あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
ブログ界の「おか上彰」を目指し、サボりながらも頑張ります!

群馬県知事選挙は現職敗北,参院選へはどう響く?

2007年07月22日 23時34分07秒 | 政治・選挙
5選を目指す現職と,それまで現職を推薦してきた自民党が一転して県議を公認候補として現職阻止を図ったところに加え,元首相秘書までも立候補するなどまさに「保守ウルトラ分裂」状態となった群馬県知事選挙は,新人で自民党公認の大沢氏が当選確実となり,現職の小寺氏が敗北することとなりました。
投票率は,53.4%で前回よりも16%アップするなど,県民の関心も高かったようです。

群馬知事に自民新人・大沢氏 4選現職を破り初当選(共同通信) - goo ニュース

参院選への影響は?

まず,群馬県の選挙ですが,大前提として群馬県は「保守王国」という点と,「自民の派閥がたくさんある」という事情があります。すなわち,基本的には自民党の土壌ではあるものの,各組織が支援している政治家が違うこと,その政治家どおしも微妙な位置にあることから,意外と一枚岩になれないという傾向にある県なのです。
また,民主党も旧社会党組と旧自民党組とは一枚岩になっておらず,過去の選挙においても「党内分裂」ということがしばしばありました。

今回の選挙でも,民主党は独自の候補者を擁立できず,推薦候補者もいないばかりか,小寺氏と山本氏の応援に分裂してしまい,「我こそ民主党の王道なり」という内部抗争にまで発展しかねない状態でした。
一方,自民党は,小寺氏がだんだん自民党の言うことを聞かなくなってきたこと(特に人事関係など)に業を煮やし,刺客を送る決断を下しました。しかし,支援団体は相当混乱し,結局最後まで「自分たちは誰を応援したらよいのか」で組織内でも意見がまとまりきらない組織も多かったようです。
その結果,僅差ではありますが,自民党公認の大沢氏が当選しました。この背景には,公明党の組織票が動いたという要素ももちろんありますが,おそらく浮動票たる無党派県民が,「現職の公共事業政策が無駄遣いである」と判断し,現職に「NO」という審判を下したものと推測されます。

いずれにしても,県議会は自民党が与党であるため,議会運営は容易にも思えますが,前述のとおり,自民党議員のすべてが大沢派ではないこと,そして何よりも,県民は「自民党支持」ではなく,あくまでも「大沢新知事に期待」という意味での一票であることを自覚し,組織のためではなく県民のための県政を全うしてほしいと思います。

ところで,この選挙結果が参院選にどのように影響するでしょうか。
群馬県は,今回から1人区となり,自民,民主,共産の3人が立候補しています。今回の知事選には,この3候補は表だっての動きはしていないものの,知事選では自民党公認候補が当選したという結果を踏まえると,知名度も含め自民党候補者が一歩リードしたようにも思えます。
とはいえ,今回の知事選は,結局僅差だったわけで,とすると「公明なくして当選なし」の構図であったといえます。すると,群馬選挙区に限らず,全国の選挙区では,「困ったときの公明頼み」が自民党の勝敗を大きく分けるといえるでしょう。
したがって,1人区では,公明党の基礎票と投票率とのバランス如何では,自民党圧勝ということも当然起こりえます。群馬選挙区の場合も,知事選より投票率が上がらない限り,民主,共産の両候補は苦戦を強いられるといえるでしょう。
ただし,群馬の場合,分裂の影響から組織内にしこりが残ったこと,激しい知事選で運動員が疲弊して参院選運動要因の地方議員が少ないこと,郵政組織が強い地域であることなどから,自民党公認候補者も油断はできません。キーマンは「国民新党」ですが,意外と組織が脆弱なのが玉に瑕です。
一方で,公明党の票が期待できない比例区や公明党候補者が出馬している選挙区では,自民党の苦戦が予想されるでしょう。それが,今回の群馬県知事選を通じて改めてはっきり分かったといえます。
あとは「投票率」,これがすべてのカギを握ります。投票率が低ければ,「公明頼み」が強い威力を発揮しますが,投票率が高くなりますと,「公明頼み」も力が小さくなります。はたして,この辺はどのように風が吹くのか,ここは有権者の関心度にもよるでしょう。
今回の群馬県知事選挙は,前回より大幅に投票率が上がりましたが,それでも50%台でした。仮に,これが70%台にまで上がれば,今回の選挙結果は大きく変わっていた可能性があり得ます。

やはり,月並みではありますが,「自分の一票が未来を大きく決める」という点は確かです。とにかく,選挙に行くこと,これが大切であるといえるでしょう。

以上,群馬県知事選の短評及び参院選への影響でした。

よろしければ1クリックお願いしますm(__)m人気blogランキングへ
ランキングジャパン

TB先一覧
http://imprezza-inada-1973.seesaa.net/article/48993044.html