春の風が肌に冷たい様を表すのに
料峭(りょうしょう)という言葉があるそうです
春寒料峭( しゅんかんりょうしょう)
春寒し
余寒の身に染む一日でした
庭の梅の蕾も
膨らむのをためらっているかのようです
「春来草自生」
(春来たりて草自ずから生ず)
魯生(北大路魯山人)自画賛
春が来れば 自然に草が生える
当たり前のことを言っているようですが
なんと
これが仏法の大意とは何かという問いに対する
一つの答えなのだそうです
私たちの人生にも
春夏秋冬の季節と同じく
抗うことのできないリズムがあるとすれば
たとえ冬の最中にいたとしても
いつか必ず
春がやってくることを疑うことなく
穏やかな気持ちでいることができましょう
余寒の厳しさも
暖かい春を待つ心で
愉しんだらよいのですね
濃茶 仕組点
仕組んだ茶碗を建水にのせて持ち出し
棚前にすわったら
建水と茶碗を左膝横
膝より少し下がったところに置きます
主菓子 薄氷(うすらい) 鼓月製
春浅いころの薄く張った氷
また
厚い氷が解けて薄く残っているさまをいう
春の季語です
よく見ると
表面に薄く割れ目がはいった
少しはかない印象のお菓子です