Around 50 人生はアドベンチャー!

40代半ばにして再婚
妊活のおかげでベビーを授かりました。
ベビーのこと・日常・野球・読書など気まぐれで綴ります。

我が家の問題

2018-10-30 20:48:55 | 読書
(内容)
夫は仕事ができないらしい。
それを察知してしまっためぐみは、おいしい弁当を持たせて夫を励まそうと決意しー「ハズバンド」。
新婚なのに、家に帰りたくなくなった。
甲斐甲斐しく世話をしてくれる妻に感動していたはずがー「甘い生活?」。
それぞれの家族に起こる、ささやかだけれど悩ましい「我が家の問題」。
人間ドラマの名手が贈る、くすりと笑えて、ホロリと泣ける平成の家族小説。


平成の家族シリーズの第1弾の「家日和」読んだのはかれこれ2年前だけど、面白かったのをよく覚えている。

家族のあるあるを実に面白おかしく描かれている作品。

今回もなかなか面白かった。

前作を読んだ時もコレって奥田英朗自身では?と思ったことを覚えていて、解説を読んで前作から繋がっていることを知り、納得する。

そういうことならあまり間を空けずに読んだ方が良かったのかも?

次作、「我が家のヒミツ」は出来るだけ早く読んでみたいと思う。

読書メーターに登録してから知った奥田英朗の作品もこれで10作品目になる。

読むたびにセンスの良さを感じる。



★★★★☆

長い長い殺人

2018-10-29 08:11:37 | 読書
(内容)
轢き逃げは、じつは惨殺事件だった。
被害者は森元隆一。
事情聴取を始めた刑事は、森元の妻・法子に不審を持つ。
夫を轢いた人物はどうなったのか、一度もきこうとしないのだ。
隆一には八千万円の生命保険がかけられていた。
しかし、受取人の法子には完璧なアリバイが…。
刑事の財布、探偵の財布、死者の財布ー。
“十の財布”が語る事件の裏に、やがて底知れぬ悪意の影が。


久しぶりの宮部みゆき作品。

ブックオフのセールで購入したのをずっと積読してて、ようやく読んだ。

短編かと思ったら、ちゃんとした長編やった。

語りが財布視点で書かれていて、各章ごとに持ち主が変わるという内容になっている。

最初は少し戸惑ったが、途中からは慣れて来た。

事件としては規模の大きな事件やし、犯人の目星もつかないし、ミステリーとしてはいいと思うので、あえてなぜ財布視点にしたのかが疑問。

面白くないわけではないが、凝りすぎの感がある。

読みやすさという観点からもあんまり印象は良くなくて、中途半端に感じた。



★★★☆☆

さざなみのよる

2018-10-25 21:38:14 | 読書
(内容)
小国ナスミ、享年43。
その死は湖に落ちた雫の波紋のように家族や友人、知人へと広がり――
命のまばゆさを描く感動と祝福の物語!


前に読んだ「昨夜のカレー、明日のパン」もなかなか良かったし、本作品もレビューを読んで評価が高かったので、手にとってみた。

主人公となる小国ナスミが43歳で亡くなるところから始まる。

43歳といえば、うちの奥さんと一緒なので一瞬ギョッとした。

その後、ナスミの家族や友人、知人がナスミと生前どう関わったかのエピソードみたいな感じで短編が続く。

人の死を扱った作品の割には、暗さはなくむしろ明るい感じで描かれているのは書き手の力量なのだと思う。

ただ、時代背景の描写かなく、なんとなく脳内イメージが出来ず、その部分が腑に落ちない。

いい作品だとは思うが、少し合わなかった。



★★★☆☆

首折り男のための協奏曲

2018-10-24 19:16:07 | 読書
(内容)
被害者は一瞬で首を捻られ、殺された。
殺し屋の名は、首折り男。テレビ番組の報道を見て、隣人の“彼”が犯人ではないか、と疑う老夫婦。
いじめに遭う中学生は“彼”に助けられ、幹事が欠席した合コンの席では首折り殺人が話題に上る。
一方で泥棒・黒澤は恋路の調査に盗みの依頼と大忙し。
二人の男を軸に物語は絡み、繋がり、やがて驚きへと至る!伊坂幸太郎の神髄、ここにあり。


