Around 50 人生はアドベンチャー!

40代半ばにして再婚
妊活のおかげでベビーを授かりました。
ベビーのこと・日常・野球・読書など気まぐれで綴ります。

クスノキの番人

2020-09-03 08:20:00 | 読書
(内容)
その木に祈れば、願いが叶うと言われているクスノキ。その番人を任された青年と、クスノキのもとへ祈念に訪れる人々の織りなす物語。不当な理由で職場を解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった玲斗。同情を買おうと取調官に訴えるが、その甲斐もなく送検、起訴を待つ身となってしまった。そこへ突然弁護士が現れる。依頼人の命令を聞くなら釈放してくれるというのだ。依頼人に心当たりはないが、このままでは間違いなく刑務所だ。そこで賭けに出た玲斗は従うことに。依頼人の待つ場所へ向かうと、年配の女性が待っていた。千舟と名乗るその女性は驚くことに伯母でもあるというのだ。あまり褒められた生き方をせず、将来の展望もないと言う玲斗に彼女が命令をする。「あなたにしてもらいたいこと||それはクスノキの番人です」と。『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く新たなエンターテインメント作品。長編書き下ろし。


東野圭吾の新刊。

少しファンタジー感のある話で「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を思い起こされ、読み終わった後のスッキリ感が気持ちよかった。

東野圭吾特有の読みやすさはいつも通りだったし、後半は涙目になりそうな場面もあった。

その一方、展開はなんとなく読めてしまってその通りでどんでん返し感が無かったのが少し残念な気がした。

どうしようもない落ちこぼれだった玲斗の成長物語としても楽しむことが出来る。

ドロドロのミステリーもいいがこういうミステリーも心が安らかになるのでいいなあ。

東野圭吾作品はかれこれ50冊近くになるが改めてスゴいなあと思わされた。



★★★★☆

妖の掟

2020-08-31 19:07:00 | 読書
(内容)
盗聴器の仕掛けがバレてヤクザに袋叩きにあう圭一を気まぐれで助けたのは、坊主頭の欣治と人形と見紛う美貌の持ち主、紅鈴だった。圭一の部屋に転がり込んだ二人にはある秘密がー


初っ端からかなりグロくて大丈夫かな?と思いながら読み始めた。

ホラーでも何でもなく、二人?の吸血鬼と一人の人間が繰り広げるクライムストーリーに。

その後、吸血鬼と人間の奇妙な同居生活や友情なども描かれている。

しかし、最後は少し切ない。

色んな思いを引き出してくれる作品で面白かったが、全体的にインパクト不足。

特に後半は無理矢理終わらせたように感じてしまった。

「妖の華」という続編があるらしい。

読んでみようかどうかは少し悩む。




★★★☆☆

清原和博への告白

2020-08-27 06:59:00 | 読書
(内容)
甲子園で怪物と対決した球児たちは、強烈な記憶を胸に、それぞれの人生を歩んだ。30年の時を経て、本塁打を打たれたライバルたちが口を開いた。誰もが清原という存在の大きさを熱く語る。一度は絶望の淵に沈んでいた清原和博は、彼らの告白を読み涙した。文庫版では清原からの特別寄稿「戦友たちへ」を収録。


私は清原とは同年代であり、彼の出身地である岸和田に住んでいる。

私の中では今でも甲子園のスーパースターは清原であり、清原を超える選手は出て来ていない。

甲子園で清原にホームランを打たれた相手投手の当時の心境などが語られている。

面白い視点だと思うし、実際読んでいて楽しかった。

清原を抑えた投手や守っていた野手、指揮していた監督目線なども盛り込まれていればもっとよかったように思う。

伊野商 渡辺智男や岩倉 山口、宇部商 藤井などなど。

甲子園以降の清原の人生はドラマチック過ぎてフィクションのようである。

今後、新たな清原の人生が描かれるように個人的には応援している。




★★★☆☆

私の消滅

2020-08-26 06:55:00 | 読書
(内容)
「先生に、私の全てを知ってもらいたいのです。私の内面に入れますか」心療内科を訪れた美しい女性、ゆかり。男は彼女の記憶に奇妙に欠けた部分があることに気付き、その原因を追い始めるー。傷つき、損なわれたものを元に戻したいと思うことは冒涜なのか。Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した傑作長編小説。


テレビで浜辺美波がオススメ本として紹介していたので読んでみた。

登場人物が少ない中で文面が一人称で書かれているので、最初の方は誰かがわからなく頭の中が混乱した。

後半に入ると意図的にそう書かれていたことがわかり遡って読み直すことに。

200頁にも満たない短い小説なのだが、読むのに少し時間がかかってしまった。

暗くて恐ろしい作品。

宮崎勤のことなども書かれていて知らなかったことも知ることが出来た。

しかし、個人的には難解で好きになれない。

中村文則作品は「教団X」以来の2作目だが、これも合わなかった。

どうやら相性が良くなさそうだ。



★★☆☆☆

永遠の0

2020-08-25 07:01:00 | 読書
(内容)
「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、一つの謎が浮かんでくるー。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。涙を流さずにはいられない、男の絆、家族の絆。
 

映画は映画館に観に行ったが小説の方は初読み。

恥ずかしながら百田尚樹作品自体も初読みだった。

神風特攻隊となって国の為に命をかけた祖父のことを調査する主人公とその姉。

ほとんどの内容がノンフィクションである。

太平洋戦争当時の狂気の世界が描かれている。

こういう史実に基づいた小説は後世に残していかなければいけない。

命の大切さや人を信じることなど色んなことを再認識させられた良い小説。

もっと早く読んでおけばよかったと今更ながら後悔。

小説に比べて映画は薄っぺらい気がした。



★★★★★