お稽古の始まる前
水屋でお茶をはいていた時のことです
篩（ふる）ったお茶の缶を持っている
私の左手首の内側に
小さな蚊が1匹とまりました
右手は茶杓を持っていましたので
思わず右手の手首を
その蚊めがけてこつんとぶつけましたら
蚊は呆気なく
私の膝の上に落ちました
右手でそっと
落ちた蚊をつまんで
心の中で
「ごめん・・・」
と言いながら
横にある紙袋の中へぽとんと落としました
蚊は
紙袋の底に向かって
すーっと落ちていったかと思いきや
なんと
突然ふわりと浮かび上がり
紙袋の中で舞い始めました
驚いた私は
あわてて紙袋の口をふさいで
玄関から外に飛び出るや否や
ふさいだ口を再びぱっとあけました
小さな蚊は
紙袋から躍り出ると
何事もなかったように
飛び去って行きました
殺してしまったと思った蚊でしたが
どうやら気絶していただけだったようです
蚊は
助かった・・・
と思ったことでしょう
でも
本当に救われたのは
蚊よりもむしろ
私の心だったような気がします
お稽古が始まる前の
小さなハプニングでした
「鳥啼山更幽」
前大徳明道師
どこかで
ひよどりが鳴く声が
時折響いてくる
今日の稽古場でした
薄茶点前
7月からお稽古を始められ
3か月間
熱心に割り稽古をなさっていたＴさんに
今日は初めてお点前をしていただきました
割り稽古の一つひとつを
よく覚えておられて
きれいなお点前でした
濃茶 台飾り
午後は
先日のお茶事にご一緒して下さったＭさんと
昨日今日と続いて来られたＹさんの
お稽古でした
今日はまず最初に
お二人に敬意と感謝をこめて
台飾りのお点前で
濃茶を一服さしあげました
あの日のお茶事のことを思い出しながら
三人であれこれお話がはずみました
干菓子 旭川 岡山 芭蕉庵製
