あれは,あれで良いのかなPART2

世の中の様々なニュースをばっさり斬ってみます。
ブログ界の「おか上彰」を目指し、サボりながらも頑張ります!

今回の選挙はいつもと違った

2005年09月11日 20時00分58秒 | 選挙全般
ライブドアブログに新たに付いた「予約機能」を使って,選挙終了時刻に同時にアップできるよう実験を兼ねてやってみたいと思います。

さて,今回の選挙運動は,これまでとは大きく異なる点がありました。個人的に感じた点は次のとおりです。

1 後援会組織と支援団体の力の低下
2 徹底した個人情報保護
3 衆議院議員選挙なのにどぶ板選挙
4 法の盲点をつく選挙


以下,簡単に説明します。
1 後援会組織と支援団体の力の低下
  これは2000年頃から顕在化し始めてきましたが,後援会が中心となって選挙運動を行うという形態から,ボランティアが主体となる選挙運動に変わってきています
  もちろん,ボランティアも後援会の一部ですが,ここでいう後援会とは,「地元の名士」といわれる人たちを押さえる「地盤固め」がされている組織をいいます
  当然,そのような後援会ががっちりしているがために当選している人の方がまだまだ多いですが,今回の選挙では,「地元の名士」が積極的な応援に回らなかったという選挙区も多かったようです。
  これは,郵政民営化の争点が大きく影響していることと,そもそも地元の名士という存在自体が減ってきているという点にあるといえるでしょう
  また,支援団体ですが,特定郵便局はもちろんのこと,土木業者や商工団体なども,自民党支援を全面的に押し出してきませんでした。やはり中小企業は依然として景気低迷のあおりを受けているため,自民党政権が続いても仕事が回ってこないという懸念が理由の一つになっていると考えられます
  一方で,この団体が民主党支援に回ったわけでもありません。
  結局,候補者は,組織の力よりも自分の人脈と人格で運動員を確保するしかなかったといえます。

2 徹底した個人情報保護
  従来は,浮動票対策として,「電話」と「選挙はがき」が二大アイテムとなりました。
  しかし,電話については,電話をかけるとナンバーディスプレイでそもそも電話に出ない人が増加していることに加え,個人情報保護の観点から電話に出ても「この電話番号どこから聞いた?」と聞かれて対応に苦慮するという選挙事務所が多かったようです
  また,選挙はがきについても,かつては後援会加入はがきには家族みんなの住所氏名を記載していたのですが,個人情報保護法の関係から,住所さえも記載しない事例が増えてきたこと,住民基本台帳を閲覧してその住所地に送付すると,法律上は除外されているが「個人情報を勝手に見た候補者」というレッテルを貼られて逆に票が減ってしまうという懸念等からはがきもあまり出せなかったようです。
  したがって,選挙運動自体も従来型を堅持してしまうと,どこかでほころびが出てしまったという状態らしいです。

3 衆議院議員選挙なのにどぶ板選挙
  「どぶ板選挙」とは,有権者1人1人と握手をしたり施策を訴えたりするなどする選挙手法をいい,主に地方自治体議員選挙で用いるものです。
  一方,通常国政選挙では,選挙区が広いことからどぶ板選挙は物理的に無理があること,資金力があることなどから「空中戦」と呼ばれる大がかりな選挙戦を使います。
  ところが,今回の選挙では,多くの陣営は,空中戦を使わず,あえてどぶ板選挙を採用しました。
  これは,建前としては今回は政策選挙であるという点を強調したかったという各党の思惑がありますが,本音としては時間不足による資金力と人力不足という点にあるでしょう
  いずれにしても,選挙事務所でふんぞりが選っていた候補者は今回はほとんどいなかったようです。

