”スローライフ滋賀” 

滋賀学園、無念の惜敗…「心一つに戦えた」習慣や文化の違う6府県から集まった選手たち

 2024年夏の甲子園大会(全国高校野球選手権大会)、は8月23日(金)10:00〜、「関東第一」と「京都国際」が優勝を賭けて戦う。準決勝まで進んだチームの思いを胸に悔いのない試合をやって欲しい。

 数々の名場面、涙と感動を与えてくれた2024年大会であった。             特に今回は東近江市地元の「滋賀学園」が初めてベスト8まで進出し、ベスト4まであと一歩まで近づいた。11万東近江市民及び滋賀県民は歓喜した日々だったに違いない。こんな「滋賀学園」の大活躍と感動を中日新聞記者が伝えてくれていた。                        以下、中日新聞のその記事を紹介させてもらう。

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 甲子園球場で8月19日(月に開かれた第106回全国高校野球選手権大会の準々決勝で、打線好調の「滋賀学園」は9安打を放ったものの好機をいかせず、「青森山田」(青森)に0-1で惜敗した。 

↑写真: スタンドあいさつを終えて引き揚げる滋賀学園ナイン=甲子園球場で(中日新聞より)

 「滋賀学園」は、五回2死一、二塁から「多胡大将」選手(3年)が右前に安打。二走の土田悠貴選手(2年)が本塁を狙ったが相手の好返球に阻止された。六、七、九回も得点圏に進めた走者をかえせなかった。先発の土田投手は七回途中まで7奪三振。2番手のエース脇本耀士投手(3年)も好投したが、適時打で失った1点が重かった。
 15年ぶりに夏の甲子園に出場した滋賀学園は、初戦から3試合連続の2桁安打。投手陣も安定し、8強進出の快進撃を見せた。
 
満足感と悔しさ交錯 打線けん引の多胡選手

満足感と悔しさ交錯 打線けん引の多胡選手↑写真: スタンドあいさつを終えて引き揚げる滋賀学園ナイン=甲子園球場で(中日新聞より)

 1番打者として打線を引っ張った多胡大将選手(3年)は「あこがれの地で自分のプレーができた」と振り返った。3安打を放って持ち味を出した一方、好機を生かせず力不足を感じた準々決勝。努力でつかんだ夢舞台は、満足感と悔しさが交錯して幕を閉じた。
 巧打と堅守が持ち味。1年秋に二塁手で起用されたものの、安打は打てず、守備では失策続き。そんな時、陰口が耳に入った。「多胡より、上級生を出した方がいいんじゃないか」。自分に腹が立ち、悔しさが込み上がった。
 それから「神頼みのように」、ひたすらバットを振り続けた。他の誰よりも練習することが成功への道だと信じて、朝の自主練習も欠かさなかった。甲子園まで、あと一つ及ばなかった2年夏の無念も原動力に。山口達也監督も認める練習量で「1番二塁」の定位置を守り続けた
 迎えた甲子園で結果を出した。2回戦で3安打し、この日も3安打。ただ、第4打席が心残りだ。「相手の投手が格上だった。詰めの甘さが出た」。2死二塁の好機で一邪飛に倒れた。「もう1打席」と願った九回、思いはかなわず、ネクストバッターズサークルで敗戦の瞬間を迎えた。
 結果的に高校野球最後の打席に悔いが残った。手のひらにできた大きなまめは、積み重ねた努力の証し。野球を続けるつもりの大学でまめを大きくして、この試合の悔しさを晴らす
 (比嘉祐也記者)
 
地域の温かさを心の支えに「最後まで全力プレー」

↑写真: スタンドにあいさつする滋賀学園ナイン=甲子園球場で(中日新聞より)

 無念の敗退でも、門田侑也主将(3年)は、すがすがしい表情だった。「滋賀の人に応援してもらうためには、結果を残すしかないと思っていた。最後まで全力プレーができて良かった」。ベンチ入りメンバー20人の出身地が6府県にまたがる「滋賀学園。 滋賀の好敵手や地域の温かさに刺激され、全国の8強にまで駆け上がった。
 
 いつも眼前に立ちはだかったのが、昨年まで5大会連続で夏の甲子園に出場していた近江だった。昨年の春季大会から3回続けて決勝で敗れた、越えられそうで越えられない壁。国仲優星選手(3年)は「近江はずっと上のレベルにいた」と振り返る。
 1点届かなかった昨夏は「技術ではなく、心の勝負」と痛感した。最後の1球まで全力プレーをするのはもちろん、寮の整理整頓といった生活面も徹底して手を抜かないことを話し合い、1年間を過ごした。
 自らを厳しく律して野球に打ち込む選手たちに、通学途中にすれ違う人やコンビニ店員らが「頑張れ」と声をかけてくれた。「自分たちが地域を勇気づけられていると実感できた」と作田健太選手(3年)。見ず知らずの人から贈られる声援は、選手たちの心の支えになった。
 沖縄、大阪、愛知。あちらこちらからと夢舞台を目指して集まってきた選手たち。「習慣や文化も違う選手が一緒に過ごして、成長できた。心を一つに戦えた」。滋賀出身の高橋侠聖選手(3年)は、そう言って胸を張った。
  (和泉萌花記者)
 
観客沸く好投「自信になる投球できた」2年の土田投手

                      ↑写真: 先発した土田投手=甲子園球場で(中日新聞より)

 先発の土田悠貴投手(2年)は7回途中まで、被安打2、7奪三振の好投。「一球一球、自分の投球で歓声が湧いた。自信になるいい投球ができた」と振り返る。
 ストライク先行でテンポのいい投球を披露。相手の4番を2打席連続で三振に仕留めるなど、切れのあるスライダーを効果的に使って立ち向かった。敗戦に目を赤くし「ゼロで最後まで投げきれる投手になって戻ってくる」と成長を誓った。
 
「全力キレキレ応援」スタンド感無量

↑写真: 滋賀学園の敗退が決まり涙を流す応援団員ら=甲子園球場で(中日新聞より)

 力の限り声援を送っていた滋賀学園の応援団の目に、せきを切ったように涙があふれ出した。選手とともに訪れた夢舞台は4試合で終了。「夢見せてくれてありがとう」。「ようやったぞ」。次々に声が挙がり、アルプス席からナインの奮戦を称えた。
 ベンチ外の選手らを率いた応援団長荒井浩志さん(3年)。試合に出られない悔しさもあったが「自分たちにできる事を探して本気でやれた」。滋賀県予選から続けてきた「全力応援」を振り返った。
 昨年、滋賀県大会の決勝で敗れたチームの主将だった井上幹太さんは「勝つことに一生懸命で、本当にいいチームだ」と後輩たちの活躍に満足げな様子だった。
 
 応援団は、球場を巻き込んで「キレキレなダンス」を踊る姿が、交流サイト(SNS)を中心に注目を集めていた。試合には敗れたものの、選手も応援団も力を出し切った。荒井さんは「全力プレーを見せてくれてありがとう。みんなで最後にいい思い出、宝物ができた」と涙を流した。
 (青山尚樹記者)
 
<以上 記事・写真:中日新聞滋賀版より>
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