乃南アサ 『地のはてから』(上・下)(講談社 2010年 / 講談社文庫 2013年)
北海道・知床で生きた女性の生涯を丹念に描いた、著者の最高傑作!中央公論文芸賞受賞作!凍てつくオホーツク海に突き出し、人も寄せ付けぬ原生林に覆われた極寒の地・知床。アイヌ語で「地のはて」と呼ばれたこの地に最後の夢を託し、追われるようにやってきた開拓民の少女。物心ついたときにはここで暮らしていたとわは、たくま . . . 本文を読む
星野智幸 『俺俺』新潮社(2010年) / 新潮文庫(2013年)実家のドアを開けると、現れたのは俺だった。「誰だおまえ」「おまえこそ誰だ?」なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった俺は、気付いたら別の俺になっていた。上司も俺だし母親も俺、俺ではない俺、俺たち俺俺。俺でありすぎてもう何が何だかわからない。電源オフだ、オフ。壊れちまう。増殖していく俺に耐えきれず右往左往する俺同士はやがて――。現代社会で . . . 本文を読む