4 法の盲点をつく選挙
  公職選挙法の問題はこれまでに何度も言ってますので,ここでは触れません。しかし,これを逆手に取る候補者がいろいろといました(毎度のことですが。)。
  「買収」については,トンネル方式を採用するのは毎度のことですが(直接候補者から買収するのではなく,後援会の個人会計ということにして地元の有力者に渡し,その地元の有力者からさらに核になる人間に渡し,そこから個人に渡すという手法),なにしろ今回はお金がないことから,買収についても「地位確立型」の手法を取っている候補者がいるそうです。つまり,当選したら一定の地位を与えるとある人に約束し,その見返りとしてその人がお金を出して,何人か買収するというものです。当然,候補者も含めてみんな違法です。
  また,運動方法でも思考をこらしています。例えば,「独り言運動」。これは,運動員が徒党を組んで歩くのですが,その際に独り言のようにその候補者の施策や名前をいうというものです。法律では徒党を組んで演説することは禁止されているのですが,これはあくまでも独り言をみんなで言っているという設定なので,警察も悩ましいところでしょう(個人的にはダメだろうと思いますが。)。
  さらに,ネットが使用できない点を逆手に取り,公示直前まで画面の編集をして,その画面には自分の主張などが分かるようにしておき,その状態で更新を止めておくという手法を取る候補者もいました。もっとすごいのが,外国のサーバを利用してそっちを更新しようと企んだ人もいるみたいですが,これはさすがにアダルトサイトと同じ発想になってしまうと気が付いたのか,結局実行しなかったようです。
  いずれにしても,公職選挙法は,いつものことながらまたも抜け道を沢山造ってしまいました。

こんな状態の選挙でした。
一言でまとめますと,「昔からのやり方が通じない選挙になった」ということです。
こんな時代の波に対応できる候補者だったかどうかが,今回の選挙の当落を決めたのかもしれませんね。

なお,明日から警察は一斉に選挙違反の検挙に乗り出すそうです。この検挙を本当に厳しくやってほしいと思います。
果たしてどの候補者の事務所から逮捕者が出るのか,こうご期待です。

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投票に行ってきました

2005年09月11日 18時44分33秒 | 選挙全般
「投票所に小池栄子」ってどこかのCMのパクリではありませんが,選挙に行ってきました。
以降として玄関を出た瞬間に,突然雨が降ってきましたが,雨にも負けず,風にも負けず,投票所に到着。
そこでは,予想外に人が多く,記載台も埋まっている状態でした。

よかった,よかった。みんな選挙に来てるなあ

そんな感じもつかの間,プチ事件が発生しました。
最初に小選挙区を投票しますが,その次に一気に比例区と国民審査の投票用紙2枚が交付されました。
でもって,記載は間違えるはずがないのですが,投票の際に一瞬「あれ,どっちがどっちだ??」とパニクッてしまいました。
投票用紙と投票箱をよーく見れば違いが分かるため,少し冷静になってから2つを一気に投票しました。いやー,危うく投票箱を間違えて無効票にするところでした。
自称選挙通の私でさえも,一瞬取り違えを起こしそうになったほどですから,きっと実際に投票箱を間違えてしまった人って全国にも多いのでは,と思いました。ちなみに,箱を間違えるとその票は無効となります(開票所で入れ替えとかはしません。)。

それにしても,うちの投票所は,比例区と国民審査の箱が近すぎ。しかも,投票用紙の色が折角分かれているのだから,せめてふたの辺りにその投票用紙に合わせた表示プレートでも置いておけばよいのになあ,と思いました。

投票締め切りまで,あと1時間くらいあります。まだ投票に行ってない方は,是非とも投票に行きましょう

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一連のやらせ報道を考える(その2)

2005年09月11日 12時54分31秒 | メディア論
前回につづきます(前回の記事はこちらをクリックしますとジャンプします)。

2 やらせ報道と世論調査について
  選挙に関する世論調査の報道が連日続いています。
  中身については,ここではあえて触れませんが,前述のとおり報道の信頼自体がなくなってしまうと,この世論調査自体も信憑性はないということになります。
  そう考えたとき,やらせの多いマスコミの世論調査の信憑性にはいささか疑問を感じざるを得ません。

