あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
ブログ界の「おか上彰」を目指し、サボりながらも頑張ります!

今回の選挙結果を考える(速報)

2005年09月11日 20時06分38秒 | 選挙全般
今回の選挙結果は,今のところ,自民党の単独過半数獲得(オーバー300)という歴史的大勝利となる見込みとなりました。一方,民主党は一気に70近くの議席を失うという歴史的大敗となる見込みです。
そこで,まず速報的に勝敗原因を考えてみましょう。

自民党の勝因
1 政策選挙と銘打ちながら,造反議員や刺客候補者など劇場型選挙としておもしろい選挙を展開したこと。
2 郵政民営化反対か賛成かという争点を設定し,それ以外の争点(自民党が触れてほしくない点)を話題にしなかったこと。
3 マスコミの力をうまく利用したこと(マスコミが故意か過失かはともかく1にまんまと乗ってしまったこと。)。
4 年金未納議員問題や飲酒議員問題などのスキャンダルを完全にもみ消したこと。
5 サラリーマン増税はやらないと主張したこと(消費税は増税するかどうかお茶を濁していること)。
6 (村部を中心に)自民党でなければ公共事業がこないという伝説が今でも根強く残っていること(農協民営化論が次に控えていると村部の人は夢にも思っていないこと。)。
7 やはりなんだかんだ言って最後は公明党の力によったこと

公明党の敗因
1 民族大移動が間に合わなかったこと

民主党の敗因
1 政策選挙ということで,郵政民営化以外の問題を争点として設定したが,自民党が相手にしなかったために,結局争点がみんなぼけてしまったこと。
2 郵政民営化について,態度が不明確であったこと。
3 マスコミの使い方を誤ったこと(岡田党首がまじめすぎたため,劇場型選挙報道に対抗して劇場型選挙報道を民主党でもやろうとしなかったこと)。
4 消費税増税を明言していたこと。
5 今の時代は労働組合より経営者の方が強かったと言うこと。
6 民主党政権になった場合にどうなるのか,その説明が今ひとつピンと来なかったこと(プレゼンミス)。これが最大の敗因。
7 女性票の取り込みに失敗した(劇場型選挙に負けた)

社民党の敗因
1 憲法9条,外交,防衛,福祉,教育はいずれも票に結びつかないということに気が付かなかったこと。
2 社民党の思想が共産党と何が違うのか,よく分からないこと。

共産党の敗因
1 社民党の1と同じ。
2 党名にこだわること(共産党アレルギーの人は世の中にまだまだ多い)。
3 福祉のことはいいことをいっているのだが,国造りや防衛などという点についてはあまりに現実とかけ離れたことをいっていること。
4 選挙の敗因を自分たちの施策ではなく,他の党の妨害などということを理由にして反省をしないこと。

新党の勝因,敗因
1 新党大地はやはり鈴木宗男氏は北海道の田中角栄氏のような扱いになっていること。
2 あとの新党は,かつて自分たちが作った選挙制度におぼれてしまったがために作った選挙活動のためだけの政党に過ぎず,結局中身がないこと。

個別選挙区については,今後の開票を踏まえてみていきたいと思います。
とりあえずこちらが書けましたのでクリックしてお読みください

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今回の選挙はいつもと違った

2005年09月11日 20時00分58秒 | 選挙全般
ライブドアブログに新たに付いた「予約機能」を使って,選挙終了時刻に同時にアップできるよう実験を兼ねてやってみたいと思います。

さて,今回の選挙運動は,これまでとは大きく異なる点がありました。個人的に感じた点は次のとおりです。

1 後援会組織と支援団体の力の低下
2 徹底した個人情報保護
3 衆議院議員選挙なのにどぶ板選挙
4 法の盲点をつく選挙


以下,簡単に説明します。
1 後援会組織と支援団体の力の低下
  これは2000年頃から顕在化し始めてきましたが,後援会が中心となって選挙運動を行うという形態から,ボランティアが主体となる選挙運動に変わってきています
  もちろん,ボランティアも後援会の一部ですが,ここでいう後援会とは,「地元の名士」といわれる人たちを押さえる「地盤固め」がされている組織をいいます
  当然,そのような後援会ががっちりしているがために当選している人の方がまだまだ多いですが,今回の選挙では,「地元の名士」が積極的な応援に回らなかったという選挙区も多かったようです。
  これは,郵政民営化の争点が大きく影響していることと,そもそも地元の名士という存在自体が減ってきているという点にあるといえるでしょう
  また,支援団体ですが,特定郵便局はもちろんのこと,土木業者や商工団体なども,自民党支援を全面的に押し出してきませんでした。やはり中小企業は依然として景気低迷のあおりを受けているため,自民党政権が続いても仕事が回ってこないという懸念が理由の一つになっていると考えられます
  一方で,この団体が民主党支援に回ったわけでもありません。
  結局,候補者は,組織の力よりも自分の人脈と人格で運動員を確保するしかなかったといえます。