伊坂作品もかなり頑張って読んでて、制覇まで既に10作品を切ってる。

小説のタイトルに「協奏曲」とあったので、伊坂幸太郎得意の短編集が全て繋がってて、最後にまとまってくるパターンかなと思い込みながら読んだ。

ところが!繋がり感が薄く、なんとなく中途半端に思えた。

相変わらずの薀蓄やシャレは面白くて楽しめたが、全体の流れが残念な感じがした。

面白くないわけじゃないけど、伊坂作品としてはやや期待ハズレ。

好きな短編はやっぱり「僕の舟」。



★★★☆☆

じっと手をみる

2018-10-22 07:53:31 | 読書
(内容)
富士山を望む町で介護士として働く、かつて恋人同士だった日奈と海斗。
老人の世話をし、ショッピングモールに出掛けることだけが息抜きの日奈の家に、東京に住む宮澤が庭の草刈りに通ってくるようになる。
生まれ育った町以外に思いを馳せるようになる日奈。
一方、海斗は、日奈への思いを断ち切れないまま、同僚の畑中との仲を深め、家族を支えるために町に縛りつけられていくが…。
読むほどに打ちのめされる!忘れられない恋愛小説。

初読みの作家。

直木賞候補にノミネートされてた作品で気になったので、図書館予約して借りて来た。

前半は官能小説か?と思うようなエロい描写があったり、登場人物の誰も共感出来なかったりで気分が悪かった。

それでも中盤以降、介護士という職業のことに興味が沸いたり、終盤は海斗の優しさなどに触れることが出来たりして、じわっと盛り上がって来た。

エピローグは「これで終わり?」って感じでやや不満が残った。

少し変則的な恋愛小説。

嫌いじゃないけど、好きでもない。

でも、他の作品も少し読んでみたいと思った。



★★★☆☆

スケルトン・キー

2018-10-18 22:04:37 | 読書
(内容)
週刊誌記者のスクープ獲得の手伝いをしている僕、坂木錠也。
この仕事を選んだのは、スリルのある環境に身を置いて心拍数を上げることで、自分の狂気を抑え込むことができるからだ。
最近は、まともな状態を保てている。
でもある日、児童養護施設でともに育った仲間から電話がかかってきて、日常が変わりはじめた。
これまで必死に守ってきた平穏が、壊れてしまうー僕に近づいてはいけない。殺してしまうから。あなたは死んでしまうから。


道尾秀介の新刊。

道尾秀介は好きな作家の一人で制覇を目指してる訳ではないが、数多くの作品を読んでいる。

これで15作品になった。

サイコパスを題材にした叙述トリック。

久しぶりに黒道尾ぶりが発揮されていて、なかなか面白くてどんどん読み進む。

後半に来て種明かしされるけど、なんとなく既読感があって、ドッキリ感があまり感じられなかった。

タイトルがどこに出てくるのか?とずっと不思議に思ってたら、エピローグに出て来て、しかも、いい感じにおさめられていた。

全体的にドロっとした暗い内容だったので、読了後の爽快感は意外な感じがした。



★★★★☆

星をつなぐ手

2018-10-16 21:11:42 | 読書
(内容)
もし祈るのなら、この優しい人が幸せであるように祈りたい。
寂しい思いも悲しい思いもせずに、泣かないで済むように…。
田舎町の書店で起こる優しい奇跡を描いた、本屋大賞ノミネートの話題作、待望の続編!


