中日新聞が「東近江市政の課題」を取り上げている。2回目は東近江市の周辺部地域の愛東地区(旧愛東町)の「買い物難民」問題を取りあげている。
これは高齢化、人口減問題でもある。利便性の高い市街地域に色んなものが集まる。買い物難民は周辺部地域に大きな問題である。日常生活では「交通問題」の他にも「医療病院」も周辺部には深刻な問題の1つであるである。
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以下、中日新聞より
湖東三山の百済寺や、国の重点道の駅に選ばれた「あいとうマーガレットステーション」などの観光地を有する東近江市愛東地区。
2019年9月末以降、地区内にスーパーがない状態が続く。地元住民は独自で「地域の店」の今年春開店を目指して、資金を集めている。
「長く親しまれた店だったから、困ったという声はいろんな形で出た」。寄付を呼び掛けている「愛東の暮らし・つながり創造会議」事務局の野村正次さんは、地区内唯一のスーパーが閉店した影響を語る。店は個人経営で、店主が高齢になり、消費増税もあって閉店したという。
寄付は現在、目標額の300万円の倍となる600万円が集まる反響だ。店では、道の駅とも連携して地元産食材や総菜、日用品、手作り品などを売り、配達や買い物を手伝うサービスも視野に入れる。休憩場所や、多世代で交流できるスペースも設け、災害時には物資の供給拠点の役割も担う。
野村さん自身は、デイサービスや障害者の共同作業所、地元産食材を使うレストランなどを集めた「あいとうふくしモール」の運営に8年前から携わっている。レストランは、県外の女性客を中心に年間2万人が訪れる人気ぶりだ。「田んぼだった場所ににぎわいが生まれた。「地域の店」も成功させたい」と力を込める。
東近江市の商業政策は、近江鉄道八日市駅周辺や、自動車の交通量の多い場所で目立つ。駅周辺の中心市街地では、ビジネスホテルの誘致もあり、新規出店が39を数える。名神高速道路八日市インターチェンジ付近などでは、条例を制定して大型商業施設の誘致に乗り出している。
背景には、東近江市内の消費者が市内の小売店でどれだけ買い物をしたかを示す「商業中心性指標」がある。
東近江市は0・85前後で、1を超えている近江八幡市や彦根市などに「消費が流出している」とみて、中心市街地や大型の商業施設を核とした活性化をもくろむ。
反面、愛東地区のような「周辺部」では、今回の「地域の店」が取り組もうとしている配達サービスや買い物の手伝いといった、日常的な買い物が不自由な高齢者ら「買い物難民」の有効な支援策が待たれる。
東近江市福祉総合支援課では、困り事を助ける「生活支援サポーター」の紹介や、配達や移動販売の事業者についての情報提供にとどまっており、東近江市商工労政課も、移動販売車の購入補助といった事業者支援は考えられるとしつつ、「今やっているものはない」という。
野村さんは、中心市街地の活性化には理解を示しつつ、「市街地に行けない人もいる。私たちもアイデアを出すので、暮らしに直結する周辺部の支援を一緒に考えてもらえたら」と願う。
合併から16年、ハード面の大型事業は一定の区切りを迎えつつあるが、鈴鹿の山から琵琶湖までの広大な市域に潜む住民ニーズと、市政の運営に隔たりは生じていないだろうか。市民目線に立った政策が一層、求められている。
2019年9月末以降、地区内にスーパーがない状態が続く。地元住民は独自で「地域の店」の今年春開店を目指して、資金を集めている。
「長く親しまれた店だったから、困ったという声はいろんな形で出た」。寄付を呼び掛けている「愛東の暮らし・つながり創造会議」事務局の野村正次さんは、地区内唯一のスーパーが閉店した影響を語る。店は個人経営で、店主が高齢になり、消費増税もあって閉店したという。
寄付は現在、目標額の300万円の倍となる600万円が集まる反響だ。店では、道の駅とも連携して地元産食材や総菜、日用品、手作り品などを売り、配達や買い物を手伝うサービスも視野に入れる。休憩場所や、多世代で交流できるスペースも設け、災害時には物資の供給拠点の役割も担う。
野村さん自身は、デイサービスや障害者の共同作業所、地元産食材を使うレストランなどを集めた「あいとうふくしモール」の運営に8年前から携わっている。レストランは、県外の女性客を中心に年間2万人が訪れる人気ぶりだ。「田んぼだった場所ににぎわいが生まれた。「地域の店」も成功させたい」と力を込める。
東近江市の商業政策は、近江鉄道八日市駅周辺や、自動車の交通量の多い場所で目立つ。駅周辺の中心市街地では、ビジネスホテルの誘致もあり、新規出店が39を数える。名神高速道路八日市インターチェンジ付近などでは、条例を制定して大型商業施設の誘致に乗り出している。
背景には、東近江市内の消費者が市内の小売店でどれだけ買い物をしたかを示す「商業中心性指標」がある。
東近江市は0・85前後で、1を超えている近江八幡市や彦根市などに「消費が流出している」とみて、中心市街地や大型の商業施設を核とした活性化をもくろむ。
反面、愛東地区のような「周辺部」では、今回の「地域の店」が取り組もうとしている配達サービスや買い物の手伝いといった、日常的な買い物が不自由な高齢者ら「買い物難民」の有効な支援策が待たれる。
東近江市福祉総合支援課では、困り事を助ける「生活支援サポーター」の紹介や、配達や移動販売の事業者についての情報提供にとどまっており、東近江市商工労政課も、移動販売車の購入補助といった事業者支援は考えられるとしつつ、「今やっているものはない」という。
野村さんは、中心市街地の活性化には理解を示しつつ、「市街地に行けない人もいる。私たちもアイデアを出すので、暮らしに直結する周辺部の支援を一緒に考えてもらえたら」と願う。
合併から16年、ハード面の大型事業は一定の区切りを迎えつつあるが、鈴鹿の山から琵琶湖までの広大な市域に潜む住民ニーズと、市政の運営に隔たりは生じていないだろうか。市民目線に立った政策が一層、求められている。
<中日新聞より>