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大津市在住の直木賞作家・今村翔吾さんが掌編小説集「戦国武将伝」発刊

大津市在住の直木賞作家、今村翔吾さんの掌編小説集「戦国武将伝 東日本編」「戦国武将伝 西日本編」が12月6日、PHP研究所から発刊された。

↑写真:びわ湖大津経済新聞より

 47都道府県ごとに1人の戦国武将を主人公にした47本の掌編小説を2冊にまとめた。

主人公に選んだのは、滋賀県の石田三成や愛知県の織田信長、山梨県の武田信玄のほか、竹中半兵衛(岐阜県)、黒田官兵衛(兵庫県)、蠣崎慶広(北海道)など。それぞれ武将の物語を描いている。

 広島県の毛利元就が主人公の小説は「十五本の矢」。今村さんは「子どもの時に『三本の矢』の話を聞いて、『武将なら3本くらい折れるやろ』と、子どもながらに突っ込みどころのある話だと感じた矛盾を小説にした」と話す。

 戸次道雪(大分県)の「雷神の皮」は、「雷に打たれて歩行困難になった」という資料と、「その後に馬に乗って活躍した」という資料があり、両方の資料に整合性を持たせる話にした。今村さんは「歴史の資料にある矛盾を納得できる形にしてみようというのが今回のテーマの一つだった」と振り返る。

 今村さんは「歴史の資料は1行で書かれているから、人物が白黒はっきりしていると思われがちだが、小説では、資料の1行に幅を持たせて、白と黒の間にある灰色の部分をどう描くかを考える」と話す。

 「戦国武将伝」は、2019年から連載が始まり、2022年に「塞王(さいおう)の楯(たて)」で直木賞を受賞後に「47都道府県の書店にお礼に回りたい」と119日かけて全国をワゴン車で回った「まつり旅」の途中も書き続けた作品。「恋愛小説、家族の物語、ホラー、対になっている物語など、結果的にバランスの取れた掌編小説集になった。誰もまねできないことをした。自分でもよく頑張ったと思う」と今村さん。「長編小説が100メートル走なら、掌編小説は15メートル走。短い中できらっと光るものを残さないといけない。修行みたいな企画だった」と振り返る。「掌編小説のスキルは長編小説のラスト5ページ、10ページを書くときにも生きる。いい訓練になった」とも。

 価格は各1,980円(PHP研究所か)

<びわ湖大地経済新聞より>

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