表千家一期一会

台天目相伝茶事

本日は
社中三名をお迎えし
台天目相伝茶事を
執り行いました

昨夜の予報では
降水確率80%となっていたので
置き蹲踞の準備を
していました


実際早朝より
断続的に小雨模様でしたが
ちょうど席入りの時刻と
退出の折りには
なぜか雨が1滴も落ちてこず
お客様には
露地をお通りいただくことが
できました

席中には
香を焚きしめました


席入り後
挨拶を交わし
すぐに主菓子をお出しして
台天目の点前を
相伝いたしました

その後
本日の相伝者二名に
不審菴から届いていた
台天目の許状を
手渡しさせていただきました

祝い膳

主菓子 沢辺の蛍 虎屋製

干菓子 亀屋伊織製

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本日も
無事に相伝茶事を
執り行うことができ
ほっとした気持ちで
このブログを書いております

振り返ってみますと
私が初めて相伝の茶事を
先生にしていただいたのが
昭和54年
今から44年前のことでした

茶事とは何か
全く知らなかった私ですが
普段とても厳しい先生が
お料理を運んで下さったことや
お箸を落として合図をすることなどに
びっくりしたことだけ
とてもよく覚えています

それと同時に
いつものお稽古の奥に
何かとても深い世界があることを
おぼろげながら感じました

しかしその当時
自分が将来
お茶を教えることになろうとは
予想だにしていませんでした

そんな私が
ある日気づいたら
人様に相伝をさせていただく
立場に立っておりました

あらためて調べてみると
今日は私の稽古場での
17回目の相伝茶事で
これまでに
延べ26名の方に
唐物以上の相伝を
させていただきました

とは言っても
ただお一人お一人
目の前にいらっしゃる方に
私の学んだことを
お伝えしてきただけです

それは
例えば豪快な滝でもなく
雄大な大河でもなく
人知れず山奥に湧き出る
小さな清水のような流れです

でも嬉しいことに
お茶の深みを知ったお弟子さん達が
それぞれにご自分のお茶の流れを
あらたに生みだして
各方面で活躍なさっておられます


ご自宅や学校で
大勢の方に
茶道の指導をされている方々
また
外国からの観光客の方などに
お茶のもてなしをされている方々

その他にも
お茶の心得を生かしたお仕事に
ついている方々がいらっしゃいます

また
ご家庭や職場で
お茶を通して学んだ世界観や
お茶の心を伝えられたり

茶道初心者の方への指導や
今日のような茶事を
お手伝いして下さったり・・・


私一人の力では
到底できない多くのことを
皆さんがそれぞれ
実践なさっていることが
私にとって
大きな喜びであり
誇りとなっています

私自身は
もうこれで充分やりきった・・・と
自分が思えるその日まで
この小さな湧き水を絶やすことなく
さらさらさらさらと
流し続けていたいと思います
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