市議会議議員の仕事をしていると、知らない人からも電話がくる。
事務所の留守電に切羽詰まったような女性の声で、「電話ください」の一言。
電話を掛けると、日本人と結婚されている70前後の中国人の女性とのこと。ことしのお正月に愛犬が亡くなり、それ以来ペットロス状態らしい。
友達は皆んな働いてるから、邪魔できない。自分も仕事があれば、働きたいのだか、腰が痛くて,思うように動けない。
もう日本に30年以上暮らしていらっしゃるというが、日本語は辿々しく、私は聞き取るのに苦労する。国際結婚の厳しさを、感じる。
お話を聞きながら、私はカナダに住む娘に思いを馳せる。子どもが4歳になり、少し手が掛からなくなって、ホッとした時、鬱病の夫が、離婚を申し出、突然家を出た。
カナダは、離婚率48%と日本比べ10%以上高い。娘にしたら、子どもを連れて日本に帰りたいところだと言うが、バーグ条約があって、承諾なく連れ帰ると、自子誘拐罪で国際手配されると言う。カナダでは離婚の慰謝料は存在しないのだそうで、突然、一人で子どもの世話と世帯の維持を賄うことになった。5年前、心配する私たち両親を振り切って、カナダで結婚した。今更ながらに国際結婚の難しさ,国際離婚の厳しさを思い知る。
だから、私はこの中国人の女性の身の上が他人ごとには思えてない。介護保険について,ご説明すると、利用してみたい、とおっしゃる。
市役所の包括支援センターに電話して、介護認定のため、訪問してもらえるように、お願いした。こうやって仕事が出来る事に私は心から感謝した。