27日、28日、29日、あと3日、3日で、お水の世界ともおさらばだ!
去年の12月27日(水)6時にお客さまYさんと食事の約束、お風呂に入って支度にかかろうとしたとき、チーフから電話が入る。
「ママ、泥棒が入りました。荒らされています。ビル、警察に電話しました。直ぐ来て下さい」「エエ、エー」どうして、あと3日で終わろうとしているときに何と泥棒が入る?
新地の中では、時々、聞きます。私の店も入ろうと鍵を壊し掛けて壊せず未遂となったことがあります。でも、何で今。私は着物類をバックに詰め車で走りました。
何も取られる物はない、でも、何もないからと言って椅子やテーブルを壊されて営業できなかったら・・・急ぎました。警察の人が何人も来て調べています。
どこから入ったのかと思ったらカウンターの後ろ、硝子窓になっているのですが、外に出入りできるところがあります。それを割られていました。
「刑事さん、隣のビルから飛び降りたんだわ。私、火事になって外に出られないとき、隣のビルに移ってお客さま方を避難させられると何時も思っていたから」
「うん、そうや、一緒に見に行こう」
隣のビルに行くと、うちの店から飛び上がるのはしんどいかもしれないが、飛び降りるのは簡単、私でも降りられる。何で、誰も気づかなかったんだろう。
「何か取られた物はあるか?」
見渡しても取られた物はないようだ。テーブルも椅子も壁も無事だ。
「チョコポッキーの箱がころがっている。食べたのかな?そのくらいですね」
営業できる、ほっとしました。
同じフロアー突き当たりの店は鍵を壊され、ドアーが傾いています。
「きっと、私の店の上、6Fもやられているわ、刑事さん」
だって、隣のビルから6Fも渡れるから。
「いや、こちらから、行けないんや、申告があって動けるが」
お宅に泥棒がはいりましたよと、警察は言いに行けないのか?
昔は高級ブランデーやワインを取ると聞いたけれど、今では泥棒に入っても取る物ないんですけれどなあ。
「私、美容院に行かないといけないので、もう、帰ってくれます」
「ああ、そうやな、これからも気を付けてや、そうか、やめるのか、最後に災難やったな」ホンマに災難でした。あと3日だったのに。最後の最後まで油断したらあかんと教えられたような気がしました。
指紋もいっぱい採られました。
「これから何かあったら直ぐ、ばれるじゃないの?」
最後は冗談も出て、ふと安心してトイレで顔を見ると眉毛が半分しかないままの素顔で、カーデガンを着てきたのは良いが肩パットが・・慌てて、裏返しで着ていたんです、それも気付かないくらい動揺したんですね。
美容院に行き念入りに化粧をし、着物に着替えて6時、
新鮮な造りや焼き物、お酒を頂きながら「美味でございます、オホホホ」
何事もなかったかのように、化けておいしく頂きましたです。
「いらっしゃいませ、ようこそ」その日も忙しくさせて頂きました。
泥棒もあと、3日で閉店すること知らなかったのね。そら、知らんわね。
1年前の衝撃の告白です。
何でもっと早く言わなかったの?ですって?
新地の女は口が堅い???1年経ったからもう良いかなと思って・・