新型コロナウイルスの影響で2年間合宿ができなかったが、今夏は3年ぶりに開催した。食事や時間管理など生活面での意識が向上。選手たちが栄養管理に気を配るようになり、けがによる長期離脱が減った。合宿での走り込みに代わり行ってきた比叡山の林道での約2キロの練習も並行して続けることで力を付けてきた。
吉居監督が「自他ともに認めるエース」と話すのは3000m9分32秒のタイムを持つ荒田悠良(3年)。「昨年は低体温症になり、チームに迷惑を掛けたので悔しさを晴らしたい」と意気込む。近畿大会では前半にスピードを上げすぎ後半に失速したことから、「前半は集団の中でリラックスして走り、区間8位でつなぎたい」と話す。更に主将の松田彩奈(同)にも注目だ。体調不良や受験が重なり、滋賀県予選と近畿大会には出場できなかったが、4日の第10回京都陸協記録会3000mで自己ベストを出した。「10分を切ってチームに貢献する走りがしたい」と話す。
チームの目標は1時間10分45秒を切り、過去最高順位(23位)を更新すること。吉居監督は「1、2区で流れを作り、3~5区が維持できるかが鍵。気負わずに自分のレースを楽しんでほしい」と展望を語った。
◆男子・滋賀学園
今年のチームは上位7人の5000mの平均タイム14分18秒02は出場校中10位で、歴代最速を更新した。大河亨監督も「全体的に調子は上がってきている」と期待を寄せる。
近畿大会では1区を走ったエースで主将の安原海晴(3年)が不調で、2区以降も波に乗れず、9位に終わった。4区を走った副主将の田井中悠成(同)は「安原に頼ってばかりいるのではなく、自分が流れを変えるという意識を持たなければ」と痛感した。それぞれの意識の変化が4日に行われた第10回京都陸協記録会で表れ、5人の選手が自己ベストを更新した。
チームの柱は、安原と柴田侑(同)。安原は単独走を強みとし、5000m13分56秒の記録を持つ。「近畿大会では自分のレースができなかった。満足していない思いを都大路でぶつけたい」と意気込む。大河監督が「集団での位置取りが抜群にうまい」と評価する柴田は3月に膝をけがして夏までは全く走れず、更に貧血にも悩まされ、体重も激減したが、徐々に調子を取り戻し、12月の記録会では今季のベストタイムを出した。2人に加え、大河監督は田井中と宮地大哉(同)らの成長にも注目する。宮地は「今年の日本海駅伝が分岐点になり、中間層の自分が強くなろうと練習量を増やしてきた。今が一番調子がいい」と笑顔を見せた。
安原は「春先に比べると選手たちの練習への目つきが変わった。2時間3秒台を切り、8位以内を目標に臨みたい」と力を込めた。