  また,世論調査の結果について注意してほしい点は,「いつ,誰を対象に,何を聞いたか」という点です。
  例えば,「月曜日の朝10時から夕方4時までに,全国の成人男女1000人の自宅に電話して,あなたの会社の社長への不満を聞いてみました」というテーマの世論調査があったと仮定します。
  どんな結果が出るでしょうか。ほぼ確実に「給料が安い」「残業が多い」「特にない」となるでしょう。一方で,「会社の今後の方針」「人事登用」「プロジェクトのあり方」などという回答は皆無になるでしょう。
  なぜでしょうか。理由は簡単です。平日の日中に自宅にいる会社員はいないからです。この調査だと,自宅にいる専業主婦が調査の大半を占めることになるため,回答結果はあなたの会社の社長の不満ではなく,だんなの会社自体への不満ということになってしまうわけです。
  しかし,会社の社長側からすると,この世論調査を見て,「まあ,社員の給料と残業さえ注意しておけば,あとは今までのワンマン経営でも大丈夫か」等という評価をしてしまいかねません。これで,果たして社員の意向を本当に反映した世論調査といえるかは説明するまでもありませんね

  この例では,多少誇張(演出ですよ!)した例で説明をしましたが,いずれにしてもこのように,各社の世論調査を読む場合は,結果以外の点も十分に注意をしましょう。
  更にいうと,マスコミ各社は自社に有利な調査結果を出す場合さえあります。例えば,前述の例で説明すると,調査対象を「全国の成人男女1000人」から「とある農村の成人男女100人」とした場合,会社員が少ないこと,仮にいたとしても誰が回答したのか特定されてしまいやすいことから,「とくにない」という結果になる可能性が高いです。そうなると,この世論調査から,社員は何の不満もなく仕事をしているという評価になってしまいます。
  また,質問内容を「会社の社長への不満」ではなく「会社の社長に満足か」と聞くと,おそらく,不満であるという数字は前者の聞き方より減るでしょう。このように同じことを聞くにしても,その視点をどこにおくかによって結果は大きく変わるものです。もちろん,これをもって直ちに「世論調査はやらせだ」という結論は乱暴すぎますが,少なくとも世論調査を多角的に分析していない報道機関があったとしたら,その世論調査はかなり信憑性に疑問を感じざるを得ません。

  以上を十分踏まえて,各報道機関の世論調査の結果を読んでみましょう。きっと新たな発見があるかもしれませんよ。

  今回の選挙については,世論調査を無視しろとまではいいませんが,少なくとも投票の際は,世論調査の結果は無視して,自分の信念のみに基づいて投票しましょう。

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TB先一覧
http://kurumachan.seesaa.net/article/22758155.html

一連のやらせ報道を考える(その1)

2005年09月11日 12時30分48秒 | メディア論
ここ数日,やらせ報道に関するニュースが続いています。朝日新聞の一連の虚偽記事事件,フジテレビ「目覚ましテレビ」の1コーナーでのやらせ,NHKニュースにおける梨ばらまき事件などがあげられます。各事件の内容については,既に多くのブログで書かれているため,ここでは割愛します。

