ゆのひらんおばちゃん Part3

創業70年の土産屋を 2023年3月末で閉めました。

湯平温泉の復興を願いつつ、身近な風景を綴ります。

古びた鉄板の壁に義兄を思う

2022-08-09 | 

買い物をしてくれた老夫婦を自宅に送った後 近所の壊れかけの建物を見て思い出した。

 
去年秋に亡くなった夫の兄は美大を出て絵を描いていました。抽象画がほとんどで 私には全くわからない世界でした。
 
その兄が元気で帰省した時に 古い建物の壁を見て
 
『この家を壊す時には教えて欲しい、この壁の鉄板が欲しい』と言っていました。
 
当時の私は『持ち主も知らない、壊れかけの古い家の壁の鉄板になんの価値があるのか?』と聞き流していました。
 
そして 義兄は去年亡くなってしまいました。
 
今日その壁を久しぶりに見て その時の義兄の気持ちに寄り添えなかったことに 申し訳なかったと、後悔の念が ふつふつと湧いてきました。
 
現場で写真を撮りました。
 





 
 
 
兄が最後に この場面を撮った写真は さすがに芸術家らしく 切り取れば まさに抽象画になりそうな写真ばかりです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
なんだか 兄の抽象画に似ている気がします。
 
この壁も そのうち朽ちてしまうのでしょう。
 
人間同様 形あるものは いつかは無くなっていくのです。
 
もうすぐ兄の初盆です。初の盆、兄を静かに迎えてあげます。
 
 
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見習いたい老夫婦

2022-08-09 | 

地元で最高齢の もうすぐ98歳の おじいちゃんと もうすぐ90歳のおばあちゃんの夫婦。

少し前まで おじいちゃんは軽トラに乗っていましたが、さすがに免許証を返上したそうです。

『車がねえと便利がわりい』と。

おじいちゃんと おばあちゃんは上の方の家から歩いて下ってきました。おじいちゃんは うちに椎茸を買いに、おばあちゃんは近くの郵便局に行って、帰りに うちで合流するそうです。
すぐ、椎茸を選別中の夫を呼び、帰りは私が車で送っていくことにしました。この暑い中 熱中症になったら大変です。

おじいちゃん
『二人でぼちぼち帰ると昼頃になるち思っちょったけど、助かった』

おばあちゃん
『油代を…』と財布を出そうとする。

私『いらない、いらない。椎茸を たくさん買ってくれてありがとう』

お二人の家は上の方です。大きな藤の木と大きな銀杏の木があります。木も ご長寿です。


奥さんが少し耳が遠いだけで 二人とも健康診断で問題はないそうです。そして昔から魚が好きだとのことです。
健康で 年よりぶらず、若ぶらず、いばらず、素直に申し出に応えてくれ、お礼の言葉も忘れず、私達も こんな高齢者夫婦になりたいものです。

最低限 二人で長生きしないと こうはならないでしょうね。
コメント (2)
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