東近江市にある老舗の酒蔵「近江酒造」が6月30日で製造、販売を終了し、創業から106年の歴史に幕を閉じた。
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大正6年創業の「近江酒造」は、「志賀盛」や「近江龍門」などで知られる老舗の酒蔵。
建物の老朽化から建て替えを検討したが、近年の原材料費の上昇に利益が追いつかないことなどから、酒造りを断念することを決断し、6月30日、最終日を迎えた。
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酒蔵では、従業員5人が「志賀の地で大いに盛んとなるように」と願いを込めて名付けられた銘柄、「志賀盛」の最後の瓶詰作業を行っていた。
また、事務所には酒を買い求める客が訪れ、社長らと「寂しいですね」とか、「ありがとうございました」などと言葉を交わし、別れを惜しんでいた。
東近江市の30代の女性は「家族でお酒をいただこうと思って買いに来た。子どものころからよくこの前を通っていたので、なくなるのは寂しいです」と話していた。
近江酒造の今宿喜貴社長は「先代、先々代から、受け継いできた蔵の中で酒造りができたのは幸せだったと感じている。写真に撮るなりして、多くの人の記憶に留めてもらえると嬉しいです」と話していた。
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近江酒造によると、建物は、秋ごろに取り壊す予定だが、敷地内にあるかつて酒造りのための米を運んだ近江鉄道の電気機関車は、今後も見学できるようにしたいとしている。
<NHK大津より>