みなさん、おはようございます。
連載「イマジネーション・トレーニング法」の時間です。
よろしくお願いいたします。
劈頭にあげた作品は「ひらかれたかたち」という「シリーズ」に属しています。
わたしは、稽古を予期したり、あらかじめ計画するのは苦手な方で、
まるっきりの「出たとこ勝負」で、
とくに「こう作ろう」と思って画いたものではないのですが、
ここのところ、ちらほら、作品ができる系列です。
そういう「系列」が、制作にできることはよくあり、
なにか意味があるのかもしれません。
わたしは、ずっと「かた稽古」ということをしているのですが、
できる作品には、
「エスキース」といって、未熟な段階の稽古もかなりあり、
また、「ひらかれたかたち」のように、
ある程度、公開してもよいと判断できる作品もあります。
つねに「実験」することはすごく大切で、
研究して、「自分を試みる」ことが、
成長の大きな「秘訣」だなあと感じています。
「これはひどい」という画面ができるのはよくあることで、
それを嫌がっていたらまったく稽古になりません。
さすがにこういう場には出しませんが、
「ひどい稽古」にも、「稽古としての意味」があることが多いと感じています。
だいたい、「かた稽古」では、一日、2〜3枚、画くような「ペース配分」にしていますが、
はじめの一作目から、評価できるものができることは、かなり少なく、
だんだん「稽古の興」が、乗ってゆくような感じで、
これはスポーツの練習などと似ているのかもしれません。
理想をいえば、一日の「かた稽古」のなかで、
その一日なりの「成長」があれば、
それは、無意味な稽古ではないと感じます。
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これが積み重なってゆくと、
「これはかなり成長したな」
といえるだけの大きな傾向がはっきり出るもので、
わたしは自分の「クロッキー帳」を、眺めて回想するのが、割合と好きな方ですが、
そういう「成長の過程、足あと」のようなものを確認できると、
頑張る勇気も沸いてきます。
どうやら、わたしは、3月から6月にかけて、
おおきな進歩がみられたようで、
思いあたることは特にありませんが、
なにか、個人的な理由があるのかもしれません。
単純にこつこつ稽古していただけです。
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そういえば思いだしましたが、
「紙」のバラエティを揃えることが、
かなり大切で、
クロッキーも、二冊ほど、使いわけていて、
また、水彩和紙や、スケッチブックなども、
それぞれ、使いわけています。
紙にはいろいろの「質」があり、
それぞれの「手応え」が違います。
存在感の違いです。
思いついたら、さっと紙を出せるように、
紙の準備はきちんとやるようにしています。
〇
一日の稽古で、
最初は、水彩和紙、つぎはクリーム色のクロッキー
あるいは、白いクロッキー、
そして、スケッチブック
などと、
だんだん、自分のペースを整えるような、「紙遣い」をしていて、
これも、「かた稽古」における重要な工夫となっています。
〇
「かた稽古」では、
能楽でいう、「序破急」ということがすごく大切で、
これは、ジャズ音楽のインプロビゼーションもよく似ていて、
要するに、「即興」をする訓練でもあります。
〇
さて、今回は「試みること」と「成長すること」という切り口から、
稽古、おもに「かた稽古」のことを書いてみました。
さほど役にたつ内容ではないのかもしれませんが、
楽しんでいただけていたらいいと願います。
読んでくださり、ほんとうにありがとうございました。
また次回お会いしましょう。
(つづく)
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