ここでは,別の視点からこの問題について考えたいと思います。
1 やらせと演出の違いは何か
2 やらせ報道と世論調査について


1 やらせと演出の違いは何か
  この点は,よく様々な番組で議論となりました。大きな目安としては,「報道番組で事実と異なる報道をした場合はやらせ,バラエティ番組の場合は番組の仕込みも含めてすべて演出」となるといえます。
  もう少し丁寧に定義付けするならば,「やらせ」とは社会的な世論を作り上げる目的で,そもそも存在しない事実をあたかも存在するかのように報じること,またはある事実について誇張して報じることをいい,「演出」とは,社会的な世論形成に関係のない事項について存在しない事実を作り上げること,またはある事実についてそれをより分かりやすくする目的で大きく表現をすることといえるのではないでしょうか。
  例えば,過去の例として,「アフタヌーンショー」で中学生リンチ事件を報じたが,実はこれは完全にテレビ局が仕込んだ「やらせ」であるとして番組打ち切りとなりましたが,これは事実自体をねつ造したこと,この番組はバラエティ要素が強いものの,内容は社会への警鐘という報道的要素が強かったことから,報道番組に属していたことから「やらせ」に該当したといえます。
  一方,「電波少年」のヒッチハイク企画で実際は飛行機を使っていたという件については,この番組はもちろん,この企画自体に報道的要素はなく,完全なバラエティ番組であったということから,「やらせ」ではなく「演出」ということでけりが付きました。
  では,「報道っぽいバラエティ番組」はどうでしょうか。典型例は「探検隊もの」です。きれいなサソリが集団で襲ってきたり,巨石が突然転がりながら地面にぶつかるとまるで発泡スチロールのようにバウンドしたり,隊員が川に落ちる数秒前からその隊員をアップで撮影しているなどはらはらどきどきの場面が続くあのシリーズですが,あれを「やらせ」でけしからん,という人は多分いないでしょう。たしかに,番組の建前は,バラエティではなくノンフィクションのごとく作り上げているものの,あのシリーズは,見る人も「今日はどんな仕込みがあるか」という前提で見ているために,社会的な世論を作り上げるという存在ではないことから,「演出」ということになります(ちなみに,私はあのシリーズ,大好きです。今時,あんなに笑える番組はありませんから。)。

  ところで,今回の一連の件は,本当に「やらせ」なのでしょうか。
  まず,朝日新聞の件は,基本的にニュースとは社会的世論を形成するための事実であるため,問答無用で「やらせ」となります
  目覚ましテレビの件については,あの番組が報道かという点に若干問題があるものの,一応情報番組という観点からすれば報道といえるでしょう。また,問題の企画についても,社会的世論を作り上げるような内容とは言いがたいものの,企画全体を通してみると,内容によっては社会への問題提起や視聴者の賛否を問うようなものもあったため,やはり世論形成に必要だったといえるでしょう。したがって,「やらせ」です。
  NHKの梨畑報道はどうでしょうか。やはり,台風の被害の実態を伝えるという点からすれば,世論形成に欠かせない事実といえ,また梨をばらまくことにより被害の大きさを誇張したといえるため,これも「やらせ」になります。

  ただし,注意したいのは,報道での演出はありだといえることです。各社が問題としているテーマに関する報道については,事実を歪曲しない範囲でより分かりやすく視聴者,読者に伝えるという使命があります。そして,そのわかりやすさを追求するために,「演出」という技法は必要でしょう。

  まとめますが,少なくともここ最近のやらせ疑惑報道については,やはり事実の歪曲という要素が強いのかなあ,と思います。そして,やらせをやり続けると,やがては「報道への信頼」がなくなります。報道への信頼のない社会は,何も信用できないヤミ社会となってしまいかねません(この点は,私の過去の記事を参照してください)。

長くなりましたので,2については別の記事にします(こちらをクリックしますと2の記事にジャンプします。)。

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あなたは誰と酒を飲みたいですか?

2005年09月10日 12時35分31秒 | 徒然日記
今週は飲みに行く機会が多くて資力体力共につらかったです。翌朝はほぼ例外なく,「2度と酒なんて飲まないぞ!」と禁酒宣言をするのですが,数時間後にはその宣言をしたこと自体忘れてしまいます。
さて,アサヒビール株式会社が「一度でいいから飲んでみたい歴史上の人物は?」とのアンケートを行ったところ,次のとおりの結果となったそうです(ニュースソースはこちらアサヒビールの結果のサイトはこちら)。

  総合    男性の回答   女性の回答
1 坂本龍馬   1 坂本龍馬   1 坂本龍馬
2 織田信長   2 織田信長   2 織田信長
3 聖徳太子   3 聖徳太子   2 聖徳太子
4 徳川家康   4 徳川家康   4 クレオパトラ
5 クレオパトラ  5 豊臣秀吉   5 紫式部
6 豊臣秀吉   6 西郷隆盛   6 徳川家康
7 紫式部    7 明智光秀   7 マリー・アントワネット
8 西郷隆盛   8 ナポレオン  7 卑弥呼
9 小野小町   9 福沢諭吉   9 小野小町
10 卑弥呼   9 田中角栄   10 豊臣秀吉
          9 山本五十六
          9 卑弥呼