2 徹底した個人情報保護
  従来は,浮動票対策として,「電話」と「選挙はがき」が二大アイテムとなりました。
  しかし,電話については,電話をかけるとナンバーディスプレイでそもそも電話に出ない人が増加していることに加え,個人情報保護の観点から電話に出ても「この電話番号どこから聞いた?」と聞かれて対応に苦慮するという選挙事務所が多かったようです
  また,選挙はがきについても,かつては後援会加入はがきには家族みんなの住所氏名を記載していたのですが,個人情報保護法の関係から,住所さえも記載しない事例が増えてきたこと,住民基本台帳を閲覧してその住所地に送付すると,法律上は除外されているが「個人情報を勝手に見た候補者」というレッテルを貼られて逆に票が減ってしまうという懸念等からはがきもあまり出せなかったようです。
  したがって,選挙運動自体も従来型を堅持してしまうと,どこかでほころびが出てしまったという状態らしいです。

3 衆議院議員選挙なのにどぶ板選挙
  「どぶ板選挙」とは,有権者1人1人と握手をしたり施策を訴えたりするなどする選挙手法をいい,主に地方自治体議員選挙で用いるものです。
  一方,通常国政選挙では,選挙区が広いことからどぶ板選挙は物理的に無理があること,資金力があることなどから「空中戦」と呼ばれる大がかりな選挙戦を使います。
  ところが,今回の選挙では,多くの陣営は,空中戦を使わず,あえてどぶ板選挙を採用しました。
  これは,建前としては今回は政策選挙であるという点を強調したかったという各党の思惑がありますが,本音としては時間不足による資金力と人力不足という点にあるでしょう
  いずれにしても,選挙事務所でふんぞりが選っていた候補者は今回はほとんどいなかったようです。

4 法の盲点をつく選挙
  公職選挙法の問題はこれまでに何度も言ってますので,ここでは触れません。しかし,これを逆手に取る候補者がいろいろといました(毎度のことですが。)。
  「買収」については,トンネル方式を採用するのは毎度のことですが(直接候補者から買収するのではなく,後援会の個人会計ということにして地元の有力者に渡し,その地元の有力者からさらに核になる人間に渡し,そこから個人に渡すという手法),なにしろ今回はお金がないことから,買収についても「地位確立型」の手法を取っている候補者がいるそうです。つまり,当選したら一定の地位を与えるとある人に約束し,その見返りとしてその人がお金を出して,何人か買収するというものです。当然,候補者も含めてみんな違法です。
  また,運動方法でも思考をこらしています。例えば,「独り言運動」。これは,運動員が徒党を組んで歩くのですが,その際に独り言のようにその候補者の施策や名前をいうというものです。法律では徒党を組んで演説することは禁止されているのですが,これはあくまでも独り言をみんなで言っているという設定なので,警察も悩ましいところでしょう(個人的にはダメだろうと思いますが。)。
  さらに,ネットが使用できない点を逆手に取り,公示直前まで画面の編集をして,その画面には自分の主張などが分かるようにしておき,その状態で更新を止めておくという手法を取る候補者もいました。もっとすごいのが,外国のサーバを利用してそっちを更新しようと企んだ人もいるみたいですが,これはさすがにアダルトサイトと同じ発想になってしまうと気が付いたのか,結局実行しなかったようです。
  いずれにしても,公職選挙法は,いつものことながらまたも抜け道を沢山造ってしまいました。

こんな状態の選挙でした。
一言でまとめますと,「昔からのやり方が通じない選挙になった」ということです。
こんな時代の波に対応できる候補者だったかどうかが,今回の選挙の当落を決めたのかもしれませんね。

なお,明日から警察は一斉に選挙違反の検挙に乗り出すそうです。この検挙を本当に厳しくやってほしいと思います。
果たしてどの候補者の事務所から逮捕者が出るのか,こうご期待です。