「桜風堂ものがたり」の続編。

前作は本屋大賞にノミネートされたことで知った作品。

前作がとても良くて、続編を早く読みたかったが、ようやく今になって読むことが出来た。

前作は困難なことに遭って、そこから周りの人たちの協力もあり、頑張って立ち上がった感じだったのに対し、本作は困難はあまりなく、いい感じでどんどん周りの人たちが動いてくれた感じになっている。

この辺が少し出来過ぎな感じがあって、前作ほどはのめり込まなかったし、感動も少なかった。

それでも、いい小説では間違いない。

もう続編はないのかもしれないけど、期待している自分がいる。



★★★★☆

ブロードキャスト

2018-10-12 21:33:47 | 読書
(内容)
町田圭祐は中学時代、陸上部に所属し、駅伝で全国大会を目指していたが、3年生の最後の県大会、わずかの差で出場を逃してしまう。
その後、陸上の強豪校、青海学院高校に入学した圭祐だったが、ある理由から陸上部に入ることを諦め、同じ中学出身の正也から誘われてなんとなく放送部に入部することに。
陸上への未練を感じつつも、正也や同級生の咲楽、先輩女子たちの熱意に触れながら、その面白さに目覚めていく。
目標はラジオドラマ部門で全国高校放送コンテストに参加することだったが、制作の方向性を巡って部内で対立が勃発してしまう。
果たして圭祐は、新たな「夢」を見つけられるかー。


湊かなえの最新刊。

全く前情報なしで読み始めた。

少し読み進むと「本当に湊かなえ作品?」と違和感を感じ始めた。

ほぼミステリー色はなく、青春小説の部類になる。

読みやすいし、放送部のことも知ることが出来て、なかなか面白い。

でも、最終章に気になる場面があったのは残念…

さすがにそれはやったらアカンやろ!

単純な青春小説で終わらせた方が良かったと個人的には思う。

気分は良くないが、湊かなえにはやっぱりイヤミスが似合う。

★★★★☆

ランチのアッコちゃん

2018-10-11 07:19:56 | 読書
(内容)
地味な派遣社員の三智子は彼氏にフラれて落ち込み、食欲もなかった。
そこへ雲の上の存在である黒川敦子部長、通称“アッコさん”から声がかかる。
「一週間、ランチを取り替えっこしましょう」。気乗りがしない三智子だったが、アッコさんの不思議なランチコースを巡るうち、少しずつ変わっていく自分に気づく(表題作)。
読むほどに心が弾んでくる魔法の四編。
読むとどんどん元気が出るスペシャルビタミン小説!


柚木麻子作品2作目。

前に読んだ作品が「BUTTER」だったので、この人は本当に食べることが大好きなんやなあーという印象が強い。

超長編を読んだ後の軽い短編集、これはこれで清涼剤となってなかなかいい。

4編からなる短編集だが、表題作を含む最初の3編はあんまり面白味を感じることが出来ず、イマイチ感があった。

だが、最後の「ゆとりのピアガーデン」はキャラも面白くてなかなか良かった。

かなり軽い感じでホッコリするのにはいいけど、心に残る感じはない。



★★★☆☆

神の子

2018-10-10 07:18:03 | 読書
(内容)
身許引受人の町工場で働きながら、大学に通いはじめた町田。
知り合った学生たちの起業を手伝うことにもなり、他人と過ごす時間が彼の心を少しずつ解きほぐしていく。
だが、忌まわしい過去は、彼を易々と手離しはしなかった。
ふたたび町田に接近する室井の真意とは…!?
吉川英治文学新人賞作家が描く、エンタテインメントの醍醐味を存分に詰め込んだ圧倒的傑作!


薬丸岳の作品はちょうど10冊目。

どれもやや切ない内容ながら、スゴく考えられていて読み応えかあって、好きな作家の一人である。

上巻の途中までは今までの作品と違ってミステリー色が薄い気がした。

ところが、下巻に入るとどんどんミステリー色が出て来て、気付けばハラハラドキドキしながら読み耽っていた。

少し出来過ぎな感じがする箇所もあったりしたが、構成も良く出来てるし、登場人物のキャラも明確でわかりやすい。

読了後の清々しさと読み切った感はかなりあって、気持ちが良かった。



★★★★★