結果,男女問わず,上位3人は「龍馬,信長,聖徳太子」ということになりました。
なぜこの人を選んだのかの詳細は,前述のアサヒビールのサイトにありますので,そちらを参照してください。

ところで,私個人的には,やはり「信長」と飲みたいかなあ,と思いますね。今の世の中の問題点などのぶっちゃけトークが沢山聞けそうでわくわくしながら飲めるような気がします。
龍馬も飲んでみたいですが,坂本龍馬の場合,相当に熱い男と思うので,松岡修造さんと飲んでいるような気分になり(あ,もちろん一緒に飲んだことはありませんが),結構堅苦しい飲み会になっちゃうのかなあ,という気がします。
聖徳太子の場合は,やはり10対10の合コンでしょうか。10人の女性が同時に話しかけたときに本当に対応できるのか,見てみたいものです。
そのほかには,ここにランキングされていませんが,「源頼朝」と飲んでみたいですね。北条政子が本当に「鬼嫁」だったのか,聞いてみたいものです。意外と北条政子が北斗晶さんみたいだったりしたら,すごくおもしろ話になるかもしれませんね。

皆様は,誰と飲んでみたいですか。簡単な理由を添えてコメントいただけると幸いです。
以上,選挙前の息抜き記事でした。

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選挙データベースシリーズ・マニフェスト一覧

2005年09月10日 12時12分34秒 | 選挙全般
いよいよ明日が選挙です。
さて,今まで「マニフェスト」を読もうと主張してきましたが,実際のところ,まだ読んでいないひとやそもそも入手できていない人なども多いのではないでしょうか。
そこで,今回はこちらのサイトを紹介します。

価格コム

あの価格コムが,なんと主要5政党のマニフェストの比較を行っています。
内容については主要8項目に絞っていますので,非常に分かりやすくかつ一気に読むことができます。まだマニフェストを読んでいない人は,このサイトを見れば各党のいいたいことは理解できると思います。
ただし,それ以外を争点と考えている方にとっては若干物足りないかもしれません。
とはいえ,自由に意見の書き込みができるため,そのような意見を読むことで,更に自分の考えをまとめることができるのではないでしょうか。

ちなみに,明日の天気ですが,北海道を除いては,全般的に「雨」になるそうです。投票率が心配ですが,「雨にも負けず,風にも負けず,選挙にも負けず」に投票に行きましょう!

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増税問題と財政再建の検討の参考に

2005年09月09日 18時22分25秒 | 増税問題
いよいよ選挙まであと2日となりました。
各党ともラストスパートに必死ですね。
そこで、今回は、財政再建問題や増税問題を考える上で参考になると思われる日本の財政の現状について考えてみたいと思います。
今回参考にするのは、財務省で作成した「わが国の財政を家計にたとえたら」です。

17年度財政状況            1か月分の家計にたとえたら

税収+税外収入(A) 47兆8千億円  1世帯収入(C)  40万円
国債費(B)     18兆4千億円  ローン元利金(D) 15万円 
(A)-(B)    29兆4千億円  (C)-(D)     24万円
                    (注:端数調整により24万円となる) 
一般歳出       47兆3千億円  家計費       39万円
地方交付税等     16兆1千億円  田舎へ仕送り    13万円

公債金収入      34兆4千億円  借金        28万円

公債残高        約538兆円  ローン残高   5300万円


財務省のHPでは、特に解説がありませんでしたので、補足説明をしたいと思います。
まず、(A)がいわゆる歳入です。家計では、給料に該当します
そして、国債費とは国の借金返済費なので、家計ではローン元利金に該当します。
つまり、この家は、給料の3分の1近くをローンの返済に充当していることになります。

