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東大を目指すロボット №208

2014-01-08 16:40:50 | インポート
  1月7日付けの日経新聞に東大入学を目指しているロボットの記事が掲載されていました。このプロジェクトは、国立情報学研究所が中心となって、細分化された人工知能分野を再統合することで新たな地平を切り拓くことを目的に、2021年度に東京大学入試を突破することを目標に研究活動を進めているということです。
  思い起こせば、今から17年前、平成9年(1997年)5月、IBMのスーパーコンピューター「ディープブルー」が、当時チェスの世界王者だったゲイリー・カスパロフと対戦し、「コンピューターに負けることなどない」と豪語していた世界チャンピンを破り話題となりました。一昨年(2012年)1月には、東京・将棋会館(東京都渋谷区)で富士通研究所の伊藤英紀研究員が開発したコンピュータ将棋ソフトの「ボンクラーズ」が、当時日本将棋連盟会長だった米長邦雄永世棋聖と対局し、「ボンクラーズ」が113手で勝利しました。
  コンピュータによる翻訳の世界でも、膨大な対訳文を統計的に分析して規則性を見つけ出す、「機械学習」が突破口となり、NTTコミュニケーション科学基礎研究所の翻訳ソフトは「特許の出願など対訳データが豊富にある分野なら90%以上の精度で翻訳が可能になった。」ということです。これまで困難と思われていた通訳の機械化が実現する日が近づいています。
 現在のところ、国立情報学研究所が推進しているロボットの能力は「代ゼミ」のセンター模試で平均点以下ということです。それでも、私立大学の学部のほぼ半数で合格可能性80%以上のA判定が出るところまではきているということです。プロジェクトリーダーの新井紀子教授は、「もし、AI(人工知能)が東大に入学できる能力をもったら社会が変わる。文章を要約できるレベルになれば、ホワイトカラーで影響を受けない職種はない。」と言っています。
 製造業では無人工場というのがありますが、電話番以外の無人オフィスが出現する可能性もあるわけです。労働から解放され、余暇時間が増え、理想的なライフスタイルが築けるのであれば良いのですが、知的な労働までロボットに奪われ十分な賃金が得られなくなる大量失業時代になってしまう恐れもあります。
 コンピュータに仕事を奪われず使いこなすには、創造性に富み、コンピュータを操るプログラミング技術が不可欠となりますが、果たしてそうしたクリエイティブな業務に携われる人がどれだけいるのでしょうか。なかなか楽観的な気持にはなれません。