私は,ここ数日のJR西日本に関する報道について,連日厳しい口調で意見をしています。本来ならば,ここでこの話は止めて新たな話題にしようと思ったのですが,やはりどうしても一言言いたい(というか,お願いをしたい)ことがあるため,しつこいのは承知の上で,あえて書きたいと思います。ただマスコミを叩くだけでは,マスコミがJR西日本にやってることと全く変わらないことにもなりますので。
ここ数日,私がマスコミに食いついているのは,前回も書きましたとおり,マスコミに対する期待があるからです。
戦後,言論の自由が憲法上保障され,報道の自由も認められることにより,数々のスキャンダルを暴き,時には内閣総辞職に追い込むなど,世論形成に大きな力を担ってきていました。
また,国民の知る権利(国家や大企業に対するものですよ,もちろん)を満たすために,取材活動の範囲や方法を研究し,今ではかなりの情報をマスコミが入手できるようになりました。
これは,1国民として深く感謝する次第です。
しかし,最近のマスコミ報道は明らかにおかしいです。国家や大企業(JR西日本も大企業ですが)に対して,核心に迫る情報の入手をしていません(政治ニュースは,最近は明らかに大本営発表状態です。各社でスクープがないのがその理由です。)。大物政治家に恫喝されるのが怖いのか,官房長官に突っ込む記者,首相にくってかかる記者,怖い与党議員やある知事にはっきり反論する記者がいません(外務省秘密漏洩事件以来,若干慎重になったという点は理解できますが。)。
これができなくて,報道の自由を語る資格はありません。
次に,取材や報道の矛先が弱い者に変わってきています。これは,以前私が書いた話と重複しますので割愛しますが,少なくとも世論形成には屁の役にも立たないゴシップ記事を平気で流すようになってきている点はいかがかな,と思います。
このように,矛先が弱いものに変わると,実は恐ろしいことがあります。それは,国家や大企業は報道をなめてかかります。つまり,国や大企業は安心してやりたい放題になります。すなわち,特別な法規制なくして実質的に報道を制圧したことになります。これは,完全に言論統制です。結果,十分の世論が形成されず,再び独裁政権が発足することも十分あり得るわけです。
言い方を変えると,国家や大企業は,報道の力が弱くなることを首を長くして待っていました。今,まさにその状態になっているわけです。
また,世論が形成されない報道を続けることにより,報道に対する信頼がなくなるという恐ろしさがあります。この点は,従来は競争原理により,各社対応していました。しかし,今全社がゴシップ記事化することにより,世論形成のための競争はなくなりつつあります。
すると,報道に魅力がなくなり,やがては報道相手にしなくなります。そして,新聞,雑誌,テレビのニュースは廃れるでしょう。
これに取って代わるのが,各社が恐れている「ネット」です。ネットニュースの参入を頑なに拒んでいますが,実は今の自分たちの報道姿勢により,ネットニュース参入への道をきれいに舗装しているに等しいと言えます。
既得権益を守るつもりが,結局,自分の首を絞めていると言っても過言ではないでしょう。
マスコミは,今自分たちが窮地に追いつめられていることを認識しているでしょうか。もし,認識しつつ今回の活動をしているのであれば,それは「報道の自殺」です。報道規制について語る資格はありませんし,そもそも報道の自由を語る資格もありません。
逆に,マスコミがそのことに気が付いていないのであれば,それは情報収集能力の欠如です。マスコミとしては重大な欠点をさらけ出していることになります。今,ネット上でこのようなマスコミ攻撃の記事がかなり多く見られるわけですから,その真偽はともかく,少なくとも自分たちに対する批判が起こっていると言うこと事態は認識できるはずです。もちろん,それをどう評価し,料理するかは各社の自由ですが。
長文になりましたので,全体をまとめますと,言いたいことは次の3点です。
1 今のままでは,結果的に報道の自由を自ら否定することになる。
2 今のままでは,近いうちに確実にネットニュースに取って代わられる。
3 国や大企業は,ますますやりたい放題になる。
マスコミ各社とも,本当にそろそろ目を覚ましませんか。
もう一度,世論を形成できるようなすばらしい報道をしてください。もちろん,そのためには取材のあり方ももう一度よく考えてください。
このままでは,言論の自由を勝ち取った先代の記者が泣きますよ。
しつこいですが,報道に対する期待が高い私としては,真のジャーナリズムの波が再び訪れることを願ってやみません。
よろしければ1クリックお願いしますm(__)m→人気blogランキングへ
ちなみに,JR西日本にいろいろと突っ込んでいますが,それとほぼ同じ内容でマスコミ各社につっこむとこうなります。
1 あなたの会社の今期の第一目標は何ですか→「売り上げ部数を増やす,または視聴率を上げる」→「稼ぐ」だね。
すると,あなたの会社は「真実の追究」や「正確な報道」よりも「稼ぐ」ことを優先している会社なのですね。
2 ネット上でこれだけ叩かれていることを全く公開していませんね→隠し通せると思ったのですか→ネット社会の人口も数千万人いることを知らないはずないでしょう→危機意識がないんじゃないですか。
3 記者の人が笑いながら献花台のところにいますね→モラルがないんじゃないのですか→記者への教育はどうなってるんですか。
4 ある新聞では,この事故をパロディにした川柳を発表していましたね→誰も止めた方が良いと言った人はいないのですか→デスクでだれか止めることを進言する人はいなかったのですか。
