「快感回路~なぜ気持ちいいのか、なぜやめられないのか」
(ディビッド・J・リンデン著 岩坂彰訳 河出書房新社刊)
依存症について書かれた本ですが、その中に、双子の比較研究により、依存症リスク要因の40~60%は遺伝的なものが関係するのではないかと推定されるとありました。ただ、研究は始まったばかりで、「依存症遺伝子」のようなものがあるわけではなく、この複雑な発現形質に関係する遺伝子は多数ある可能性が高いようです。
快感回路を構成する重要な要素であるドーパミン受容体の一種であるD2と呼ばれるサブタイプの遺伝子に関わるもので、ここに、A1という型の遺伝子を持っているとドーパミンの受容体が少なくなる。つまり、快感が得にくい。そのため、A1を持っている人はアルコールやコカインやニコチンへの依存症が高くなる確率が高いということです。
あらかじめアルコールを自ら摂取するよう訓練したラットの実験では、D2受容体の発現を促して、増やしたところアルコールの摂取が大幅に減ったということです。通常の人に比べ、快感が得にくいために大量に摂取してしまい、依存症になっていくのではないかということです。
しかし、遺伝子によるリスクがあっても、自分でコントロールすることはできるはずです。 心臓病のリスクを負った人が食事に気をつけたり運動したり薬を飲むことでそのリスクを軽減するのと同じで、依存症も本人がそれなりに努力することでリスクを軽減することができるはずで、遺伝的なものとして責任を回避してよいわけではありません。
(ディビッド・J・リンデン著 岩坂彰訳 河出書房新社刊)
依存症について書かれた本ですが、その中に、双子の比較研究により、依存症リスク要因の40~60%は遺伝的なものが関係するのではないかと推定されるとありました。ただ、研究は始まったばかりで、「依存症遺伝子」のようなものがあるわけではなく、この複雑な発現形質に関係する遺伝子は多数ある可能性が高いようです。
快感回路を構成する重要な要素であるドーパミン受容体の一種であるD2と呼ばれるサブタイプの遺伝子に関わるもので、ここに、A1という型の遺伝子を持っているとドーパミンの受容体が少なくなる。つまり、快感が得にくい。そのため、A1を持っている人はアルコールやコカインやニコチンへの依存症が高くなる確率が高いということです。
あらかじめアルコールを自ら摂取するよう訓練したラットの実験では、D2受容体の発現を促して、増やしたところアルコールの摂取が大幅に減ったということです。通常の人に比べ、快感が得にくいために大量に摂取してしまい、依存症になっていくのではないかということです。
しかし、遺伝子によるリスクがあっても、自分でコントロールすることはできるはずです。 心臓病のリスクを負った人が食事に気をつけたり運動したり薬を飲むことでそのリスクを軽減するのと同じで、依存症も本人がそれなりに努力することでリスクを軽減することができるはずで、遺伝的なものとして責任を回避してよいわけではありません。