人形と動物の文学論

人形表象による内面表現を切り口に、新しい文学論の構築を目指す。研究と日常、わんことの生活、そしてブックレビュー。

わんこ集合写真・ゲデバニシビリ選手世界選手権(2015)

2015-03-28 14:34:44 | 犬・猫関連
ずいぶん暖かくなりました。
最近保護した里親探し中の母犬(→現在、里親探し中のわんこが5匹います(泣))を散歩に連れていっていたところ、夢ちゃんが散歩に行きたがったので一緒に連れていっています。
前に散歩練習をしていたときはかろうじてなんとか歩く…と言う感じだったのですが、今ではすっかり散歩大好きになったみたいです。新しく来た子犬にも散歩練習させてる(ほとんど歩かない)ので、微妙にしんどいです。

昨日わんこを庭出ししてたときに、いい感じに階段で並んでたので、写真撮りました。
全匹ではありませんが…


上から、シロリン(左)、さちちゃん(右)、メガちゃん、モコちゃん


上から、シロリン(左)、さちちゃん(右)、ごんちゃん、メガちゃん


シロリン(左)、モコちゃん(右)


空ちゃん(上)、夢ちゃん(下)

さちちゃん、夢ちゃん、空ちゃん、モコちゃん、あと、写ってないけどウメちゃんは里親募集中です。

空ちゃん→ペットのおうちいつでも里親さがし


もこちゃん(左)→里親さん見つかりました
うめちゃん(右)→ペットのおうちいつでも里親さがし


夢ちゃん→6月からいったん募集を終了しています。


さちちゃん(左)→6月からいったん募集を終了しています。

   *    *    *    *
現在開幕中のフィギュアスケート世界選手権に、私の大好きなグルジアのエレーネ・ゲデバニシビリ選手が出場しています。
ユーロでは絶不調だったためか、ショート、フリーともにプログラムを変更。
ショートプログラムは、「パパ、見守ってください」、ボーカル入り。3Lz-3T(回転不足、アンダーローテ)、3S、2A。
ショート(→動画、プロトコルはこちらから)では3Lz-3Tで転倒してしまったのですが、他のジャンプは全部きれいに決めましたし、3Lz-3Tをプログラムに入れてくるくらいなのでジャンプの調子は悪くないのだと思っていたのですが…
フリーは「カルメン」。(プロトコルはこちらから)
3Lz、3Fe、2A、StSq3、2Lz+2T、3S<、3T<+2T、2A+1Lo+2S<、LSpB、ChSq1、FSSp3、CCoSp3p3
フリーでは最初のジャンプで着氷が乱れたときに足を、3つ目のジャンプで転倒したときに肩でも痛めたのか、ジャンプがボロボロで、順位を下げてしまいました。
いつもは加点貰ってるコレオシークエンスで微妙に減点されてたり、レイバックスピンがレベル1ですらなくベーシックになってしまっているので、だいぶん肩が痛かったのでしょう。レイバックスピン、むかしは得意だったのに、ビールマンポジションを取れなくなってから(故障か何か?)レベル取りあぐねてるんですよね。
全体的に軸が傾いている感じはしましたが、もう何シーズンも入れていなかった3Fをプログラムに組み込んでいたので、直前までそこまで調子が悪かったわけではないと思うのですが…うぅむ。
(3Fを入れているということはセカンド3Tを入れる予定だったのかも。冒頭の3Lz→3Lz-3Tか、3番目の2A→2A-3Tにして、後半の2Lz-2Tは3Lz-2Tのミスだと思うけど、前半の3Lzの着氷が大きく乱れて連続ジャンプにできなかったから後半で連続にしたのであって、もともと単独3Lzの予定だったかも)
すごく痛そうで、見るだに胸が痛くなるので動画リンクは貼りませんが、カルメン、よく似合った素敵なプログラムだと思います。
どこか痛めているようなら、早く良くなって、来シーズンも元気に演技する姿を見たいです。

