11月23日(土)午前、初めて滋賀県湖南市の「湖南三山」(常楽寺、長寿寺、善水寺)の紅葉を求めて訪ねた。この日は絶好の小春日和で3寺とも大勢の客が2019年の晩秋を楽しんでいた。特に常楽寺は先頃TVでも紹介され国宝の本堂や三重塔とのコントラストも相まって見応えがある。今が見頃である。
因みに、滋賀県の湖東地域には「永源寺+湖東三山」(百済寺、金剛輪寺、西明寺)の紅葉の名所もある。
■過去に紹介した近江の紅葉名所
東近江の秋 名刹・紅葉の名所「永源寺」(11/21)
滋賀県・湖東三山・東近江市「百済寺」の落葉(12/7)
東近江探訪 紅葉の湖東三山・愛荘町「金剛輪寺」(11/17)
教林坊(滋賀県近江八幡市安土)の紅葉(12/4)
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では、湖南三山の第1弾は「常楽寺」を以下写真で紹介する。
常楽寺
所在地 滋賀県湖南市西寺574
■山号 阿星山
■宗派 天台宗
■開基 和銅年間(708~715年)良弁僧正
■寺歴 和銅元年(708年)都が奈良に移される時、都の鬼門除けとして元明天皇の勅命により良辯僧正が開基した。平安時代(1151年)行胤(ぎょういん)が堂宇を再興し、鎌倉時代は亀山天皇の加護をうける。その後、火災にあい焼失。延文5年(1360年)に僧侶観慶によって再建された。本堂(国宝)は正面七間、側面六間、入母屋造り、檜皮葺、三間の向拝が正面についている。
ご本尊は千手観世音菩薩で春日の作で重文。脇立は不動明王と毘沙門天、共に秘仏です。また、親属の風神・雷神(重文)。眷族の二十八部衆(重文)が奉られている。この二十八部衆は仏師永賢の作(1308年)、本堂焼失の時全て持ち出されている。昭和56年風神、阿修羅、摩喉羅迦の3体が盗難に遭い、阿修羅像のみ5年後に戻る。
三重塔(国宝)は、応永7年(1401年)5月に再建された。また、塔の内部には、四方の板壁に真言八祖像、十王断罪の図、地獄図、釈迦説法の群像が描かれている。現在は損傷が激しく肉眼で見られない状態である。
現在の山門は観音寺(栗東市)の山門を移築したもの、本来の山門は豊臣秀吉が伏見城築城に移し、毛利輝元が慶長6年(1601)伏見城より園城寺(大津市)の大門(国宝)として移築した。
■本尊 千手観音座像 秘仏 (国重要文化財)
■寺宝 二十八部衆像・釈迦如来坐像(国重要文化財)