以上,全く同じつっこみが可能です。まあ,これはパロディということで(本気で書くと私も同じ穴の狢になってしまうので)。
ここ数日,私がマスコミに食いついているのは,前回も書きましたとおり,マスコミに対する期待があるからです。
戦後,言論の自由が憲法上保障され,報道の自由も認められることにより,数々のスキャンダルを暴き,時には内閣総辞職に追い込むなど,世論形成に大きな力を担ってきていました。
また,国民の知る権利(国家や大企業に対するものですよ,もちろん)を満たすために,取材活動の範囲や方法を研究し,今ではかなりの情報をマスコミが入手できるようになりました。
これは,1国民として深く感謝する次第です。
しかし,最近のマスコミ報道は明らかにおかしいです。国家や大企業(JR西日本も大企業ですが)に対して,核心に迫る情報の入手をしていません(政治ニュースは,最近は明らかに大本営発表状態です。各社でスクープがないのがその理由です。)。大物政治家に恫喝されるのが怖いのか,官房長官に突っ込む記者,首相にくってかかる記者,怖い与党議員やある知事にはっきり反論する記者がいません(外務省秘密漏洩事件以来,若干慎重になったという点は理解できますが。)。
これができなくて,報道の自由を語る資格はありません。
次に,取材や報道の矛先が弱い者に変わってきています。これは,以前私が書いた話と重複しますので割愛しますが,少なくとも世論形成には屁の役にも立たないゴシップ記事を平気で流すようになってきている点はいかがかな,と思います。
このように,矛先が弱いものに変わると,実は恐ろしいことがあります。それは,国家や大企業は報道をなめてかかります。つまり,国や大企業は安心してやりたい放題になります。すなわち,特別な法規制なくして実質的に報道を制圧したことになります。これは,完全に言論統制です。結果,十分の世論が形成されず,再び独裁政権が発足することも十分あり得るわけです。
言い方を変えると,国家や大企業は,報道の力が弱くなることを首を長くして待っていました。今,まさにその状態になっているわけです。
また,世論が形成されない報道を続けることにより,報道に対する信頼がなくなるという恐ろしさがあります。この点は,従来は競争原理により,各社対応していました。しかし,今全社がゴシップ記事化することにより,世論形成のための競争はなくなりつつあります。
すると,報道に魅力がなくなり,やがては報道相手にしなくなります。そして,新聞,雑誌,テレビのニュースは廃れるでしょう。
これに取って代わるのが,各社が恐れている「ネット」です。ネットニュースの参入を頑なに拒んでいますが,実は今の自分たちの報道姿勢により,ネットニュース参入への道をきれいに舗装しているに等しいと言えます。
既得権益を守るつもりが,結局,自分の首を絞めていると言っても過言ではないでしょう。
マスコミは,今自分たちが窮地に追いつめられていることを認識しているでしょうか。もし,認識しつつ今回の活動をしているのであれば,それは「報道の自殺」です。報道規制について語る資格はありませんし,そもそも報道の自由を語る資格もありません。
逆に,マスコミがそのことに気が付いていないのであれば,それは情報収集能力の欠如です。マスコミとしては重大な欠点をさらけ出していることになります。今,ネット上でこのようなマスコミ攻撃の記事がかなり多く見られるわけですから,その真偽はともかく,少なくとも自分たちに対する批判が起こっていると言うこと事態は認識できるはずです。もちろん,それをどう評価し,料理するかは各社の自由ですが。
長文になりましたので,全体をまとめますと,言いたいことは次の3点です。
1 今のままでは,結果的に報道の自由を自ら否定することになる。
2 今のままでは,近いうちに確実にネットニュースに取って代わられる。
3 国や大企業は,ますますやりたい放題になる。
マスコミ各社とも,本当にそろそろ目を覚ましませんか。
もう一度,世論を形成できるようなすばらしい報道をしてください。もちろん,そのためには取材のあり方ももう一度よく考えてください。
このままでは,言論の自由を勝ち取った先代の記者が泣きますよ。
しつこいですが,報道に対する期待が高い私としては,真のジャーナリズムの波が再び訪れることを願ってやみません。
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ちなみに,JR西日本にいろいろと突っ込んでいますが,それとほぼ同じ内容でマスコミ各社につっこむとこうなります。
1 あなたの会社の今期の第一目標は何ですか→「売り上げ部数を増やす,または視聴率を上げる」→「稼ぐ」だね。
すると,あなたの会社は「真実の追究」や「正確な報道」よりも「稼ぐ」ことを優先している会社なのですね。
2 ネット上でこれだけ叩かれていることを全く公開していませんね→隠し通せると思ったのですか→ネット社会の人口も数千万人いることを知らないはずないでしょう→危機意識がないんじゃないですか。
3 記者の人が笑いながら献花台のところにいますね→モラルがないんじゃないのですか→記者への教育はどうなってるんですか。
4 ある新聞では,この事故をパロディにした川柳を発表していましたね→誰も止めた方が良いと言った人はいないのですか→デスクでだれか止めることを進言する人はいなかったのですか。
以上,全く同じつっこみが可能です。まあ,これはパロディということで(本気で書くと私も同じ穴の狢になってしまうので)。
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