来年2023年2月22日に予定されている都立高校入試は、1点を争う入学試験にも関わらず、不明瞭、不適切、不公平な仕組みが、明るみに出て来た英語スピーキングテスト(ESATーJ)の得点を入学試験に加算するという東京都教育委員会の方針に対して、保護者や教育関係者から反対の意見が出され、大きな社会問題となって来ています。
昨日(10月22日)立憲民主党竹井よう子都議会議員と、「入試改革を考える会」の武蔵大学 大内宏和教授のお二人から、この問題に関して、報告・解説を伺う機会を得ましたので、此処に情報を共有致します。
ESAT-Jを都立高校入学試験に加点することの問題点について
①ESATーjは11月27日(予備日12月18日)に実施する予定で、都立高校入試は2月22日と間隔が開き過ぎているのはおかしい。
②タブレットを使いに回答を録音し、更にほかの人がタブレットを使うと言う使い回しは、不正、削除など不慮の事故の原因となる可能性が有る。
③公立中学の生徒は全員受験が義務で、国立大学、私立の中学生は受験の義務がないのは不公平である。
④録音された回答は、(株)ベネッセを通して、フィリイピンで採点される事になっているが、採点者の属性、資格について明確な説明がされていない。採点基準も示されていない。
⑤受験生8万人を一律の基準で採点すること自体無理がある。
⑥病気などの理由で、ESATを受験できなかった受験生推計点を加算される。不確実な推計点が合否を決めることに成りかねない。
⑦得点について開示請求に応じる、との事であるが、採点基準が示されない中、得点を開示されても意味がない。
都議会にはESATーJを入試に取りいれないよう請願が出されています。都議会立憲民主党では、ESATーJを都立高校の入試に使わないようにする条例案を提出しましたが、自民党、公明党、都民ファーストの会に否決されました。10月13日、「スピーキングテストの活用の中止を求める都議会超党派議員連盟」が設立されました。議員連盟には立憲民主党、共産党、グリーンな東京、生活者ネットの4会派に都民ファーストの条例案に賛成して除名処分を受けた3名の議員と採決に加わらなかった2名の議員も加わっています。
日本語は世界の言語の中で、最も特殊性の高い言語の一つと言われていて、日本人の英語など他言語の習得の上の壁となっています。必要性が高い英語の聞く力、話す力のレベル向上の必要性は多くの分野から叫ばれています。だからこそ、その能力の判定等は公正・公平であるべきです。