点は小学生男子は51・38点、同女子は52・62点でともに全国平均(52・28点、54・31点)を下回り、昨年度と比べても低下した。
中学生男子は41・39点で全国平均41・04点をやや上回ったが、同女子の46・95点は全国平均47・42点よりも低く、いずれも昨年度よりも低下し、08年の調査開始以降、最低となった。
小中の男女すべてで、コロナ禍で調査が中止になった20年度を除いて、18年度から低下傾向が続いている。
種目別にみると、小学生男子と中学生男女の立ち幅跳びが全国平均を上回ったが、20mシャトルランは08年以降、過去最低を更新した。長座体前屈と握力は小中学生男女すべてで全国平均を下回った。
■スマホ活用模索
1週間の総運動時間は、小学生男子が543分、同女子が322分、中学生男子は769分で、いずれも昨年度より増加。
一方、運動習慣、生活習慣に関する調査では、「運動やスポーツが好き」「体育の授業は楽しい」と回答した児童生徒の割合はいずれも全国平均よりも低かった。
1日にテレビやスマホなどを視聴する「スクリーンタイム」が「4時間以上」と答えた割合は、小学生男子29・1%、同女子23・7%、中学生男子32・3%、同女子30・1%と、すべてで全国平均を上回った。
滋賀県教委の担当者は「新型コロナによる学校活動の制限が緩和され運動時間は伸びてきているが、運動が好きと思ってもらえる授業作りを心がける必要があ全国体力テストる」と話す。
スクリーンタイムが長時間化していることについて、「スマホで滋賀県教委の作った体育やスポーツの動画を見てもらうなど、児童生徒により運動したいと思ってもらえるよう促したい」と述べた。