本日は
社中のMさんをお招きし
唐物の相伝茶事を執り行いました
お相伴には
先輩のSさんにお入りいただきました
午前六時
稽古場の洗心亭へ向かいました
清々しい初夏の朝です
席入りの時刻は
11時とご案内していましたので
10時半頃にお越しになることを予想して
10時20分頃
半東さんにお願いし
玄関前にたっぷりと打水をいたしました
お客様の二人には
玄関から寄付き
そして待合へとお入りいただき
お白湯をお出しした後
露地へとご案内いたしました
利休像の前に香炉
席中に
香を焚きしめました
席入り後すぐに
相伝式をさせていただきました
その後
祝いのお膳を
お出ししました
お赤飯は物相で型抜きしました
祝膳の後
後炭で火相を整え
薄茶をお出しして
本日の相伝茶事は
目出度く終了と相成りました
主菓子 香ばら とらや製
干菓子 亀屋伊織製
『定本 茶の湯表千家 下巻』
この本の中に
私が社中の方に
相伝をさせていただく時
いつも心のよりどころとしている
一文があります
「相伝の段階」(p.172)に
記されている内容から
一部抜粋して
以下に書かせていただきます
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すべて相伝を受けるのは
単に許しの点前の伝授を
受けるというだけでなく
また点前だけができるというのでもなく
それぞれの相伝の段階に応じて
体験に体験を重ねた
修練の年数
点前はもちろん
知識さらにその人のお茶
それからその人格
あるいは茶道への功績など
あらゆる角度から考えて
最高の相伝が
許されるのである
(中略)
家元にかわって相伝する先生方も
相伝を受けるお弟子さんも
相伝とは
こうしたものであることを知って
相伝の本当の意味を知ることも
また
お茶を知ることである
(以上抜粋)
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私にできる精一杯の方法で
このことを少しでも
社中にお伝えすることが
できたらと願うと共に
私自身が
その理解をさらに深めることが
できますようにと
皆様が帰られた後
利休像の前に座り
祈りました・・・