座席と座席の間に栓抜きがある・・・「へエー」みんな、ビックリしていた。
この旅行・・と言うより、各旅行社が企画するツアーは定年退職者や仕事をリタイアした人たちを対象にしている。だから、今度の旅行の平均年齢は60才くらいだろうか?そしたら一度や二度、SLに乗っているのではないか?じゃ、栓抜きのあるのを知っている人がいても良いのでは・・・とリリオーは思った。
でも、無理だなとも思った。ビールを飲む年代にはSLは走っていなかったのか。みんなSLに乗ったのは、まだ子供だったんだな。
リリオーも一度だけ乗ったことがある。父親が早く亡くなり広島の墓にお骨収めに行ったとき。シュッポッポシュッポッポ、珍しく窓の外ばかり見ていた。「さあ、トンネルにはいるから窓を閉めて」と言われ閉めるのが遅かったら煙がパァッと入ってきてむせた事覚えている。駅弁を食べて嬉しかった。その内、母がいなくなり姉に「どうしたん?」と聞くと「お腹が痛くなって1等車に行った」と言う。「何でやのん、こんな痛い堅い椅子いややん、リリオーもええ席に行きたい」と駄々こねたという。
子供が残した駅弁や桃を食べ過ぎお腹をこわして車掌さんから薬をもらい良い席で寝た。(もったいない、もったいない、残したらあかんと言う時代だから)それをお母ちゃんだけええ席でと怒ったリリオー。それだけ3等車は悪い席だったんだ。その3等車を懐かしんで乗るなんて・・・面白いね。
30分乗っていて大昔を思い出した。
又、不景気、不景気と言うのに、こういうツアーは満員だ。満足に年金を貰っている人たちばかりかな?それともやけくそかな?
出発の朝の集合場所は、次々と入ってくるバスや集まってくる人たちの多さに驚くばかり。ここだけは不景気知らずかなと思う?でもやはり不景気なのかな?景気が良ければ海外や個人旅行をするかな?ややこしいね、あまり深く考えないでおこう。リリオーは勝手に運んでくれて連れて行ってくれるこういうツアーが好きなんだから。