人形関連書籍紹介:ゴーレム関連

2015-03-24 11:04:09 | 人形論(研究の話)
今日は久々に研究関連のネタを。

1年ほど前のことになりますが、長らく入手困難だったグスタフ・マイリンク、今村孝訳『ゴーレム』(以下、『ゴーレム』とする)が白水Uブックスで出版されました(→白水社、書籍詳細)。
『ゴーレム』に関しては、私もブログ記事で触れたことがあります(→空間表象と小説の扉)。
ゴーレムとはユダヤの伝説にある土でできた人様の生き物で、現代の幻想小説では人形や人造人間などとも関連の深い形象です。
『ゴーレム』のなかでもゴーレム伝説は(当然)重要なモチーフなのですが、実はここで登場するゴーレムはあんまりゴーレムっぽくない。ルドルフ二世のゴーレム伝説が引用されもするのですが、『ゴーレム』のなかで実際に主人公が対峙するのは、むしろ分身に近いものです(ほんらいユダヤの伝説におけるゴーレムは、土くれに近いもののようですが)。それゆえにこそ、人形や記憶、内面と結びつくと言える。
なかなかシンプルにあらすじをまとめるのは難しい小説なのですが、語り手である「ぼく」が帽子を間違えられたことによって、その帽子の持ち主の人生を夢に見る、という構造の枠物語です。その夢のなかでは、「アタナージウス・ペルナート」という宝石細工師が、とある書物の修理を頼まれたことから事件に巻き込まれます。
「ぼく」が見る夢のかたちで枠どられる物語において、夢の始まりと終わりを象徴する「脂肪に見えていた石のイメージ」(8頁)、「記憶」を象徴する「小石」を拾い集め、あるいは遠くへと放り投げようとする行為、見られた夢のなかで主人公が「宝石細工師」、すなわち石に文字や記憶を刻み込み、浮かび上がらせる職業であること、間違えられた帽子に刺繍された金色の名前などは、夢や空間を用いて意識の内部と外部が反転する構造を支えます。

ユダヤの伝説から現代の幻想小説や映像文化におけるゴーレムまで概観したものに、
・金森修『ゴーレムの生命論』(平凡社新書、2010年)、
・大場昌子、佐川和茂、坂野明子、伊達雅彦『ゴーレムの表象 ユダヤ文学・アニメ・映像』(南雲堂、2013年)
がありますが、『ゴーレムの生命論』のなかでも、『ゴーレム』は「全体としては興味深い作品」だが、「ゴーレム伝説の〈伝説素〉の豊穣化にとって、濃縮的というよりはむしろ希釈的に働く文献」であるから「二次的な言及」に留める、という扱いになっています。

『ゴーレムの生命論』は、伝説上のゴーレムからロボットや自動人形との関わり、近現代における形象までをたどりながら、現代の生命倫理と結びつけます。
第一部では主にユダヤ教のタルムードや伝説を集めた書物を扱い、古代から近代まで、ドイツロマン派、フランケンシュタインなどの影響による変容をたどります。第一章ではゴーレム伝説を歴史的に概観し基本的な要素、〈言語欠如性〉、「土」という材料、「未定形の〈魂〉」としての「胎児」のイメージ、「護符」などを抽出します。第二章では20世紀初頭に書かれた『ニフラオート・マハラル』という書物を扱い、「不死身の用心棒」ではなく「少し大柄で力が強いだけの普通の男」のようなゴーレム像を指摘します。
第二部では『フランケンシュタイン』、『砂男』、『ロボット』などにおける、怪物や自動人形、ロボットの形象を考察し、ゴーレムと共通する〈人間圏の境界〉〈劣等人間〉という要素に焦点を当てます。
第三部では現代の作品や人工細胞の開発を例にとり、生命倫理とも関連づけます。現代におけるゴーレムの形象を、〈人間圏の境界〉にあることによって、他者をゴーレムとして境界線を引き、あるいは自己をゴーレムとして見るようなドッペルゲンガー的なものとして位置づけ、最終的には「〈命〉に対する問いかけ」に向かわせるものとして結論づけます。

