”スローライフ滋賀” 

近江鉄道利用促進なるか パーク・アンド・ライド実験開始 (東近江市)

 近江鉄道の利用者を増やそうと、東近江市は9月1日、近くの駅までクルマで行き、駐車して近江鉄道に乗り換える「パーク・アンド・ライド」(P&R)の実証実験を始めた。
東近江市は、渋滞に遭遇しない点や割安感などを長所としてアピールしているが、申込数は伸び悩んでいる

↑写真:中日新聞より

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2021年8月4日のブログで筆者も以下のように指摘していた。
 『よって課題は例え、「パーク・アンド・ライド」で近江鉄道市辺駅周辺の月極駐車場料金を割安にしても、車の利便性を明らかに打破するメリット性を出すには少なくとも近江鉄道”市辺〜近江八幡駅”間の定期代を更に下げないと利用者のメリットが少なく、車から電車に乗り換えて貰えない
しかし、運賃を下げれば収入が減るので経営の観点から安易に下げられないジレンマがある。』

 今回、少ない実証実験の利用者から「近江鉄道の定期代が高い」、「運賃を安くしてくれたらもっといいのに」とのコメントは案の定というべきだろう。
 しかし、運賃を下げれば収入が減るので簡単にはできないことも分かっている。ことは駐車場料金を下げれば車から近江鉄道に乗り換えてくれるのではないかと言った簡単な問題ではない。
 また、真の声こと、現実の車利用による通学・通勤客などの声を聞くことが大事だと思われる。なぜ乗り換えてくれないのか、どうすれば現実的に乗り換えてくれるのかを聞き出す必要がある。
 
 もしかすれば近江八幡駅周辺の駐車料金分を定期代から減額されたとしても乗り換えしないかもしれない。要するに”車の利便性が電車の利便性”より高ければ多少のコスト増は了とされる可能性がある。田舎は都会と違って車必須社会だからだ。
 このパークアンドライド実証実験からどんな結果が得られるか期待したい。

近江鉄道に乗って快適通勤・通学「パーク・アンド・ライド」実証実験募集
https://blog.goo.ne.jp/ntt000012/e/15a546fc54224eeeda25bd02664e0480

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以下、中日新聞によると、
 近江鉄道を巡っては、滋賀県や沿線市町などでつくる法定協議会が公有民営での全線存続を決定。2021〜2023年度は「運営改善期間」と位置付けており、東近江市は新たな利用促進策の一環として実験を企画した。
 
 実験の舞台は、八日市−近江八幡間に位置する市辺駅(東近江市市辺町)。2019年度には年間7万人の乗車人員があった。
市辺駅から徒歩5分ほどの市営あかね駐車場(東近江市三津屋町)にある10台分の空きを活用してP&Rを実施。通勤・通学の定期券を新たに利用することなどが条件で、東近江市内からJR近江八幡駅周辺までマイカーで通っている市民に近江鉄道への切り替えを促す。

 東近江市によると、近江八幡駅周辺の駐車料金は月7000円前後が相場という。通勤の場合は駐車料金が実費、鉄道の定期代は手当で支給される場合が多いとして、駐車料金を月500円と格安に設定することで「節約」「お得」とPRしている。
 朝夕に渋滞が発生しやすい近江八幡市内の友定町交差点や六枚橋交差点を回避できるメリットも強調しているが、申し込みは1件にとどまっている。

 申し込んだのは、東近江市上大森町の大学生。今年から堺市内の大学に通い始め、運転免許も取得している。ただ、慣れない運転に不安があり、朝は渋滞も発生しやすいことから、母の勧めでP&Rの利用を決めた。また、大学4年の姉は、JR近江八幡駅近くの駐車場を月8000円で借りてJR線で通学していたが、新型コロナ禍でオンライン授業が増え、通学の機会は激減。「使わない駐車場に何千円も払うのはもったいない。月500円ならいいかなと思った」と話す。
 しかし、市辺−近江八幡駅間の1カ月の通学定期は7380円。近江八幡駅周辺の1カ月の駐車料金と大差はなく、「運賃を安くしてくれたらもっといいのに」と望む。
市辺駅周辺は大学生の孫を送迎する祖父母らの車も多いとして「取り組みが知られれば、利用する人はもっと増えるのでは」と話した。

 東近江市の担当者は「公共交通を支えるのは通勤通学の固定客で、まずはそこに注力したい。状況を見ながら来年度以降も継続的に実施し、利用者を確保したい」と説明。現在も先着順で利用を受け付けている。
法定協の委員で、公共交通に詳しいグローカル交流推進機構(大阪市)の土井勉理事長は「定期代が近江八幡駅近くの駐車場よりも安ければ利用者は出てくるだろう。P&Rは定期利用が多い駅周辺で行うことで、これまで鉄道を使わなかった人もクルマから転換してくれる可能性がある」と指摘した。

中日新聞記者のひと言: 駅近くに駐車場を
 取材では、駅近くにある知人宅や行きつけの店の敷地などに駐車させてもらい、鉄道に乗り換えて目的地へ向かったことがあるという声も聞いた。
今回使用する市営駐車場は駅から徒歩5分で、「マイカー慣れ」している人には少し遠く感じるかもしれない。目指すべきは利用促進、利便性の向上だ。利用者目線に立ち、遠くの市有地だけでなく、近くの民有地の活用もぜひ検討してほしい。

<中日新聞より>
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