おはようございます。
連載「イマジネーション・トレーニング法」の時間です。
よろしくお願い致します。
おおよそ、画面の構成の、具体的な要素としては、
「かたち」「色」、そして、「マチエール」
があると考えています。
このなかで、
「かたち」のテーマは、「パターン」などで、ずっと勉強してきて、
「マチエール」(質感、手応え)の話しもここのところ、ぽつぽつ、でてきていますが、
「色」の問題を、はっきり意識して、詳しく取り上げたことはなかったと思います。
それはむろん、「よくわからなかった」ということが大きな理由のひとつです。
また、もうひとつは、「あんまり考えなくても、なんとかなった」
というものがあると思います。
しかし、色についての「もやもや感」はつねにあり、
これはなんとかしたいなあとは、ずっと思っていて、
わたしなりの工夫をしてみて、それを「色構成」と呼ぶように、だんだんなってゆきました。
どういう「色関係の構造」がいいかです。
派手な、つまり、あまり考えていない「色構成」だと、
やはり、なにか、ひとつもの足りないような感じがつきまとい、
「これだ」、「これでいい」という感覚がなかったわけです。
では、どういう「色構成」「色構造」があるとよいかです。
〇
「色構成」においての基本的な工夫は、
「地味で自然な色使い」だと感じます。
ここのあたりに気がついたのは、
去年の暮れから、今年の新年あたりの稽古です。
「クリーム色」、「黄色」、「萌黄色」などの
お互いに、あまり邪魔しないような色の組み合わせに関心がゆき、
これが「色構成」の研究のとっかかりとなりました。
「おしゃれ」な画面つくりを邪魔しない、
そういう「色構成」を考えていました。
わたしは「自分の色」というものは「サップ・グリーン」(萌黄色)だと思っていて、
わたしの稽古には「なくてはならない色」だと思っていますが、
この「サップ・グリーン」は、わりあいと明るい感じで、
しかもほかの色を、あまり邪魔しない、また引き立てる、いわば「粋」な色だと思います。
むろん、「自己主張が激しくぶつかり合う」ような、そういうやりかたがあっても、
それはそれで、うまくゆくケースもあると思うのですが、
そして、「ここぞ」という場所で生きる、そういう「はっきりした個性の強い色」もありますが、
人間関係でも、よくわかると思うのですが、
「存在感」はむろん、あったほうがよくても、「協力するところでは協力する」という要素がないと、
「ひとつの社会構造全体」となってゆくのは、かなり難しいわけです。
色もおなじで、
ある色のとなりに、別の色があるということが、
あんまり突飛でめちゃくちゃだと、
お互いのよい特徴を壊してしまい、
画面全体として、「どうかな?」という感じになってしまうわけです。
だから、これは「色そのものの善し悪し」ではなく、
「色関係の善し悪し」です。
〇
こういうことで、
少しずつ、わたしの「色についての思索と研究」がはじまり、
具体的な稽古の場での、いろいろな試行錯誤や実験にはいりました。
それはいまでもつづいていて、葛藤がありますが、
やっていて、すぐに気がついたのは、
「絵の具の色数」です。
色鉛筆は当初、無印良品の「12色セット」を、すごくよく使っていて、
パステルは、いまでも、中学校の学校支給の、ぺんてるの12色セットです。
理由は簡単で「それだけしか、買う金がなかった」からです。
しかし色数といっても、
使える色と、効果がない、使いづらい色があるわけで、
画面の「色構成」を、拵えながら、
「ここで、あと一色、もうちょっと一段、地味な色がほしい」というときに、
「無印良品」の色鉛筆は「ちょうどよい」チョイスがあったりして、
すごく助かります。
そういう点で、「よく考えられた色鉛筆」だと感じています。
いまでは36色の「フェーバー・キャステル」などの高級色鉛筆を買う、
そういう経済的なゆとりができて、また、実際に買いもしたのですが、
色そのもののクオリティや質感はそれぞれ、すごくよくても、
すごくたくさんありすぎて、いまのところ全貌がよくつかめず、
つまり、わからない部分がおおすぎ、
これはずいぶん贅沢な話しだとは思いますが、
「色構成」の作業としては「でたとこ勝負」の観もあります。
また、「フェーバー・キャステル」にはない色が、どうしてもほしいこともあり、
そういうときは、無印の12色からいまでも、使っています。
そういうわけで、
「使える色が、きちんと揃っている、12色程度のセット」での訓練が、
「基本的な経験資産」として、すごく重要だなと感じます。
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そしていま、わたしは「パステル」を使うケースが、稽古の段取りのなかで、具体的にかなり増えてきて、
「もうちょっと色数の多い」
たとえばレンブラントなどの、高級パステルも、すごくよさそうだなと魅力を感じますが、
やはり、「シンプルで使い勝手のよい」
中学校以来の「ぺんてるパステルセット」の
「手堅い色構成」の捨てがたさも、
また、同時に感じていて、
正直どうしようか迷っているところです。
〇
後記、
いま、「ゴンドラ」さんという
日本のメーカーさんの製品に画材屋さんで出会い
どういうものか、試してみることにして、
到着を待っているところです。
〇
今回は「色構成の基本問題」をすこし、とりあげてみました。
見てくださって、ありがとうございました。
また次回の原稿で、お会いしましょう。
ご機嫌よう。
(つづく)
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