ドラマ“コンシェルジュ”
お台場の高級ホテルのコンシェルジュを勤める女性のドタバタと、周囲の出来事を描くストーリー。よくある成長物語。
もともと高級ホテルの架空な世界のサービスは好まないが、それでもそこに泊まるなら私もそれなりな自己を演出する。
ハイヒールを履いて、背筋伸ばして、いつもよりお洒落して、セレブを気取って…。
だとしたら、この主人公のがさつな行動と、何よりしょっちゅう走っているのはいただけない。職場と職種にそぐわない。
まあ、その話は置いておこう。
大したドラマではないのだけど、今回の主役は客室係の高垣。
もといたホテルではフロント勤務で、盗難疑惑をかけられて辞めざるを得なくなる。
現在の職場、フォルモントでは、フロントでなく人と顔を合わせない客室係を希望する。
そこに、もと職場の上司である浅田が謝罪にやって来る。盗難は置き引きの仕業だったのだ。
すっかり笑わなくなったもと部下を見て驚く浅田。
でも、実際の高垣の心は違っていた。
(以下引用)
高垣 “浅田チーフ言いましたよね?また前みたいに笑って!って…”
浅田 “ええ…”
高垣 “それは無理なんです。
笑えなくなって可哀想と思われてるみたいですが、それは違うんです。
私はもともと、大きな口を開けて笑ったり、泣いたりすることが苦手なんです。
周りの人と同じじゃないといけないと思っていたから、頑張って合わせていただけで、私にとっては、笑ったり、泣いたりしなきゃいけない方が苦痛なんです。
自分に正直にいたいですから…。”
(中略)
高垣 “いつも笑顔で明るく振る舞っていたのは、お客様にもスタッフの皆にも好かれたいからでした。
なのに嫌われてたなんて…。“
浅田 “ごめんなさい…”
高垣 “でも……、
私には死ぬ勇気がありませんでした。
どうせ生きなければいけないなら、もっと楽に生きる方法を考えようと思って、一番辛いと思っていたことをやめようと思いました。
無理して笑うこと、空気をよむこと、人から好かれようとすること…。
そしたらすごく楽になりました。”
(中略)
高垣 “今の客室係の仕事は、私に向いていると思います。
それから…
フォルモントも、私に向いているようです。
だから…
私は今、結構幸せなんだと思います。”
(引用終わり)
感情が表に出やすい人、出ない人、出さない人、それぞれ自由であるべきだ。
キャラクターの強要は苦でしかない。
だけれど、自分の生きる(活きる)場所は自分が選ぶべきであり、責任だ。