『ゴーレムの形象』は、何人かの著者によって書かれた本で、編著者たちが行ってきた「ユダヤ系作家の読書会」が企画のもとになっているようです。したがってユダヤ系作家の作品が考察の中心になっていますが、アメリカのスーパーヒーローや日本のアニメ、現代のTVドラマなどにおけるゴーレムも扱っています。後半、あまりにも多様なゴーレム像を扱ったために羅列的になっている部分があり、少し残念に感じました。
個人的には、女性形象としてのゴーレム像(大場昌子「ユダヤ系女性作家の伝説書き換え」)や、性欲を持つゴーレム像(金森修「愛するゴーレム」)が気になりました。
ただ、ゴーレムの場合は性欲あるいは愛がないなどの要素を反転してゆく場合も、誰かに対して愛情を抱くようなふつうの恋愛物語になってしまうパターンが多いみたいで、人形の場合とはまた違うなあ…と。

私も『ゴーレム』はかなり好きな小説なのですが、『ゴーレム』あるいはゴーレム伝説がどの程度私の研究テーマである人形とかかわりがあるのかというと、微妙なところです。
性欲も生殖能力もない点は人形にも共通するイメージですが、ゴーレムには圧倒的に男性のイメージがあること、また人形のような性的な客体ではないこと、美的イメージはないことが大きな違いといえます。
ひとつ、(女性や人形を)客体として見ると言った場合に、オブジェ的なもの、機械や物質の側に寄せて把握する場合と、知的な認識(主体)と対照的なものとして自然を見る、という二つのパターンがあると思うのですが、ゴーレムはどちらかと言うと自然の側に振れる形象かもしれません。

   *   *   *   *   *   *   *
おまけ:現在里親募集中のわんこ達

空ちゃん→ペットのおうちいつでも里親さがし

もこちゃん(左)→里親さん見つかりました
うめちゃん(右)→ペットのおうちいつでも里親さがし

夢ちゃん→6月からいったん募集を終了しています。

さちちゃん(左)→6月からいったん募集を終了しています。

今日は夢ちゃんさちちゃんの抜糸(避妊手術)でした。
夢ちゃんは車のなかでゲロゲロするし、さちちゃんは座席の下に入り込んで引っかかって出られなくなるし(座席を取り外せるということが分かり、どうにか引っ張り出した)でたいへんでした。

現在、里親募集中のわんこが5匹います(泣)。

2015-03-20 11:58:56 | 犬・猫関連
ハルちゃんのことはほんとに悲しい結果になってしまったのですが、
ハルちゃんの逃亡とその後の経過
ハルちゃんは帰ってきませんでした。
ひと月の間探し回っていたために、全然関係のない別の犬を保護する羽目に陥ってしまいました。
香川県はノラちゃんが多いということを再認識。

白い犬がいる、ということで見に行ったところ、空き家でノラちゃんが子犬を生んでいたのですが、白くない、茶色(赤茶)の犬でした。
母犬は避妊手術しないといけないし、子犬も保護して里親探ししないとどんどん殖えてしまうので、保護する羽目に。
母犬の避妊手術後抜糸までは近所で餌やりしていた方の一人が預かってくださったのですが、それ以上は置けないとのこと。
誰にでもなつく甘えたれの子だったので、野良に戻すのもなあ…と結局うちで預かっています。甘えたれすぎて却ってしんどいくらいの子です。
先日譲渡会に連れていってみたのですが、子犬は怖がって固まっているのに母犬は余裕で、子供2、3人に撫でられても平気。



母犬→ペットのおうちいつでも里親さがし

ふわもこの子犬→里親さん見つかりました
しょうゆ顔の子犬→ペットのおうちいつでも里親さがし

母犬はまだ若いらしく、ちょっと幼稚いところがあって、遊び方が激しすぎるのでうちの子がよく止めに入ってます。
夢ちゃんさちちゃんとは同じくらいだという意識があるらしく、特にさちちゃんのほうが気が強いので、ちょっと気に食わないらしい。先日ちょっとしたことがきっかけでさちちゃんをやっつけてしまい、さちちゃんの耳のつけ根あたりから流血しました。たぶん、血が出やすい場所だったのもあるのでしょうけれど、なかなか血が止まらなかったので心配しました。
それ以来、さちちゃんが母犬(空ちゃんと呼んでいる)のいるところではちっちゃくなっていて、ちょっと可哀想な感じです。
犬がたくさんになると、いろいろややこしい。