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投票に行ってきました

2005年09月11日 18時44分33秒 | 選挙全般
「投票所に小池栄子」ってどこかのCMのパクリではありませんが,選挙に行ってきました。
以降として玄関を出た瞬間に,突然雨が降ってきましたが,雨にも負けず,風にも負けず,投票所に到着。
そこでは,予想外に人が多く,記載台も埋まっている状態でした。

よかった,よかった。みんな選挙に来てるなあ

そんな感じもつかの間,プチ事件が発生しました。
最初に小選挙区を投票しますが,その次に一気に比例区と国民審査の投票用紙2枚が交付されました。
でもって,記載は間違えるはずがないのですが,投票の際に一瞬「あれ,どっちがどっちだ??」とパニクッてしまいました。
投票用紙と投票箱をよーく見れば違いが分かるため,少し冷静になってから2つを一気に投票しました。いやー,危うく投票箱を間違えて無効票にするところでした。
自称選挙通の私でさえも,一瞬取り違えを起こしそうになったほどですから,きっと実際に投票箱を間違えてしまった人って全国にも多いのでは,と思いました。ちなみに,箱を間違えるとその票は無効となります(開票所で入れ替えとかはしません。)。

それにしても,うちの投票所は,比例区と国民審査の箱が近すぎ。しかも,投票用紙の色が折角分かれているのだから,せめてふたの辺りにその投票用紙に合わせた表示プレートでも置いておけばよいのになあ,と思いました。

投票締め切りまで,あと1時間くらいあります。まだ投票に行ってない方は,是非とも投票に行きましょう

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一連のやらせ報道を考える(その2)

2005年09月11日 12時54分31秒 | メディア論
前回につづきます(前回の記事はこちらをクリックしますとジャンプします)。

2 やらせ報道と世論調査について
  選挙に関する世論調査の報道が連日続いています。
  中身については,ここではあえて触れませんが,前述のとおり報道の信頼自体がなくなってしまうと,この世論調査自体も信憑性はないということになります。
  そう考えたとき,やらせの多いマスコミの世論調査の信憑性にはいささか疑問を感じざるを得ません。

  また,世論調査の結果について注意してほしい点は,「いつ,誰を対象に,何を聞いたか」という点です。
  例えば,「月曜日の朝10時から夕方4時までに,全国の成人男女1000人の自宅に電話して,あなたの会社の社長への不満を聞いてみました」というテーマの世論調査があったと仮定します。
  どんな結果が出るでしょうか。ほぼ確実に「給料が安い」「残業が多い」「特にない」となるでしょう。一方で,「会社の今後の方針」「人事登用」「プロジェクトのあり方」などという回答は皆無になるでしょう。
  なぜでしょうか。理由は簡単です。平日の日中に自宅にいる会社員はいないからです。この調査だと,自宅にいる専業主婦が調査の大半を占めることになるため,回答結果はあなたの会社の社長の不満ではなく,だんなの会社自体への不満ということになってしまうわけです。
  しかし,会社の社長側からすると,この世論調査を見て,「まあ,社員の給料と残業さえ注意しておけば,あとは今までのワンマン経営でも大丈夫か」等という評価をしてしまいかねません。これで,果たして社員の意向を本当に反映した世論調査といえるかは説明するまでもありませんね

  この例では,多少誇張(演出ですよ!)した例で説明をしましたが,いずれにしてもこのように,各社の世論調査を読む場合は,結果以外の点も十分に注意をしましょう。
  更にいうと,マスコミ各社は自社に有利な調査結果を出す場合さえあります。例えば,前述の例で説明すると,調査対象を「全国の成人男女1000人」から「とある農村の成人男女100人」とした場合,会社員が少ないこと,仮にいたとしても誰が回答したのか特定されてしまいやすいことから,「とくにない」という結果になる可能性が高いです。そうなると,この世論調査から,社員は何の不満もなく仕事をしているという評価になってしまいます。
  また,質問内容を「会社の社長への不満」ではなく「会社の社長に満足か」と聞くと,おそらく,不満であるという数字は前者の聞き方より減るでしょう。このように同じことを聞くにしても,その視点をどこにおくかによって結果は大きく変わるものです。もちろん,これをもって直ちに「世論調査はやらせだ」という結論は乱暴すぎますが,少なくとも世論調査を多角的に分析していない報道機関があったとしたら,その世論調査はかなり信憑性に疑問を感じざるを得ません。

  以上を十分踏まえて,各報道機関の世論調査の結果を読んでみましょう。きっと新たな発見があるかもしれませんよ。

  今回の選挙については,世論調査を無視しろとまではいいませんが,少なくとも投票の際は,世論調査の結果は無視して,自分の信念のみに基づいて投票しましょう。

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TB先一覧
http://kurumachan.seesaa.net/article/22758155.html