次に、一般歳出とは、読んで字のとおりですが、家計の総額になります。
地方交付税とは、地域間格差を是正するために地方に交付するものであり、三位一体等で議論の対象になっているものです。これは、田舎の両親への仕送りと考えるとよいということです(ちょっと趣旨は違いますが、イメージとしてはいいのかなあ、と思います。)。
そして、公債金とは借金のことです。建設国債と赤字国債とありますが、建設国債とは何かを作ったり買ったりりするためのものであり、赤字国債とはそのような裏づけがなく単に借りるものをいいます。家計では、借金とくくりますが、建設国債がローン払い、赤字国債がサラ金と考えるとよりイメージがわくのではないでしょうか。
そして、公債残高とは国の借金の現在の残高です。家計でいうローン残高に該当します。

さて、これを踏まえて日本の財政を見てみると、毎月の給料のうち、自由に使える金額が25万円しかないのに、毎月の支出は52万円になります。当然、生活を維持するためには、毎月28万円の借金をしなければなりません
ってことは、今後ローン残高は増えることこそあれ、減ることはありえないということになります。これは、普通の家では当然銀行はお金を貸してくれるはずもなく、完全に「破産宣告」されるでしょう。
つまり、財務省のHPから判断できることは、日本の財政は「破産」状態にあるということが読めることになります

では、これを少しでも再建するためにはどうすればよいか。これについて、各党がいろいろな主張や公約を発表しています。
ただ、確実にいえることは、「収入を増やすだけでは解決にならない」ということです。仮に収入だけで解決するとしたら、税収を今の約3倍程度増やさなければならないでしょう。
以上の現状を踏まえて、各党のマニフェストをもう一度読んでみましょう。きっと、財政再建に対する考え方がよりわかりやすくなるのではないでしょうか。

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選挙データベースシリーズ・いろいろなこと

2005年09月07日 23時42分27秒 | 選挙全般
あと数日で選挙です。新聞での世論調査発表後,なぜか報道が静かになりつつありますが(ロイター共同の外人記者も,「日本の選挙は,公示直前が一番賑やかで公示直後は静かになってしまう,実に不思議だ」と言ってました。),もうひと情報提供したいと思います。

マニフェスト占い

これは,アンケート形式にクリックしていくと,自分の考えに最も近い政党が表示されるというものです。タイトルは占いとあるものの,決していい加減ではなく,マニフェストの内容に基づいて作成されている優れものです。
ちなみに,私がやってみましたら,予想外の結果が出ました(一応内緒ということで)。

小選挙区当落予想一覧

オフィスマツナガブログにあるものです。これは,各新聞で発表した当落一覧を,競馬新聞のように編集したものです。注目の選挙区について各紙どのような調査結果が出たのか,一目で分かります。

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NHK,受信料未払いに対し法的措置に打って出る?

2005年09月07日 01時45分28秒 | メディア論
NHKが受信料未払い対策として,簡易裁判所の支払督促を用いた法的措置に出ることを検討しているようです(ニュースソースはこちら)。

そりゃあ,たぶん無理でしょう!

NHKの気持ちは分かります。でも,次の理由から,きっと法的措置は無理です。
1 費用倒れ(申立時)
  どのくらいの期間未払いの人を対象にするのか分かりませんが,まあせいぜい2,3万円程度の人が多いのではと推測します。
  それを前提にした場合,申立時の費用がおよそ2千円程度かかります。しかし,もしも支払督促に対して異議が出た場合,通常訴訟に移りますが,その場合,更に約7千円ほどかかります
  つまりトータルで1万円弱の申立費用がかかります
  100万人近く未払いの人がいるようですが,仮に全員に対してやるとなった場合,申立だけでも約100億円近くの費用がかかることになります。

2 費用倒れ(強制執行)
  仮に督促や判決で全面勝訴したとしても,それでも任意に支払わない場合,強制執行(差押え)が必要となります。
  金額的に不動産を押さえることはあり得ないため,債権執行という手段になります。
  これは,預貯金や給料を差し押さえることになります。
  この申立の費用が,約1万円程度かかります。また,押さえる対象を調査して特定する必要があります。つまり,約100万人について預貯金はどこにありそうか,またどこに勤務しているのかを調査する必要が出てきます。おそらく,この調査費用は安く見積もっても5万円くらいはかかるのではないでしょうか。
  とすると,強制執行をするためには約6万円近くかかることになります。100万人に対してすべて強制執行をするとした場合,600億円が必要となります
  そして,強制執行のための費用も差押えが成功すれば一応取り戻すことも可能ですが,すべてがすべてうまくいくとは限りません。その場合は,申立費用はパーです。
  100万人のすべての人がサラリーマンである,または分かりやすい銀行に預金口座があるとは限りません。
  おそらく半数近くは強制執行がうまくいかないのではないでしょうか。とすると,300億円近くをどぶに捨てることになります。

