先日4月8日に
社中を玄庵に招いてお茶事を催しました
その三名の方々から
それぞれの心を込めた
後礼のお手紙を頂戴しました
それらの手紙を繰り返し読み返す毎に
あの日の始まりから終わりまでを
また新たな喜びと共に思い返しています
そう言えば4年ほど前に
「茶事 客の心得」と題した
簡単な手引書を作って
社中の皆さんにお配りしたことがありました
ここに書きましたことは
たまさか私がこれまで知り得たことと
私個人が実践している一例を
書き連ねただけのことです
書き足りない点もあれば
他のお茶人の方から見れば
少し違っていることもあると思います
特に気を付けたいのは
客と亭主との関係によって
客のするべきことは
臨機応変に変わってくるので
答えはこれ一つでは無いということです
お茶の道は
それぞれに歩んで来られた道が
かけがえのない唯一無二のものですから
自分と異なるやり方を見たら
ああそういうのもあるのだな・・
くらいに思ってくださいませ
大切なことは
自分がどうするのかを
一瞬一瞬選んでいくことであり
それがご自身の道になっていくのだと思います
その一つの参考になりますればと思い
「茶事 客の心得」より
その内容をここに書かせていただきます
ご高覧いただけたら幸いです
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【茶事とは何か】
茶事とは、客を招待して食事(懐石)を出し、
その後に菓子、濃茶、薄茶を点てて、
約四時間をかけてもてなす催しをいいます。
しかし、
茶事は一日だけですべてがすんでしまうわけではありません。
茶事を主催する亭主は、
約一ヶ月前には客の顔ぶれを決めて正式な案内状を出し、
客の方もその案内に応じて、
すぐに正式に返事を送るところから、
茶事は始まります。
そして亭主は、
茶事を催す一週間ほど前から、
本格的に準備にとりかかります。
それに対して、
客は前日には「前礼」と称して、
亭主の家の玄関先まで出向いて参会する旨を伝え、
さらに茶事が終わった後も
「後礼」という挨拶に行くのが、
正式な作法となっています。
ただし、昨今では、
前礼・後礼とも、手紙や電話、
あるいはメールなどですませることが多くなっています。
これら一連の約束事を主客が協力しあって、
初めて茶事は成り立つのです。