以前から里親探しをしていた夢ちゃんとさちちゃんは、ハルちゃんが行方不明になってしまったことですっかりほっとかれています。もう避妊済み。
もっとすぐに大きくなると思っていたけれど、意外と10kg強のところで止まっています。母犬は小さいしね(さちちゃんの母犬がハルちゃん、夢ちゃんの母犬は知らないノラちゃんだけど、元保護主さんによると、あんまり大きくはなかったらしい)。
夢ちゃんもさちちゃんも美人。さちちゃんはあんまりハルちゃんに似ていないと思っていたけれど、目元の表情なんかがだいぶん似てきました。

夢ちゃん→6月からいったん募集を終了しています。

さちちゃん(左)→6月からいったん募集を終了しています。

夢ちゃんさちちゃんは残っても仕方ないにしても、せめて子犬ちゃんはもらわれていってほしいです。

ハルちゃんは帰ってきませんでした。

2015-03-07 13:12:33 | 犬・猫関連
可愛いハルちゃんはうちに帰ってくることができませんでした。

3月1日になって、2月5日夜7時半ごろに踏切で白い犬が事故に遭っているのを見かけたとの情報が入りました。
JRは事故動物の記録をまったく残さないらしく、当初は「白い犬」としか分からなかったのですが、
いろいろ調査した結果、ハルちゃんであるらしいことが分かりました。

遺体を処理した方が、リードの色と模様を覚えていてくださいました。
リードだけでも、首輪だけでも、手1本でも脚1本でも帰ってきてほしいとお願いしたところ、
埋めてあるところを掘り出してはくださったのですが、
体は腐敗しているので無理、首輪も食い込んでいるとのことで、水色のリードだけが帰ってきました。

リードが線路の枕木に引っかかって動けなくなっていたとのことでしたので、
リードだけが帰ってくるのも複雑なものがありますが、
ハルちゃんのものであることは確認できました。
白い毛束が幾束か絡みついていたので、ハルちゃんの毛なんだと思います。

ハルちゃんが線路で動けなくなっていたときも、
私たちは全然違うところを探していたのだと思うと、悔しくてなりません。
分かっていたら線路に飛び込んででも、助けてあげたかったのに(非常ボタンは押しますが)。

ほぼ1か月間、必死に探し回りましたが、本当に残念な結果になってしまいました。
ハルちゃんのことを心配してくださった方、探してくださった方にはお礼申し上げます。

今回の件では、最初逃げ出したとき、母が私を呼びにいったん家に戻り(散歩中だった)、
再び元の場所に戻ったらもうどの方向に逃げたのか分からなくなっていた、
いろんな方に見かけたら教えてねと声をかけた結果、
ぜんぜん犬の気持ちの分からない人が見つけて追いかけ倒して明後日の方向に逃げてしまった、
最後の目撃情報では、車で見かけた人がクラクションを鳴らして(車で)後を追ったために、
パニックを起こしてすごいスピードで逃げてしまったなど、いろいろなことが裏目に出てしまいました。
情報を得るためには人にお願いしなければならないのですが、
必ずしも犬のことがよく分かっている人ばかりではなく、
善意なのか、ちょっといいところを見せたいという気持ちからか、捕まえようとしてしまう人も中にはいます。

最期事故に遭った踏切も、最後の目撃地点から犬であれば行けない距離ではないですが、
うちの方角とも違うし、何でそんなところに行ったのか…と思います。
それまではぜんぜん線路の近くなんかにいなかったのに…。

GPSをつけていたら早いうちに捕まえられて、助けられたかなあ、とは思います。

3週間しか一緒にいられませんでしたが、
ハルちゃんはほんとうに可愛くて、大人しくて、愛さずにはいられない子でした。
毎日抱っこしていたので、私の胸とか肩のあたりが、電車にひかれてしまったように感じています。
電車に乗るたびに気持ちが沈みます。