3 そもそも支払督促または判決になるか
  そもそも,NHKの申立が認められるのか,問題となります。
  おそらく,NHKの主張としては,放送法32条により支払義務がある,ということから請求することになるでしょう。
  ところが,放送法32条は次のように規定されています。

第32条  協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

  この条文は,契約義務を課しているが,契約したことをみなすものではありません。
  となると,まず不払いの理由として,契約を解除した場合や,そもそも契約をしていない場合,支払の根拠がなくなってしまいます。
  よって,この場合,裁判所はNHK請求を認めない可能性が高いです

  では,単に支払を止めているだけの場合はどうでしょうか。
  この場合は,契約の効力が争いとなりますが,32条の適法性が争いとなるでしょう
  そして,32条が適法か否かについては,学者の間でも議論がある部分であることからすると,支払督促に対して異議が出て通常訴訟になった場合,裁判所でも判決が分かれる可能性があります
  したがって,100万人に対して訴えを提起しても,勝訴率がどの程度なのか,正直分かりませんし,かなり低い勝訴率になるのではないかと推測されます。

以上の観点から,NHKの法的措置は絵に描いた餅ではないかなあ,と思います
むしろ,法的措置により感情的に支払いを辞めてしまったり,意地でも払わないと言う人が出てきて,結果的により減収になるのではないでしょうか。
そもそも,以前も書きましたが,強制的に取ろうという発想自体,間違っていると思います。本来は,みてもらってなんぼのはずです。
目先のことよりも,先のことをよーく考えて検討してほしいものです。

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   TB先一覧(途中から始めましたので,一部です)
http://plaza.rakuten.co.jp/machine10/diary/200602030000/
http://blog.livedoor.jp/qryuu/archives/50374722.html
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/579c284521b9405825c3264534280058

他人事ではない,カトリーナ

2005年09月05日 22時50分25秒 | 地震,雷,火事,親父
アメリカで発生したハリケーン「カトリーナ」は,ニューオーリンズを中心に想像を絶する損害を与えた模様です。犠牲者の方に対し,哀悼の意を表明したいと思います。
ところで,日本でも,決して他人事ではありません。
先日も,防災計画についていろいろと記事を書きましたが,やはり大規模災害に対しては,まだ対応が不完全ではないかと思われます。

特に,一番心配な点は,「治安維持」です。

ニューオーリンズでは,略奪や強奪などが相次ぎ,警察も治安維持を放棄し,軍が治安維持に当たっているそうです。
日本の場合,ニューオーリンズと事情が違うから大丈夫,と余裕をかましているコメンテーターがいましたが,首都圏で大災害が発生し,食料などが不足してくると,人間何をするか分かりません。
地域防災計画は,災害が発生したときの対応等については十分に記載されていますが(それでも問題点があるというのはこちらの記事のとおりです),防犯に関する記載は全くありません。おそらく,警察がどうにかしてくれる,という前提で考えているのだろうと思います。
しかし,大災害が発生した場合,警察もさまざまなことで手一杯になっています。
つまり,警察側としても防災計画を作成しておいて,いざというときに迅速に対応できるような体制を整えておく必要があるのではないでしょうか。

さらにいうと,誰が防災の担当で,誰が消防の担当で,誰が治安の担当で等という縦割り行政ではなく,すべてを把握できる横のつながりを確実にしておくことも重要な要素ではないでしょうか。
今回のアメリカのケースでも,様々な問題点が露呈してきました。これを決して他山の石とせず,自らの問題として十分に研究し,日本の災害対策に役立ててほしいものです。

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