捨てる予定の服の中から 思い出のある一枚を引っ張り出しました。
結婚して富山市に住みました。そこに義兄夫婦が遊びに来て、富山西武百貨店の並びの総曲輪(そうがわ)通りを歩きました。
義姉が 通りにあったブティックで見かけたモヘアのベストを兄に おねだりしました。
すると義兄が『○○さんにも』と私にも色違いのベストを買ってくれました。義姉より明るい色でした。
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田舎育ちの私は ブティックなどに寄ったこともありません。夫におねだりしたこともありません。ましてや人様に洋服を買ってもらったことの無い私にとって初めての経験でした。
あれから45年経ちました。色合いも派手で サイズもきついので 処分しようと。
しかし、思い直しました。
兄は絵描きで、当初の画風は明るい色合いの抽象画でした。パリの町並みの屋根を上から眺め、明るい色で仕上げていました。
このベストも 兄の趣味で選んでくれたのかもしれません。
時代が流れて 義兄夫婦は亡くなり、富山西武百貨店も閉店しました。
この明るいベストは義兄夫婦の娘さんに 富山での話をして渡すことにしました。お母さんの遺品の中に色違いのベストがあるかもしれません。
夫に このベストの話をすると
夫『おまえが そのチョッキを着たのを見たことがねぇ』
私『チョッキじゃねぇ。ベストやん』
私『襟が首まで立ったセーターを何て言う?』
夫『ハイネック』
私『違う違う、襟が前に曲がったセーターは何て言う?』
私は夫が『とっくり』と言うと思っていましたが、返ってきた言葉は
夫『トータルネック』
私『ちがう タートルネックやん‼️』
面白い、実に面白い。
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