最近は『化粧ガーゼ』を あまり見かけなくなりました。
義母は化粧品を 訪問営業レデイ(といっても高齢の方)から買っていました。お礼として 毎回化粧ガーゼをもらっていました。時には会社名が入った傘もありました。
母が自分で買うのだから 文句は言えなかったけれど 90歳も近い人に乳液や化粧水やファンデーションを配達するようにやって来る営業レデイに疑問を感じていました。
ある時 新しいものがあるのに 母は また購入していました。さすがに 私はクーリングオフを願い出ました。商品を送ると すぐ現金封筒で返金してくれました。
母が亡くなった後 引き出しには お礼でいただく、このガーゼが 山ほどありました。
素材が柔らかく 孫が赤ちゃんの時は入浴時や よだれを拭くのに重宝しましたが、今は 孫にも私にも ましてや 夫にも必要ありません。
で 今回 お雛様をなおす時に このガーゼをお顔に巻いて保存することにしました。これまではティッシュを巻いていました。
壇上には15人います。
1枚を三等分して 計15枚。
残っていた 化粧ガーゼは これで無くなりました。約8年かかりました。
お雛様保存の役にたって 母も喜んでくれるでしょう。
母は化粧品だけではなく、配置薬のセールスマンからの黒酢をため込んで隠していました。
若い男性が出て来たので 玄関に入ると 宝石ケースが出してあり、手には1万円札。問うたら『あんたが、要らんち言うたから』などと ほざきました。
今は 母を反面教師にして そうならないようにと思っていますが…
お向かい90歳近いMさんは、頭が良くて器用で身体を動かすことも好きで、洋裁、フォークダンスの先生で、楽器のハーブを習い、友人も多く、ご主人が病気になってからは60歳で車の免許をとった。
真っ直ぐだった背筋が前屈みになってきたのは、ここ4、5年か。
長い事、見かけない人と玄関先で話し込んでいる時は声をかけるようにしてるんですが、
『1日、誰も話さない人かあると、人恋しくなるの、誰でもいいから話がしたい』
怖い、と思いました。
ここに付け込む輩がいるんだと
営業の人も 勧めたら買ってくれるので ラッキー…って感じだったのでしょう。
義母も昼間は一人だったから寂しくて 相手をしてくれる人の誘いを受けたのでしょう。
クーリングオフしてくれたのは幸いでした。
微笑みながら喜んでいるでしょうね。
でも、化粧品を売る方には
良心の呵責みたいなものは
なかったのですかねぇ。
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