一連のやらせ報道を考える(その1)

2005年09月11日 12時30分48秒 | メディア論
ここ数日,やらせ報道に関するニュースが続いています。朝日新聞の一連の虚偽記事事件,フジテレビ「目覚ましテレビ」の1コーナーでのやらせ,NHKニュースにおける梨ばらまき事件などがあげられます。各事件の内容については,既に多くのブログで書かれているため,ここでは割愛します。

ここでは,別の視点からこの問題について考えたいと思います。
1 やらせと演出の違いは何か
2 やらせ報道と世論調査について


1 やらせと演出の違いは何か
  この点は,よく様々な番組で議論となりました。大きな目安としては,「報道番組で事実と異なる報道をした場合はやらせ,バラエティ番組の場合は番組の仕込みも含めてすべて演出」となるといえます。
  もう少し丁寧に定義付けするならば,「やらせ」とは社会的な世論を作り上げる目的で,そもそも存在しない事実をあたかも存在するかのように報じること,またはある事実について誇張して報じることをいい,「演出」とは,社会的な世論形成に関係のない事項について存在しない事実を作り上げること,またはある事実についてそれをより分かりやすくする目的で大きく表現をすることといえるのではないでしょうか。
  例えば,過去の例として,「アフタヌーンショー」で中学生リンチ事件を報じたが,実はこれは完全にテレビ局が仕込んだ「やらせ」であるとして番組打ち切りとなりましたが,これは事実自体をねつ造したこと,この番組はバラエティ要素が強いものの,内容は社会への警鐘という報道的要素が強かったことから,報道番組に属していたことから「やらせ」に該当したといえます。
  一方,「電波少年」のヒッチハイク企画で実際は飛行機を使っていたという件については,この番組はもちろん,この企画自体に報道的要素はなく,完全なバラエティ番組であったということから,「やらせ」ではなく「演出」ということでけりが付きました。
  では,「報道っぽいバラエティ番組」はどうでしょうか。典型例は「探検隊もの」です。きれいなサソリが集団で襲ってきたり,巨石が突然転がりながら地面にぶつかるとまるで発泡スチロールのようにバウンドしたり,隊員が川に落ちる数秒前からその隊員をアップで撮影しているなどはらはらどきどきの場面が続くあのシリーズですが,あれを「やらせ」でけしからん,という人は多分いないでしょう。たしかに,番組の建前は,バラエティではなくノンフィクションのごとく作り上げているものの,あのシリーズは,見る人も「今日はどんな仕込みがあるか」という前提で見ているために,社会的な世論を作り上げるという存在ではないことから,「演出」ということになります(ちなみに,私はあのシリーズ,大好きです。今時,あんなに笑える番組はありませんから。)。

  ところで,今回の一連の件は,本当に「やらせ」なのでしょうか。
  まず,朝日新聞の件は,基本的にニュースとは社会的世論を形成するための事実であるため,問答無用で「やらせ」となります
  目覚ましテレビの件については,あの番組が報道かという点に若干問題があるものの,一応情報番組という観点からすれば報道といえるでしょう。また,問題の企画についても,社会的世論を作り上げるような内容とは言いがたいものの,企画全体を通してみると,内容によっては社会への問題提起や視聴者の賛否を問うようなものもあったため,やはり世論形成に必要だったといえるでしょう。したがって,「やらせ」です。
  NHKの梨畑報道はどうでしょうか。やはり,台風の被害の実態を伝えるという点からすれば,世論形成に欠かせない事実といえ,また梨をばらまくことにより被害の大きさを誇張したといえるため,これも「やらせ」になります。

  ただし,注意したいのは,報道での演出はありだといえることです。各社が問題としているテーマに関する報道については,事実を歪曲しない範囲でより分かりやすく視聴者,読者に伝えるという使命があります。そして,そのわかりやすさを追求するために,「演出」という技法は必要でしょう。

  まとめますが,少なくともここ最近のやらせ疑惑報道については,やはり事実の歪曲という要素が強いのかなあ,と思います。そして,やらせをやり続けると,やがては「報道への信頼」がなくなります。報道への信頼のない社会は,何も信用できないヤミ社会となってしまいかねません(この点は,私の過去の記事を参照してください)。

長くなりましたので,2については別の記事にします(こちらをクリックしますと2の記事にジャンプします。)。

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