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「発達障害かもしれない大人たち」(2) №207

2014-01-07 16:04:48 | インポート
 自閉症スペクトラムに属する人の特徴や生きづらさについて、林先生は次のようなことをあげています。
 ①物事に固執し柔軟な考え方ができない。
 ②物事に対する認識が狭小で、独特な考え方をもっていることが多い。 
 ③納得がいかなくても頑張ってしまい、疲れ果ててしまう。
 ④能力のばらつきが多く、できることとできないことの差が大きく、自尊心を持ちにくい。
 ⑤表情を読みとるのが苦手で、暗黙の了解ができない。細かいところまで言われないとできない。
 ⑥外からの刺激と概念を結ぶセンサーが少ないので、感情表出が苦手である。 
 こうした生きづらさをどのように社会と適応させていったらよいのか、林先生は、本人と周囲の人達のケアとして以下のことをあげています。
<発達障害をもつ本人にできること>
 ①苦手なことは、手伝ってもらったり、迷惑にならない範囲で人にまかせる。
 ②できないからといってあきらめず、できるように工夫する
 ③自分がどのような人間かを知り、ひとのせいしない。
<発達障害の周囲の人がとるべき態度>
 ①頭ごなしに否定しない。失敗しても叱ったり、怒鳴ったりしない。
 ②得意、不得意があることを理解し、可能な限りほめる。
 ③ 一つ一つ丁寧に理を説いて諭すよう努める。
 ④してはいけないことをしたとき、しっかり叱る。
 自閉的特性を持っている人は、選択すべき可能性が多いと、それを絞り込んで決断することができず「結局どうすべきかわからない。」という状態に陥り、脳がフリーズしてしまい、仕事が進まない、できないという事態に陥ります。こまかく手順を教えても想定外の出来事が起こるとパニックになってしまうので、想定外のことが起きても大丈夫だと安心させておくことが必要だと言います。
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「発達障害かもしれない大人たち」(1) №206

2014-01-07 15:59:20 | インポート
 落ち着きがない、忘れ物が多い、人の話を聞かない、できることとできないことの差が多く、集中力が足りない。以前は、こうしたことは、家庭のしつけや教育の問題であり、脳機能の障害であるということはほとんどありませんでした。
 この本の著者、精神科医師の林寧哲先生は、ご自身のことを「アスペルガー障害を経た広汎性発達障害」と診断しています。ご自身が長いこと自分が発達障害であることを知らずに苦しんできた体験があるのだそうです。そうしたことから、社会の中で普通のことに対してどのようにふるまったら良いのかわからずに困ったり、他人に迷惑をかけたりしている人たちの多くは、アスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラムに属する人たちだったり、その他の発達障害だったりする場合が多いのではないか、とこの本を書いたきっかけを話しています。
 発達障害については、平成17年4月に施行された発達障害者支援法で、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。」とされています。
 自閉症スペクトラム(「スペクトラム」は「連続体」ということで、自閉的特性の程度が軽いものから重いものまでを含んでいる)については、その特性が強くなると対人関係がほとんど構築できなくなってしまうので、本人が生きづらいという感覚におちいることはなく、むしろ、自閉的特性が軽い人、特定不能の広汎性発達障害といわれる人達が対人関係で一番苦労しているのではないかといいます。
 アスペルガー障害(症候群)は、自閉的な特徴を有してはいるものの、言語発達の遅れがなく、重大な認知の遅れ、適応上の障害が希薄であるとされています。つまり、言語発達の遅れがあるかないかが、自閉症スペクトラムとの診断上の違いということです。
 学習障害は他の能力は普通なのにもかかわらず、漢字の読み書きや算数など特定の科目に限って著しく能力が劣る場合を言います。
 注意欠陥多動性障害は、衝動性が高く脳の活動が不安定であり、耐性が低く、我慢が苦手なことが特徴ですが、ほぼ薬でコントロールできることが多いといっています。
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